夏目漱石と代表作を漫画で味わう! オススメ漫画5選79 Pt.

千円札の肖像にもなった文豪・夏目漱石。代表作である「こゝろ」、「坊ちゃん」、「吾輩は猫である」などは、読んだことがある人は多いのではないだろうか。漫画でも、原作をアレンジしたり漱石自身を描いた作品が多数ある。漱石の意外な一面や作品の奥深さに触れてみよう。

作成日時:2020-03-11 10:00 執筆者:マンガペディア公式

夏目漱石と代表作を漫画で味わう! オススメ漫画5選

出典:小学館


『こころ』

『こころ』

出典:小学館

夏目漱石の代表作「こゝろ」を現代版にアレンジし、人間の愛と苦悩を描いた恋愛譚。主人公・夏野房夫は退屈を持て余していた。親の反対を押し切って東京に出ることを目的に上京、大学生となるも怠惰に毎日を過ごしている。そんな折、房夫は通りすがりに、墓の前で佇む初老の男性を見かける。その男性が向かいの家に住む「引きこもり」だと気づいた房夫は、思わず声をかける。そして房夫と「先生」と呼ばれる男性の奇妙な関係が始まった。

房夫は男性を「先生」と呼び慕うようになり、最初は訝しがる先生も徐々に心を開いていく。なぜ引きこもっているのか、ミステリアスで閉ざされた先生の過去を房夫は知りたがるようになる。そんな中、房夫と折り合いの悪かった田舎の父親が倒れてしまう。帰省を余儀なくされた房夫は田舎で先生から送られてきた手紙を読み、彼に課された壮絶な真実を知る。設定や描写は現代に置き換えられているため小説と違いはあれど、過去の三角関係と自らの裏切りの末に親友「K」を自死に追い込んでしまった先生の苦悩が丁寧に描かれている。Kから略奪することになる女性「静子」と結婚をせず、死んだように孤独に生きる先生が房夫とのふれあいで最期に心を開けたことが唯一の救いだ。


『吾輩は猫である』

『吾輩は猫である』

出典:集英社

市井の人々の生活や人間模様を猫の視点からユーモラスに描いた夏目漱石の名作「吾輩は猫である」をコミカライズ。主人公・猫には名前はなく「吾輩」が一人称だ。生まれてすぐに心無い書生により親猫から引き剥がされ、捨てられてしまった。さまよいながらも猫は、英語教師である苦沙弥(くしゃみ)先生の家に命からがらたどり着く。苦沙弥のはからいで飼われることになった猫は、苦沙弥家を訪問する人や近所の猫から様々なことを見聞きしていく。

苦沙弥は英語教師らしく、仕事を終え帰宅するとすぐに書斎にこもってしまう。苦沙弥の妻やお手伝いさんは勉強熱心さに目を細めるが、実は書斎で読みかけの本の上でよだれを垂らして寝ているだけだ。大飯食らいだが胃弱、いろんな趣味に手を出す、しょっちゅう家にやって来る友人の迷亭(めいてい)の嘘に簡単に騙されるなど、人間くささ満載の苦沙弥が「吾輩」の視点で淡々と描かれているのが面白い。また、車屋で飼われている横暴な黒猫「黒(くろ)」とのふれあいや、二弦琴の師匠の飼い猫「三毛子」との恋愛など猫同士の世界についても微笑ましく描かれている。人間はわがままで滑稽であることを皮肉たっぷりに思い知らされる一方で、猫の可愛らしさにも癒やされる作品だ。


『先生と僕 ~夏目漱石を囲む人々~』

『先生と僕 ~夏目漱石を囲む人々~』

出典:amazon

夏目漱石とその妻、友人や弟子たちなどの日常やふれあいを史実に基づき描いた4コマ漫画。明治を代表する文豪・夏目漱石こと夏目金之助は長らく英語教師の職に就いていた。大の面倒くさがりで何事も人任せな金之助は、友人に勧められるがままに松山、熊本と渡り歩く。遂には俳人・高浜虚子に言われるがままに雑誌「ホトトギス」に小説を執筆し、ここに夏目漱石が誕生する。関連作に、作者の溢れんばかりの漱石愛と蘊蓄を語り尽くした『漱石とはずがたり』がある。

