「絶滅危惧種」に指定された少年をめぐる、異星人との闘いと愛を描いたスペース・パニックアクション漫画。主人公・黒石レオは平凡な高校生だ。N市の清掃工場に隕石が落ち話題でもちきりの朝、レオは隣の部屋に長身の美少女・白石モニカが引っ越してくるのを目撃する。モニカは彼と同じ高校に転入したことを知り淡い恋心を抱くレオだったが、突如学校に清掃工場の被害者たちが現れ彼を襲おうとする。そんなレオの前に降り立った救世主こそが、モニカだった。
モニカは規格外の力で清掃員たちをねじ伏せてゆく。なんと彼らの正体は、不定形の形をしている異星人だった。モニカは相棒であるコアラのQと共に異星人を退治することに成功。彼女曰く、レオは「絶滅危惧種(レッドデータアニマル)」に指定された保護生物で密猟の対象になっているとのこと。アンドロイドのモニカと保護者(レンジャー)のQは、レオを守る使命のもと異星からやってきたのだという。図らずも宇宙に蔓延する異星人たちの標的となったレオは、闘いの中に身を投じてゆく。滅亡することが決定的となった人類の中で、唯一保護されるレオの苦悩と葛藤がリアルだ。また、闘いの中でレオへの「愛」を知るモニカの心の機微も描かれており、ラブストーリーとしても楽しめる。
滅びゆく地球を舞台に、たくましく生きる少年たちが織りなすSFバトルアクション。西暦2013年、地球上で永い間栄華を誇っていた人類の元に巨大隕石が落下する。それから60年が経過し、地球は無数の隕石の脅威に晒され街の大半は水没する。そんなスラムのような街の片隅で、綺麗な水を求めて立ち往生する車を修理する一人の少年がいた。彼こそが、「金のためなら何でもやる」のがモットーの集団「鴎達(ゴールズ)」の一員・霧山久(きゅう)だった。
機械いじりが得意な久は車を修理し、クレーターで無くなった道を「機巧人体」なる巨大な手のロボットを使用して瞬く間に舗装する。久たち鴎の任務はそれだけではない。隕石の落下と同時に現れる「災骸(ティフォニアン)」なる未確認生物の討伐も課せられていた。そして、ティフォニアンの「核(コア)」を取り出し、街の権力者・マザーに献上するのである。久たちは2ヶ月ぶりに落下した隕石の調査に向かうが、とてつもない大きさのティフォニアンと相対する。一方、マザーは人々の生命線である「浄水場」を支配するが故に横暴ともいえる行為を繰り返していた。本作は、過酷な環境で生き抜く人々の反逆の物語だ。彼らとマザーとの対比も色濃く描写されており、結末まで目が離せない。
氷の星・木星の衛星を舞台に、日本軍と女子高生たちが果てしない闘いを繰り広げるSFバトル漫画。舞台は20XX年の木星第二衛星・エウロパ。宇宙開拓省・エウロパ第一基地に所属する夏木啓也(けいや)は、大いなる野望を抱き任務を遂行する若者だ。ある日啓也は、1ヶ月前に落ちた隕石と未確認生物の可能性を探る調査をするよう命じられる。しかし、期待に胸を膨らませ準備を進める啓也の目の前に現れたのは、なんと全身をセーラー服に包んだ3人の「女子高生」だった。
女子高生たちは規格外の力で基地を破壊してゆく。仲間が次々と殺害され、啓也も自らの夢を盾に必死の抵抗を試みるが、あっさりと命を落とす。基地を陥落させたのは、なんと日本軍が秘密裏に開発していた「高次攻略生体兵器群」、通称「高攻生(ミーティア)」だった。武闘派の前陣かすみと鬼堂(きどう)なな、闘いを好まない八佰尾(やおび)はるかの3人は、軍に抵抗し生き別れた仲間を探しにエウロパにやってきたのだ。エウロパをめぐる闘いは熾烈を極めるが、日本軍が擁する最強エリート・夏木暁の登場により状況は一変する。宇宙空間で闘う女子高生というモチーフは一見ファンタジーだが、その裏に秘められた彼女たちの思いに胸が痛む。闘いの行方と結末は感動必至だ。
エイリアンの兄弟が、とあるミッションのため東京じゅうを駆け回る人間観察ライフストーリー。関東南部に火の玉のような隕石が落下した翌日。平凡な大学生風の青年・田中冬ノ介の前にいきなりゼリーのような形をしたエイリアンが現れる。しかし、冬ノ介は怯むことなく「兄ちゃん」と話しかける。実は冬ノ介もまた、彼と同じエイリアンで本当の「兄弟」だったのだ。冬ノ介にとってそれは、ポンコツな兄との奇妙な同居生活の始まりだった。2018年にテレビドラマ化。
彼らの母星は「地球移住計画」を企んでおり、現地調査の先発隊として冬ノ介が派遣されていた。しかし、人間界で遊び暮らし一向に報告をしない彼に業を煮やした「本部」が、冬ノ介を見張るために遣わしたのが兄だという。兄は人間界に順応するため「田中夏太郎」と名乗り、人間の姿で冬ノ介と暮らすことに。常識知らずでポンコツな夏太郎は、周りとのふれあいを経て少しずつ人間らしくなってゆく。しかし、夏太郎が地球に来た目的は、別のところにあることが判明する。本作は、地球に偵察のため異星人が移住するというシリアスな問題を孕みながらも、二人ののほほんとした生活ぶりが微笑ましい。徐々に人間を愛おしく思うようになる二人が選ぶ結末に、心温まること間違いなしだ。
とあるピザ屋を舞台に、空飛ぶ少女たちの恋愛バトルを描いたスペース・ラブストーリー。主人公・大希(おおき)そらは自転車競技に命をかけるスポ根女子高生だった。だが合宿中のある日、そらは偶然隕石の落下現場に遭遇する。それがきっかけで彼女は、身体を動かせば動かすほど宙に浮く「浮遊病」を発病してしまう。競技の夢を絶たれ引きこもりとなったそらの目の前に現れたのは、箒で空を飛ぶピザの配達員・神山心(こうやまこころ)だった。
箒にまたがりピザを運ぶ心を見て衝撃を受けたそらは、浮遊病の少女たちが在籍するピザ屋「ピッツェリア・ベファーナ」で働くことに。そこにはおっとり美女の水沢凪沙、サバサバ系メガネ少女の鎌部千絵、トマトとチーズが苦手なツンデレ少女・丸州(まるす)佳乃が在籍しているが、彼女たちは店長の近藤来人に片思い中だった。3人は近藤を射止めるべく「店長争奪レース」を繰り広げるが、傍観者だけだったそらもまた彼への性的衝動を募らせてゆく。実は近藤は大きな秘密を抱えており、心だけがそれを知るのだった。前半はキャットファイト的ラブコメの様相を呈しているが、後半にかけて壮大なSFとなっていく設定が興味深い。お色気ショットも満載で、男性読者の人気を集めた。