お金持ち学校に入学した元ヤン女子高生が、幼い頃から恋焦がれていた高等部の生徒会長の用心棒となって、カーストのトップをかけのぼる学園ラブコメディ。乙宮灰音(おとみやはいね)は、大好きな絵本の作家である東宮閉雅(とうぐうしずまさ)に幼い頃からずっと憧れていた。中学時代に夜遊びで荒んだ生活を送っていた灰音は、偶然出会った閉雅をきっかけに更生し、彼が通う超金持ち学校の私立帝国学園高等部に入学することを決意する。
乙宮家の養子である灰音は、両親に実子同様分け隔てなく育てられた。だが乙宮家の経営する乙宮家具は倒産の危機にあり、家族に恩を感じていた灰音は毎日バイトして家にお金を入れる日々を送っている。灰音がそこまで頑張れるのは、全て閉雅と同じ高等部に通っているからだ。しかし帝国学園の生徒は学園への貢献度によって金・銀・銅のランク付けがされており、貧乏苦学生の灰音は一番下の銅ランク。一方で学園の生徒会長にして「皇帝」と称される閉雅は金を名乗ることが許される唯一の存在だ。ところが、その閉雅がある理由から自作自演の狂言誘拐事件を起こす。事態を収拾するため、閉雅が「元ヤンの灰音が自分を暴漢から救ってくれた恩人だ」と話したことで、灰音は皇帝の用心棒兼庶務として生徒会役員に迎え入れられる。
ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりである女子高生が怪盗に扮して美しい絵画を次々と盗み、中に潜む悪魔と戦う現代ファンタジー。20世紀末、美しい絵画を次々と盗む少女怪盗ジャンヌが世間を騒がせていた。怪盗ジャンヌの正体は、新体操部に所属する女子高生の日下部まろん。刑事の娘である東大寺都は幼なじみのまろんが怪盗ジャンヌとも知らず、いつかジャンヌをつかまえてやると息巻くのだった。1999にテレビアニメ化。
まろんを怪盗ジャンヌへと導いたのは準天使のフィン・フィッシュだ。遥か昔から世界を手に入れようと企んでいた魔王は、20世紀になって最大の敵である神を衰弱させる方法を見つけた。それは神の命の源である人間の「美しい心」を奪うことだった。魔王は人間界の美しい絵画の中に悪魔を潜ませ、その絵を鑑賞する人間の心を蝕もうとしたのだ。神が死ねば、人間も滅びる。だが、普通の人間では回収した絵の中の悪魔にとりつかれてしまう。その仕事が出来るのは、前世から神の力を受け継いだまろんだけだったのだ。そんな中、まろんと同じマンションに名古屋稚空(ちあき)という少年が引っ越して来る。稚空のことが気になるまろんだったが、彼の正体はなんと、怪盗ジャンヌと同じ力を持った「怪盗シンドバッド」だった。
先輩に片思いしている女子高生が小学生の年下の従弟から告白されたことをきっかけに、大好きな先輩と従弟との間で恋心を揺らす学園恋愛少女漫画。高校1年生の立花愛は2年生の芹沢未亜(みあ)先輩に片思いしているが、学校一の人気者である芹沢は愛にとって遠い存在だ。そんな愛にとって金曜日は特別な日。読書家の芹沢は毎週金曜日に図書館に本を借りに来る。図書委員である愛にとって芹沢と過ごせる金曜日は、彼を独り占めできる貴重な一日なのである。
芹沢に想いを伝えられないまま悶々としていた愛に家庭教師のバイトが舞い込む。最初は躊躇したものの、教える相手が同じマンションに住む仲良しだった従弟の本条猫太であり、おこづかいをはずむと言われたこともあって、愛は仕事を快諾する。久しぶりに会った猫太は可愛い少年に成長していた。成績が下がって母親からモンハンを取り上げられたことを知った愛は猫太の「成績アップ大作戦」に取り組むのだった。何事にも一生懸命な愛に芹沢は好意を伝える。芹沢のことを考え、ため息ばかりついてしまう愛を不審がる猫太。意を決した愛は芹沢にバレンタインチョコを渡す決心をするが、心を込めて書いた手紙が鞄からなくなっており、知らぬ間に芹沢のメルアドまでスマホから消されていた。
平安時代を舞台に、人里離れた所で静かに暮らしていた少女が月の国の血を引く姫だと自覚したことで人を食らう妖と戦う宿命を背負うファンタジー歴史漫画。早くに両親を亡くした桜姫は、生まれた時からの許嫁である王良親王(おうらしんのう)の庇護を受け、和泉の山荘でお付きの者たちとひっそりと暮らしていた。14歳になった桜のもとに、王室に迎え入れたいので、都に来て欲しいと王良親王のお迎えの使者(青葉)がやって来るが、桜はその申し出を拒否する。
「運命だって自分で決めるの」と都に行くことを拒んで木の上によじ登った桜を青葉は「こんな野熊姫だなんて!」と罵る。桜は青葉に無礼を働いた理由で御簾に閉じこめられ、食事抜きの罰を与えられる。月を見ていると淋しくなるという桜に、唯一の友人である小妖の朝霧は「淋しいのは…そうですね きっと誰かに呼ばれてるせいです」と諭す。反抗心から屋敷を抜け出した桜は、巫女の白夜と交わした「満月の夜だけは空を見てはいけない」との約束を破って満月を見てしまう。すると「見つけたかぐや姫」と人食いの妖古が突如現れ、桜に襲い掛かった。絶体絶命の桜を救ったのは青葉だった。青葉は「満月を通して妖古に桜姫の居場所が知れる‼」という桜は助けに来た白夜から自分がかぐや姫の孫だという事実を知らされる。
声を失うか命を失うかの選択に迫られた歌手を夢見る少女が死神の力を借り、16歳の少女歌手としてデビューを果たす魔法変身少女漫画。歌うことが大好きな12歳の神山満月(みつき)は喉に出来た肉腫が原因で自宅療養の生活を送っていた。このままだと命に関わる危険があったが、手術を受けると声帯を失って声が出せなくなる。満月は主治医の若王子に「私⋯死ぬのはこわくないです」でも、「歌えなくなるのはすごくこわい…です。だから手術は受けません」と伝え、ずっと手術を拒み続けていた。2002~2003年テレビアニメ化。
満月がそこまで歌にこだわるのには理由があった。両親を早くに亡くして施設で育った満月は、そこで出会った桜井英知という少年が大好きになった。二人は別れるときに、今度会うまでに満月は歌手に、英知は天文学者になる夢に近づいていようと約束を交わしたのだ。英知との約束を果たすために満月は面倒を見てくれている祖母に内緒で音楽事務所に応募し、一次審査に合格していた。何とか家を抜け出してオーディションを受けたい満月だったが、祖母は家から一歩も出してくれない。オーディションの時間は刻々と迫ってくる。思わず心中で「英知くん‼」と叫ぶ満月。そこに突然男女の死神が現れた。死期が迫ったことを知った満月は彼らの力を借りて16歳の少女に姿を変え、オーディションに挑戦するのだった。