「究極のメニュー」作りを通して食に関するトラブルを解決していくグルメ漫画。原作は雁屋哲。東西新聞社文化部に配属された新人・栗田ゆう子は、社内の味覚テストに合格し「究極のメニュー」の企画の担当になる。しかし、一緒に組むのはぐうたらで居眠りばかりの先輩・山岡士郎。しかし士郎は、鋭い味覚と食に関する深く広い知識や技術の持ち主だった。二人は料理人や生産者を訪ね、食に端を発する社会問題にも目をむけていく。テレビアニメ化、実写ドラマ化もされた。
部下には厳しく、上層部にはゴマをする。典型的な困ったダメ上司として登場するのが、東西新聞社文化部副部長・富井富雄だ。主人公のゆう子と士郎の直属の上司にあたり、二人が担当する企画「究極のメニュー」作りの取材の場に同行することもある。しかし味オンチな富井はとんちんかんな発言をして取材の邪魔になることもしばしば。しかも、酒癖がかなり悪く、酔いがまわると気が大きくなって暴言をはき、周囲に迷惑をかけることも。それでも、戦後の食糧難の時代に育った苦労人のせいか、貧しい者には優しい一面もある。場を盛り上げるムードメーカーでもあり、いたら困るけど、いなければいないで物足りないような、憎めない存在なのだ。まさにクセが強い上司の代表格といえるだろう。
異世界のブラック企業に飛ばされたニートが奮闘する異色のファンタジーコメディ。二ノ宮(にのみや)キンジは、「働きたくない」一心で努力を重ね、勝ち組ニートの座を手に入れた人生の頂点で、異世界・アムリアに転移してしまう。裸一貫で飛ばされたキンジは、借金を背負ってブラック企業・ライザッハ鉱業のデトモルト支部で働くはめに。モンスターがうじゃうじゃいる危険な現場で、低賃金、長時間労働を強いられる社畜の日々。働くのが大嫌いなキンジは悪知恵と諦めの悪さで、抜け出すことを画策する。
異世界ファンタジーといえば、いやな上司やブラックな職場とすっぱり縁を切れて、心躍る冒険が展開する夢のような場所を思い浮かべる。しかし、キンジが飛ばされたのは、モンスターや様々な種類の亜人は存在するものの、リアルな世界同様に、ブラック企業がはびこり、パワハラ上司までいる異世界・アムリア。勝ち組ニートから一転、上司から厳しいノルマを課され、暴言を浴びながら、ツルハシで魔石を掘る生活を送ることに。そんなキンジにさらに追い打ちをかけるのが、ライザッハ鉱業デトモルト支部・迷宮長であるベルザ・シューバッハ。社員は使い捨ての捨て駒程度にしか思っていない彼女のブラックすぎる上司っぷりに、キンジの反骨心に火がつくのだ。
吸血族の上司と彼の秘書を務めることになった女性との間に芽生える種族を超えたファンタジックなラブストーリー。里塚花夜(さとづかかや)は大手・食器メーカー「株式会社トーマ」に勤める有能な秘書だ。ある日、仕事はできるが、女性関係が派手なことで有名な社長の息子、常務である当麻杏平(とうまきょうへい)の配属となる。最初は煙たがられるが、完璧な仕事ぶりで、部下に厳しい杏平の信頼を勝ち得る花夜。しかし、杏平の女性関係にまつわる重大な秘密を知ってしまうことになる。
異性関係が派手な上司というのは、付き合い辛いものだ。主人公・花夜の上司となるのは、女性社員から熱い眼差しをむけられる26歳のイケメン。しかも、社長の息子とあってはなおさらだ。だが、親の七光りかと思いきや、杏平の仕事ぶりは的確で、部下にもミスは許さない。かなり手ごわい上司なわけだが、花夜も負けてはいない。資料作成からスケジュール管理、果ては交際女性への付け届けまで、杏平の要求以上の仕事ぶりで納得させてみせる。花夜も杏平の常務としての有能さを間近で感じ、彼を見直すのだが、執務室に女性が入れ替わり立ち代わりおしかける有様には辟易。しかし、その裏には杏平の出自にまつわる秘密が隠されていた。吸血族である杏平は生きるために人間の血が必要だったのだ。
不思議な眼鏡で美少女に見えるようになったサラリーマンの日常を描くコメディ。うだつが上がらないサラリーマン・小山内(おさない)は、上司の部長から日々暴言を受けて働いている。しかし、酔った勢いで購入した「VR進化系メガネ」をかけたところ、ただのおっさんだったパワハラ上司の部長が、カワイイ美少女に見えるように。美少女からかけられると、罵詈雑言もなぜか心地よく響き、耐えられそうな気がしてきて…。小山内の会社員生活が一変する。
「よくこんな仕事で給料もらえるなあ!」「お前の作った資料何だ? これ。使えねえよ! こんなん」「ま、お前なんかどこ行ってもダメだろうけどな?」。こんな暴言が、他の社員もいる前で大声で叫ばれるような職場、とても耐えられないだろう。しかし、それを言うのが、おっさん上司ではなく美少女ならどうだろう。小山内が購入した「VR進化形メガネ」をかけると、ただの中年男性だった上司もツンデレな美少女に見えるのだ。横暴な取引先も小生意気な美少女に、ご機嫌とりが面倒な本部長も、可愛くすねた美少女に変換。パワハラ上司に囲まれたつらい会社生活も美少女ハーレムになってしまうのだ。眼鏡の力で、小山内の上司との付き合い方にも変化が見えはじめることになる。
転職繰り返すこと6回を誇る作者によるリアルなお仕事コミックエッセイ。美術系の専門学校を出るも時は就職氷河期、やっとの思いで就職した作者・サトウヨーコ。しかし、たいへんな会社や上司に出会いまくり、転職を繰り返すことになる。怒られすぎて、トイレで泣きまくったり、募集要項のデザイナーとは名ばかりで、仕事はパシリオンリーだったりと、転職はことごとく失敗。6回の転職の末、やがて本当にやりたいことを見つけていく。
求人情報を見たり、面接等のために事前に会社を訪問したりと、入社前にいろいろ情報を集めたとしても、結局は入ってみないとわからないのが職場の内情。作者が体験した職場もなかなかすさまじいものがある。ソバージュにボディコンというバブリーな雰囲気のケバい課長から、「学校行ってたんか?」「遊びでやってんのか?」「はい、全部やり直し」と叱られまくる。優しい上司と出会えて丁寧に仕事を教えてもらい一安心していたら、入社1カ月でその上司が退社。後の業務を1人で担うはめに陥る。他にも、仕事は超できるけど、忙しすぎて死臭が漂う上司や、どんなにささいなことであってもネチネチと嫌みばかり言ってくる上司も登場。時には嫌な上司にちょっとした逆襲をしたりと、ブラックな笑いを誘うエピソードも満載だ。