漫画から学ぶ音楽用語!オススメ5選44 Pt.

漫画には、「協奏曲」や「夜想曲」「四重奏」など、タイトルに音楽用語を冠した作品もある。とはいえ、音楽家や楽器などにまつわる物語ばかりではないのが面白いところ。個性豊かな主人公たちが奏でる、時に切なく、時に力強い極上なストーリーをとくとご堪能あれ。

作成日時:2019-06-28 15:00 執筆者:マンガペディア公式

漫画から学ぶ音楽用語!オススメ5選

出典:小学館


『信長協奏曲』

『信長協奏曲』

出典:小学館

戦国時代にタイムスリップした高校生が、織田信長と入れ替わり天下統一を目指すSF系歴史漫画。サブローは、勉強嫌いでおふざけ好きのどこにでもいる平凡な高校生。川沿いの道を歩いていた折に誤って川に落ちてしまい、気が付くと戦国時代にいた。そこで偶然出会ったのは少年時代の織田信長。サブローは、彼と姿形がそっくりだったことから「自分の代わりに信長として生きて欲しい」と頼まれる。2014年アニメ化およびテレビドラマ化。2016年には実写映画化された。

歴史上の偉人の名前と音楽用語という、意外な組み合わせが目を引く本作。サブローは信長と入れ替わるが、現代風の物言いや奇想天外な行動から、家臣や領民たちの反感を買ってしまう。一方、彼に「織田信長」を託した本物の信長は尾張を去り、明智家に養子入りする。そして「明智光秀」としてサブローを陰で支えるようになる。サブローは、信長として何度も暗殺されかかるが、その都度、奇跡的な幸運や彼の捉えどころのない飄々とした性格が功を奏して難を逃れることに成功。人を引き付けるカリスマ性から家臣の信頼も取り戻し、天下統一への道を突き進んでいく。タイトルにある「協奏曲(コンチェルト)」とは、オーケストラと独奏(ソロ)楽器が合奏する形式だ。ソロを奏でる信長を主軸に、家臣や信長暗殺を謀る輩たちを絡めた「信長コンチェルト」の演奏が始まる。


『紫丁香夜想曲』

『紫丁香夜想曲』

出典:小学館

満州国が舞台の歴史系ラブロマンス。鬼堂院将臣少尉は、赴任先の満州国ハルビンで、松花江(スンガリー)に打ち上げられていた中国娘を見つけ、モグリの医者ドクトル・ガムーリンのところに連れて行く。意識を取り戻した娘は、鬼堂院が日本人だと知り逃げようとするが、強制入院させることに。時を同じくして、満州国内では、麗香王女が結婚式の途中で逃げ出したことから大混乱が起きていた。

「夜想曲(ノクターン)」とは、読んで字のごとく「夜の曲」を意味し、ピアノ曲として知られるショパンの「ノクターン」でも広く知られている。鬼堂院と謎の娘が出会ったのは、まさに夜で、日本の傀儡国家・満州国の月光の下でだった。実は、鬼堂院が助けたその娘こそが、満州国皇帝・溥儀の従妹である麗香王女だった。日本の華族・九條公爵との政略結婚を強引に推し進められていたが、結婚式場から逃走。自殺を図るも、命を救われたことにより鬼堂院と出会う。運命に導かれたかのように巡り合った2人だが、当時の時代背景や国同士の関係性を考えれば、純粋に愛を貫くことは極めて困難だ。そんな男女を優しく見守るノクターンの調べが甘く切ないメロディを奏でる。


『夜桜四重奏〜ヨザクラカルテット〜』

『夜桜四重奏〜ヨザクラカルテット〜』

出典:講談社

女子高校生と超人的能力を持つ仲間が繰り広げるSF系アクションコメディ。女子高校生の槍桜(やりざくら)ヒメは、妖怪と人間が共存する町で、町長を務めていた祖母からその座を受け継いだ。責任感が強く、若いながらも町の人々からの信頼が厚い彼女は、町で続発している妖怪騒ぎから人々を守るため町内パトロールに余念がなかった。そんな中、乱射事件を起こして服役中だった乱射魔が逃走を図る。2008年にテレビアニメ化。

