主人公の少女が本の中の世界に吸い込まれて冒険を繰り広げる、異世界ファンタジー漫画。主人公は、高校受験を間近に控えた中学3年生の少女・夕城美朱(ゆうきみあか)。ある日、親友の本郷唯と共に図書館で勉強していた美朱は、立入禁止区域で「四神天地書」という古い書物を見つける。その書物には「読み終えた者は物語の主人公と同じ力を得て、望みが叶う」と書かれていた。その言葉に釣られて本を開いた2人は、本の中の世界に吸い込まれてしまう。1995年4月にテレビアニメ化。
本の中に吸い込まれてしまった美朱。そこは、朱雀(すざく)が守護する紅南国、青龍が守護する倶東国、玄武が守護する北甲国、白虎が守護する西廊国が存在する、古代中国に似た異世界だった。この4つの大国には「国に滅亡の危機が訪れたとき異界から1人の娘が現れ、巫女となって七星士と共に神獣の力で国を救う」という伝説がある。この伝説の通り、美朱は朱雀の巫女として異世界での冒険を繰り広げることになる。本作の魅力は、少女漫画らしい心ときめく恋愛描写が随所にちりばめられているものの、恋愛だけに重きを置いているわけではないという点だ。美朱と唯の友情とすれ違い、迫力のある戦闘シーン、仲間との出会いと別れなど、様々な要素が絡み合い深みのある物語を作り出している。
文明崩壊後の日本を舞台に、主人公が強大な力を持つ王家に立ち向かう姿を描いた、架空戦記漫画。20世紀の終わり、大いなる禍によって日本の文明は滅びた。それから300年後。主人公の少女・更紗は双子の兄・タタラと共に、生まれ育った白虎の村で平和に暮らしていた。そんなある日、白虎の村を「赤の王」の軍勢が急襲。国を救う「運命の少年」と予言されたタタラは殺害されてしまう。更紗は赤の王を倒すため、兄に扮して立ち上がる。1998年4月にテレビアニメ化。
殺害された兄・タタラとして立ち上がった更紗。彼女が兄から受け継いだのは兄の愛馬と、白虎の村に伝わる守護刀「白虎の刀」だった。家族を殺し、民を苦しめる赤の王を討つため、更紗は旅に出る。旅の中で更紗は様々な人物と出会うが、最も運命的だったのは、朱理という青年との出会いだろう。朱理の正体は、更紗から家族を奪った張本人である赤の王だ。更紗にとって赤の王は討つべき憎い相手であり、逆に王家に反抗するタタラ軍を率いる更紗は、朱理にとって邪魔な相手。しかし互いの立場を知らない2人は、強く惹かれ合っていく。敵同士である2人の禁断の恋は、本作の大きな見所の1つ。壮大なスケールで描かれる人間ドラマと、少女漫画らしいラブストーリーが見事に融合した作品だ。
主人公が人界・仙界・天界で起こる数々の事件を乗り越えていく、ファンタジー・アドベンチャー漫画。舞台となるのは、古の東アジア大陸。主人公のラン・リーアンは、白真珠の精白玲(パイリン)に拾われ育てられた少年だ。ある日、パイリンが管理する竜王剣が何者かによって盗まれ、人界に持ち去られてしまった。仙界のリーアンは人界に関われないパイリンに代わって人界へと降り、竜王剣を探す旅に出る。3つの世界で起こる事件に巻き込まれながら、リーアンは少しずつ成長していく。
本作は、道教神話の神々が登場する作品で、物語のモチーフは封神演義となっている。主人公のリーアンは、人間でありながら天界や仙界との繋がりも深い人物。彼が育ての親であるパイリンに代わって、竜王剣を探すべく人界へ降りるところから、物語は動き出す。やがて彼は竜王剣の在り処を突き止めるのだが、竜王剣は血で穢されてしまっていた。この出来事をきっかけに、リーアンは様々な思惑や過去の因縁によって引き起こされる様々な事件に巻き込まれるようになり、自身の出生の謎にも迫っていくことになる。本作には精霊や竜族、四方将神や人間など、様々な種族のキャラクターが登場する。リーアンが主軸とはなっているが、他キャラクターの物語も同時展開されていくのが特徴的だ。
4人の高校生と天界からやってきた四神の物語を描いた、ファンタジー漫画。主人公の東竜紀(あずまたつき)は、高校入学を間近に控えた少年。入学式の前夜、夜中に買い物に出た竜紀は、夜空を駆ける大量の流れ星を目撃する。流れ星の正体は、天界から逃げてしまった108の魔王と、魔王を追ってやってきた四神と呼ばれる4匹の動物だった。四神のうちの1匹である水の守護神・青龍の主となった竜紀は、青龍と共に残り3匹の四神とその主を探し、魔王を捜索する役目を与えられる。
天界に封印されていた魔王たちが、人間たちが暮らす地界へ逃げ出した。それを追ってやってきたのが四神だ。四神の使命は逃げた魔王たちを捕らえることだが、四神は地界では主がいなければ力が出せない。そこで四神の主として、4人の高校生が選ばれた。水の守護神・青龍の主は、主人公の東竜紀。火の守護神・朱雀の主は、竜紀の家の隣に住んでいる少女・南朱鳥(あすか)。風の守護神・白虎の主は、竜紀の親友・西虎ノ介。そして、土の守護神・玄武の主は、歌舞伎界の御曹司・北勇亀也(きたゆきや)だ。魔王たちを放っておけば、世界が滅びる可能性もある。竜紀たちは魔王たちを見つけ出し、世界を守ることができるのか。強い絆で結ばれた4人の高校生の活躍から、最後まで目が離せない。
人喰い鬼の一族を統べる存在だと言われた主人公が人として生きるために奮闘する、ホラー・ファンタジー漫画。主人公は高校1年生の少女・桐生蒼子(そうこ)。彼女はある高校に転校してきたばかりなのだが、初日から周囲でおかしな現象が起こり不安を抱く。そんな彼女の前に、西園寺彬(あきら)という謎めいた男が現れた。彼は自らを西家の白虎と名乗り、蒼子を殺しに来たのだと告げる。蒼子自身にその自覚はないが、実は蒼子の正体は人喰い鬼の一族を統べる長、東家の蒼龍だったのだ。
かつて、日本には「鬼門」と呼ばれる人喰い鬼の一族が存在しており、鬼門には東家・西家・北家・南家があって、それぞれ役目が与えられていた。東家の当主である蒼龍は鬼門の長を、北家の当主である玄武は鬼門の司祭を務め、南家の当主である朱雀は鬼門の刑罰を司ってきた。その中で唯一、西家の白虎は人間の味方になり、鬼を狩る役割を果たしてきた。だから、西家の白虎である彬は、蒼龍である蒼子を殺しに現れたのだ。しかし、彬は人を喰うことを厭い傷つく蒼子に惹かれるようになり、蒼子もまた彬に想いを寄せるようになる。蒼子は彬と共に生きるため、鬼門を滅ぼして人間になる決意をするのだが、果たして彼女の望みは叶うのか。宿命に翻弄される登場人物たちの行く末を見届けよう。