22世紀初頭の日本を舞台に、「シビュラシステム」と呼ばれる統治機構に支配された社会で、刑事たちが織りなす犯罪捜査物語。テレビアニメ「PSYCHO-PASS」1作目の前日譚を描いたスピンオフ漫画だ。主人公の刑事・狡噛慎也は「焼印事件」と名付けられた事件を調べ始める。捜査線上に浮かびあがったのは、かつての大女優・納然桐花だった。
本作の世界に於いて、市民は「色相」と呼ばれる犯罪指数で管理されている。そのため、たとえ犯罪を起こしてなくても「色相」が濁っている者は犯罪者として処理される。だがそんな管理社会下でも、異常犯罪者は誕生する。主人公の刑事・狡噛慎也が追っている「焼印事件」の黒幕である、元女優の納然桐花。かつて彼女は、赤い斑点が浮き出る皮膚病にかかり女優を引退する。それが切っ掛けで、脳以外のすべてを義体に置き換えたサイボーグになる。そしてサイボーグになったことで、「赤い色」に関連するあらゆるものを病的に憎む異常犯罪者になってしまったのだ。
凶悪犯罪を繰り返す謎の2人組が、日本を、そして世界を震撼させる終末群像劇。消火器爆弾を東京都内に設置しながら、行く当てもなく北上する主人公のモンちゃんとトシ。2人は、青森の警察署を襲撃したことでトシモンという名のテロリストとして有名になっていく。
本作に登場する異常犯罪者は、主人公のモンちゃんとトシだ。気弱な青年のトシはある日、謎の男“モンちゃん”と出会い、行動を共にする。モンちゃんは、意志はハッキリ示すものの、言葉は片言に近く多くを語らない。そのため、何を考えているのか全くわからない。しかし、鬱積した思いを抱いていたトシは、本能のままに破壊を繰り返すモンちゃんに影響され、次第に変化していく。そして、暴力を振りまきながら日本を北上していく2人。そこではもう、トシに最初の頃の気弱さは見られない。モンちゃんの狂気は、やがて世界へと伝播する。
ファンタジー色が強い犯罪推理漫画。主人公の脳噛ネウロは、「謎」を好物として食らう魔人。人間界で私立探偵となったネウロは、女子高校生の桂木弥子と共に、奇怪な犯罪の謎を解き明かしていく。2007年テレビアニメ化。
本作は異常犯罪者の宝庫。その中でも際立っている異常犯罪者が、作中で“最悪の殺人鬼”と言われる怪盗X(かいとう サイ)だ。Xは人間だが、何にでも変身できる特殊能力の持ち主。しかし、その能力のため、常に記憶が失われ続けるという状態になっていた。自分の正体がわからなくなったXは、人を殺害して「赤い箱」に加工し、それをもとに新たな自分の構築を行うという凶行を繰り返す。己が何者かわからないことから発生する苦悩と不安を抱え、さらに殺人を繰り返す、無邪気で残酷なシリアルキラーなのだ。
命がけのバトルロイヤルを描くSFサバイバル漫画。主人公の天野雪輝は、平凡な男子中学生だ。しかし、携帯で未来の出来事を確認できる「未来日記」を手に入れたことで日常が一変。同じように未来日記を手にした12人の者達と、命がけのサバイバルゲームに強制参加させられてしまう。2011年テレビアニメ化。2012年テレビドラマ化。
命を賭けたバトルロイヤルを繰り広げる本作では、異常犯罪者が多数登場する。その中でもっとも異常と言えるのは、ヒロインである女子中学生・我妻由乃だ。主人公・天野雪輝の同級生である彼女は、才色兼備で周囲の憧れの的。しかし、その本性は、雪輝に病的な想いを寄せるストーカーだった。由乃は雪輝と一緒に過ごすことしか考えておらず、バトルロイヤルの勝敗にはまったく興味を持っていない。一方で、嫉妬心が非常に強く、雪輝に接近する女性はすべて敵とみなし殺害することも厭わない。平凡な主人公の側にいる、異常犯罪者であるヒロインの存在こそが、本作の魅力を倍増させている。
巨大災害に巻き込まれた者達を描くサバイバルパニック漫画。修学旅行で東京へと帰る新幹線が、突如発生した大地震によりトンネル内で脱線事故を起こす。ほとんどの乗客が命を落とした中で、主人公の青木輝たちは奇跡的に生き残った。彼らは、極限状態が生み出す狂気の世界で生き延びる方策を模索していく。2003年映画化。
巨大災害を描く本作では、多くの者が理性を失う。そして、異常犯罪者といえる行動を見せるのが、主人公・青木輝の同級生である高橋ノブオだ。いじめを受けていた背景があるノブオは、日常的に挙動不審なところがあったが、災害発生後はその行動が顕著になっていく。自身の体に化粧道具で怪しい模様を描き、教員の遺体をもてあそび始める。さらに、熟睡するヒロインの服を脱がし、自身と同様の模様を描くといった具合だ。その後、ノブオは消息不明になるが、彼の異常行動が残した恐怖は凄まじいものがある。