東京の永田町上空で核ミサイルが爆発し、その後の混乱を描いた衝撃の核災害サバイバル漫画。主人公の佐原祐希は、バイクショップに勤めるごく普通の女性。彼女は夫の眞人の手解きで、核攻撃の際の対処法を学んでいた。当時はそんな心配など無用と考えていた祐希だが、ある日ミサイル発射を告げるJアラートが鳴り響く。それは、あり得ないはずの事態の前触れだった。
本作は、核攻撃を受けた際に起こりうる事態をリアル、かつ克明に描いた衝撃作だ。爆発威力20キロトンの核ミサイルが東京上空6000mで炸裂。その時点で、即死もしくは放射線の影響により、数ヶ月以内に死亡する急性死亡者は約42万人に及ぶ。爆心地から半径2㎞以内の建造物は99%が崩壊するが、人の死亡率は59%に留まった。人間には、意外なほど生き延びる力があり、本作の主人公である佐原祐希もそんな生き残りの1人だ。Jアラートの発令から即座に対応を行った彼女は無傷で生き残り、その後、子どもたちを預けた保育所に急行し家族との合流する。佐原一家は、協力して東京でのサバイバルに挑む。
2人の少年の出逢いから始まる、過激な革命を描いたサイキックSF漫画。主人公の田中真は、貧しい境遇からイジメを受け、心療施設でカウンセリングを受けていた。そこで彼は、不思議な男性と出逢い特別な能力を手に入れる。やがてカリスマ的な魅力を持つ首藤悠生と共に、その力を用いて過激な革命を始めていく。
主人公の田中真は、一見ごく平凡な男子高校生だ。だが、彼はある出来事をきっかけに、世界とひとつに繋がる力「ワンネス」を手に入れた。しかし、優しい性格ゆえ、その力を悪用する事はせず、ひっそりと暮らしてきた。そんな彼は、高校でカリスマ的な魅力を持つ少年の首藤悠生と出逢う。人気者で何不自由ない境遇に見えるユウキだが、彼は現代社会に大きな不満を抱いていた。やがて2人は、テロ組織「問う者」を結成。腐敗した権力に自浄の道を問いかけながら、過激なテロをしかけていく。彼らの存在に世界中が震撼し、米軍は彼らを殲滅するため核兵器の使用を決断する。
現代の世界情勢問題に鋭く切り込んだポリティカル・サスペンス漫画。主人公は、表と裏、両極端な立場にある2人の男性だ。米国から真の意味で独立した日本を目指す官僚と、尖閣諸島に触手を伸ばす中国の覇権主義に楔を打とうと目論む極道者。『ビッグコミックスペリオール』の創刊30周年記念企画として立ち上げられた作品である。
本作の主人公の1人は、公安に所属する警察官僚の神津快。彼は公安内部に独自の秘密組織「BEGIN」を結成し、米国の支配から脱し切れていない日本を変える策略を巡らせている。それは、あえて沖縄の危機的状況を煽ることで米軍の本音を引き出し、日本国民の目を覚ますというもの。もう一人の主人公は、ヤクザの新海十造。彼は非合法の極道にしかできない方法で、中国に飲み込まれそうな沖縄、ひいては日本を守ろうとしていた。立場も考えも大きく異なるが日本を憂える心は同じで、内側と外側から硬直した日本を揺さぶっていく。さらに神津は、日本が真の独立国となるには核兵器で武装する必要があると考えていた。
日米が極秘裏に共同開発した新型原子力潜水艦「シーバット」を巡り、世界中が騒動に巻きこまれていく様子を描いた軍事漫画。主人公の海江田四朗は、海上自衛隊屈指の実力を備えた潜水艦艦長。海江田は配下のクルーと共謀して「シーバット」を強奪し、独立国家「やまと」を宣言する。世界に国家の在り方と、軍隊の本質とは何かという命題を問いかけていく。
「やまと」は、核弾頭が搭載可能なハープーンミサイル50発を搭載した最新最強の攻撃型原潜。本艦は米国第七艦隊に所属するはずだったが、艦長の海江田四朗は、試験航海中に叛逆して独立を宣言する。国家の威信を傷つけられた米国は、総力を挙げてシーバットから「やまと」となった潜水艦の撃沈に動き、漁夫の利を狙うロシアは「やまと」の拿捕を企てる。微妙な立場に立たされた日本は、事態の収拾を巡って大紛糾。世界中が「やまと」の動向に注目する中、海江田たちは困難な戦闘に次々と勝利していく。本作の興味深い要素のひとつが、彼らが追いつめられたとき、核兵器を使うのかという疑問だ。それはまさに世界が抱える核抑止問題の縮図である。
『機動戦士ガンダム』の後の世界を描いたOVAシリーズ『機動戦士ガンダム0083』を元にしたコミカライズ作品。物語の舞台は「一年戦争」終結から3年後。ジオン公国の残党「デラーズ・フリート」は、地球連邦が極秘に開発していたガンダム試作2号機を強奪。ジオンを再興するべく「星の屑作戦(オペレーション・スターダスト)」を展開する。
ガンダム試作2号機は、核兵器搭載を念頭に開発された特別なモビルスーツだ。本来は、万能機として開発されたガンダム試作1号機と共に運用するのが基本コンセプトだった。ところが、デラーズ・フリートが試作2号機を強奪し事態を収拾するため、連邦は試作1号機を含めたチームによる奪還作戦を展開する。補完し合うはずだった2機のガンダムが、敵味方に分れて戦うことになる。1号機のパイロットに抜擢されたのは士官学校を卒業したばかりのコウ・ウラキ少尉、2号機は「ソロモンの悪夢」の異名を持つジオンのエースであるアナベル・ガトー少佐が操る。アニメでは描かれなかった展開も多く、物語に厚みが増しているのが特徴だ。