後に長期シリーズ化される『金田一少年の事件簿』シリーズ1作目。さとうふみやが作画、case2巻までは金成陽三郎が原作、それ以降は天樹征丸(樹林伸)が原作・原案を務める。高校生の金田一一が遭遇する難事件を、幼馴染の七瀬美雪や、剣持勇警部、明智健悟警視などの協力の元、名探偵と呼ばれた祖父譲りの推理力で解いていくミステリ漫画。作品は、犯人当てに読者参加が可能な、フェアなミステリを意識して作られており、事件の解決編前には、ミステリ用語で言う所のQ.E.D.ポイントとして、「謎は解けた!」などのハジメの台詞が入り、証拠が出揃った事が明言される。作品を注意深く読めば、その時点まで描かれた事から、事件の真相を、読者自身が推理できる仕掛けとなっている。長編では、クローズド・サークル状況での連続殺人物である事が多い。証拠と論理による犯人の絞り込みが、物語のクライマックスであるが、その過程、動機、方法、関係者間のミッシング・リンクなどの方に話の焦点が置かれる事もある。犯人には、「怪人名」という二つ名が付くのも本作の特徴。講談社「週刊少年マガジン」1992年45号から連載。1995年、第19回「講談社漫画賞」少年部門受賞。1995年の実写ドラマ化、1997年のテレビアニメ化を中心に多数のメディア化が展開されている。