女子高生町長・ヒメは、乱射魔のトラブルを解決するため、奇怪な事件を扱う「比泉生活相談事務所」を訪れ、所長・比泉秋名(ひいずみあきな)や、所員の七海(ななみ)アオと五十音(いそね)ことはに出会う。タイトルにある「四重奏(カルテット)」とは四つの独奏楽器による演奏を意味する音楽用語だが、作中ではこのヒメ・秋名・アオ・さとりの個性あふれる4人を指している。実は、ヒメの正体は妖怪だ。妖力は封印されているものの超人的な能力を持っている。「比泉生活相談事務所」の3人もまた超人的能力の持ち主で、アオは人の心を読む「サトリ」、ことはは言葉を物質化する「言霊使い」の半妖。真人間の秋名も、妖怪を調律する力を持つ。そんな4人の前に、あの世とこの世の融合を目論む比泉円神(ひいずみえんじん)が出現。世界が存亡の危機に見舞われる。


『涙雨とセレナーデ』

『涙雨とセレナーデ』

出典:講談社

明治時代にタイムスリップしたヒロインと御曹司のSFファンタジーラブロマンス。女子高校生・片桐陽菜(かたぎりひな)は、日頃から繰り返して見る夢があった。その夢とは、幼い頃の自分がとある庭先で雨宿りをしていると、見知らぬ男の子が自分の家で雨宿りするよう声をかけてくれる、という内容だ。ある日、陽菜が音楽の授業でクラッシックのレコードを聴いていたところ、夢の中と同じ場所に突然移動してしまう。

陽菜が移動したのは、明治40年の世界。夢で見たのと同じ庭で倒れていたところを、本郷孝章という青年に助けられた。孝章は、陽菜のことを「雛子様」と呼び、彼女が住んでいるという屋敷まで送ってくれる。そこで出会ったのは、北峯伯爵家の末娘で自分と瓜二つな顔をした少女・雛子(ひなこ)だった。「セレナーデ」とは、自分の愛する恋人や女性を称えるために演奏する曲のこと。幼少時代に出会った幼い陽菜を雛子と信じて疑わず想い続けてきた孝章と、雛子になりすまして現代に帰る方法を探る陽菜。時を超えて出会ってしまった2人の愛のセレナーデを、雨音が哀しく優しく奏でる。


『雨ふりラプソディ。』

『雨ふりラプソディ。』

出典:集英社

雨をテーマにした全5話からなるオムニバス形式の恋愛少女漫画。第1話では、小学生の頃のトラブルを境に微妙な関係になってしまった少年と少女のちょっと切ないラブストーリーが繰り広げられる。藤蔵は、小学生の時、自分に向かって投げられたバスケットボールを上手くキャッチできず、かけていたメガネが割れてしまったことがある。さらに、飛び散った破片でクラスメイト・亜子の頬に切り傷を負わせてしまった。藤蔵は平身低頭謝ったが、亜子が「許さない」と答えたことから2人の不思議な関係が始まる。

藤蔵は、亜子の顔に傷を負わせてしまったあの日以降、罪悪感からか彼女に対して、「完全なるイエスマン」と化してしまっている。彼女の言うことには何一つ逆らわず、どのような難題にも嫌な顔一つ見せない。亜子も調子に乗り、ひどい態度ばかり取っていた。しかし亜子は、藤蔵が男らしくなっていく様子にドキドキしたり、彼の優しさに触れるたびにひどい自己嫌悪に陥ったりしていた。タイトルにある「ラプソディ」とは、「狂詩曲」とも呼ばれる、自由かつファンタジー的要素の強い楽曲のこと。素直になれないヒロインたちの想いがラプソディのメロディに重なり、「涙」にまつわるそれぞれのストーリーを紡ぎ出していく。


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