夏目漱石のイメージといえば、いわゆる「千円札」の肖像画に代表されるような、インテリで堅物な偉人である。しかし、本作で描かれる漱石はとかくユーモラスだ。酒がほとんど飲めず、ジャムが大好物な甘党、ヘビースモーカーなのに大の胃弱など、クスリと笑えるエピソードに事欠かない。また、妻の鏡子の着物をこっそり着てみたりとチャーミングな一面も垣間見ることができる。漱石を慕う友人であり誰もが知る正岡子規や高浜虚子、小宮豊隆などを中心とした弟子たちも魅力的だ。晩年は胃潰瘍に悩まされ、吐血により亡くなる描写もリアルであるが悲壮感なく描かれている。たくさんの人に愛された文豪の足跡を知ることができ、作者の漱石に対する愛情に溢れており微笑ましい。


『BOCCHAN 坊っちゃん』

『BOCCHAN 坊っちゃん』

出典:amazon

夏目漱石の代表作のひとつである「坊っちゃん」を作者の独自の解釈を交えてコミカライズ。江戸時代の末期、西洋からの攻撃を跳ね返すため日本人全員が「サムライ」となり戦った。それから30年の月日が流れた明治時代、西洋の文明が流れ込みサムライの数は激減した。「卑しい勇気のないクズ人間」が溢れる世の中に憤った文豪・夏目漱石は、日本人の心を啓蒙すべくひとつの小説を上梓する。それがサムライの心を持つ青年「坊っちゃん」の物語だ。

小説と同じく、坊っちゃんは親譲りの無鉄砲で損ばかりしている子供時代を送っていた。小学校の時分、級友に「弱虫」と冷やかされたことに腹を立て、二階の窓から飛び降り腰を痛めてしまう。また、西洋製のナイフで「自分の指を切ってみろ」と焚きつけられ、本当に指を切るなど破天荒極まりない。すっかり親にも見放されてしまうのだが、なぜか下女の「清(きよ)」には溺愛されるなど理解者にも恵まれている。青年となり教職に就き松山に赴いた坊っちゃんは、「山嵐」や「赤シャツ」などお馴染みの同僚たちとひと悶着を巻き起こす。義理人情に厚く正義感の強い坊っちゃんはまさに夏目漱石が託した「サムライ」の理想形であり、読後には熱い気持ちにさせてくれる。


『こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~』

『こころ オブ・ザ・デッド ~スーパー漱石大戦~』

出典:amazon

夏目漱石作品の登場人物とゾンビたちの闘いを描いた冒険活劇。明治4X年、ゾンビハンターである「私(わたくし)」は鎌倉の海でゾンビを斬りまくる一人の男に出会う。ゾンビを無造作に斬り倒す男に感銘を受けた私は、男を「先生」と呼び弟子になりたいと懇願した。どこか謎めいた雰囲気のある先生に教えを受けたいと必死に追いすがるが、先生は過去の経験で人間不信になっているからとにべもない。だがある日、父が危篤となり帰省中の私の元に先生から手紙が届く。それには想像を遥かに超える、先生が過去に繰り広げた冒険譚が記されていた。

本作は夏目漱石の「こゝろ」をベースとしており、手紙の内容である冒険譚もやはり先生と親友の「K」が中心人物となっている。先生はKを自分の下宿に呼び寄せ当初は平和に暮らしていたが、下宿先の「お嬢さん」がゾンビに襲われてしまう。帝都が非常事態となる中、半分ゾンビ化したお嬢さんを救うべく特効薬を求めて房州の陸軍疫病研究所を目指すも、先生の両親を殺した「柳生闇狂(あんくる)」が立ちはだかる。先生とKが由緒ある剣客の子孫という設定もあり、次々とゾンビを斬り倒していくさまが爽快だ。物語も発想も突飛だが、夏目漱石の世界とゾンビが見事にクロスオーバーしている。後に彼らの仲間となる「坊っちゃん」や、他にも「猫」「赤シャツ」など漱石作品でお馴染みのキャラクターが次々と登場するのも見どころだ。


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