趣味で「たいようのいえ」という自伝的な携帯小説を書いている本宮真魚(もとみやまお)が主人公の、ハートウォーミングな少女漫画。現代の日本を舞台に、登場人物それぞれが抱えている問題に立ち向かう姿や、各々の恋を丁寧に描く。父親の再婚により、自分の居場所をなくしたと感じて家出をした17歳の真魚。幼い頃に入り浸っていた中村家に今は1人で暮らす、24歳の幼馴染みの中村基(なかむらひろ)のもとへ身を寄せることに。同居するうちに、真魚は基に惹かれていき、恋心を抱く。
両親の不在のため、真魚は幼い頃から向かいに住む中村家の子供たちと遊ぶことが多かった。仲良し5人家族の中村家の温かさに憧れていた真魚だったが、基が高校3年生の時に彼の両親が亡くなり、弟の大樹(だいき)と妹の陽菜(ひな)は遠方の親戚宅で暮らすことに。バラバラになってしまった弟妹と再び一緒に暮らす日を夢見て、基は1人、両親が遺した自宅で生活を続けていたのだ。時が経ち、同居することになった真魚と基。それぞれの家族問題や、恋愛事情など、次々と巻き起こる問題を乗り越えて、真魚の基への恋心が成就するのかどうか注目だ。中2男子のような真魚と、まるで“お母さん”のような基の、年の差幼馴染みコンビの行く末を、その目で見届けてほしい。
中学2年生の女の子・三井野八重が、隣家に住む幼馴染みの同級生・四位善一郎のために、毎朝味噌汁を作るほのぼの系お料理漫画。善一郎の家や、2人が通う市立第一中学校が主な舞台。善一郎は、幼稚園生の時に母親を亡くして以来、父と2人で暮らしていた。朝食は、コンビニエンスストアで前日に購入したおにぎりやパンで簡単に済ませていたのだが、ある日を境に、八重が毎朝やってきて味噌汁を作ってくれるようになり、日々が色づきだす。
実は善一郎は幼い頃から八重に恋心を抱いており、小学生の頃に「お嫁さんになってよ」と告白をした過去もある。一方の八重は、とにかくウブで恋バナなどが大の苦手。母親を亡くした善一郎を慰めるために交わした「お母さんになってあげる」という約束を果たすため、手作りの朝食でお腹も心も満たすべく奮闘している。しかし出汁の存在すら知らないほどに料理の知識は乏しく、腕前は善一郎の方がはるかに上。それでもめげずに料理の勉強や努力を続け、毎朝異なる具の季節感あふれる味噌汁を作り続ける八重が可愛らしい。善一郎が微かに期待している、2人の関係が進展する日は来るのかどうかに注目しつつ、読めば美味しい味噌汁が飲みたくなること間違いなしの作品だ。
幼馴染みの同級生・椎名小春と杉浦夏生(なつき)の恋模様を描いた、純愛少女漫画。2人が通う愛華高校や、隣接して立つ小春と夏生の自宅周辺が主な舞台。生まれた時から仲が良く、一緒にいる事が当たり前だった2人が、互いに対する恋愛感情を自覚し、紆余曲折を経て愛を育んでいく姿を丁寧に描いている。高瀬ゆのかが執筆した『ハチミツにはつこい~アーリーデイズ~』や金杉弘子による『ハチミツにはつこい ファースト・ラブ』など、小説作品も展開されている。
お互いを異性として意識してこなかった2人だったが、イケメンの夏生が高校で急にモテ始め、小春は複雑な心境に。この感情は恋だと自覚した小春は、同級生の応援もあって意を決して告白するが、常々「幼なじみとして」好きだと公言し合っていたせいで夏生に恋愛感情の好きだと気付いてもらえず、失敗に終わる。その後、夏生から特進科の同級生・西園寺秋(あき)に恋をしていると明かされた小春は失恋してしまう。2人の幸せを願いながら、新たな恋を探すべく動き出すが、今度は夏生の方に複雑な感情が芽生え始めていく。小春と夏生の関係はどう変化していくのか、甘酸っぱい青春模様から目が離せない。
服飾デザイナーを目指す、オシャレが大好きな女子高生・幸田実果子が主人公の恋愛少女漫画。実果子や幼馴染みの山口ツトムたちが通うヤザガクこと矢澤芸術学院を舞台に、数々のラブストーリーが展開されていく。実果子とツトムは、幼い頃からお互いに好意を持ちながらも、素直になれないでいた。しかし、高校生活を共に過ごすうちに出現したライバルへの嫉妬などを経て、恋心を自覚し関係が進展していく。1995年9月にテレビアニメ化。
同じマンションの101号室に住む実果子と102号室に住むツトムは、同い年の幼馴染み。小中高とずっと一緒に過ごしてきた両者は、周囲からは好き合っているように見えながらも、一線を越えられずにいた。高校生になり、実果子はやっとツトムをただの幼馴染みとしてではなく、恋愛対象として意識するようになっていく。そんな中、ツトムは学園のミスコンでグランプリに輝いた年上美女・中須茉莉子と付き合うことに。しかしツトムは、この交際のお陰で自分が本当に好きな相手は実果子だと気付くのであった。紆余曲折を経て、16年来の恋を実らせた2人は、2人を中心に結成したフリーマーケットサークル「アキンド」の個性的なメンバーと共に、充実した日々を過ごしていく。
17歳の女子高生・花園佳代の前に、突然未来からやってきた“30歳の自分”が現れることで動き出すラブコメディ漫画。勉強はできないがそこそこモテる主人公の佳代は、将来25歳くらいで普通に結婚するだろう、と呑気な青写真を思い描いていた。ところが、30歳になっても独身だと言う未来の自分が現れ、幼馴染みの相川真之介への恋心を自覚し、高校生のうちに交際を始めろと言い放つ。2018年に実写ドラマ化され、それに伴い『こんな未来は聞いてない!! Return』が復活連載された。
幼馴染みの佳代と真之介は、小学生の頃から「性別は関係ない親友」と公言し合っており、その関係をからかわれるほどに仲が良かった。2人は真之介の家の庭で、手加減なしのバスケットボールの1対1の勝負を楽しんでいたが、中学2年生になった頃から体格差や力の差が歴然に。負けず嫌いだった佳代は、女だからと手加減しない真之介が好きだったのだが、「手加減されないのは自分が異性として見られていないから」と考えるようになり、ハッキリと失恋をする前にこの恋を諦めたのだった。しかし、30歳の自分にけしかけられた佳代は、大人気のイケメンへと成長した真之介への気持ちを改めて自覚。結婚できない未来を変えるために、行動を開始する。