超ネガティブな学校教師、糸色望(いとしきのぞむ)と超個性的な生徒たちが描く学園コメディ群像劇漫画。新学期、桜の季節に浮きたつ超ポジティブな女学生、風浦可符香(ふうらかふか)(P.N.)が登校中に出会ったのは、桜の木で首吊り自殺をしようとしていた男、望だった。その後、望が可符香のクラスの担任だと判明。奇妙な学校生活が始まる。2007年TVアニメ化。第31回講談社漫画賞受賞。
主人公の糸色望は名前を横にして書くと「絶望」となることから、絶望先生と呼ばれている。何かと絶望して自殺を図るが、あくまでポーズで実際に死ぬ気はない。望の受け持つクラス「2のへ」組は個性的で問題がある生徒が多い。望が最初に出会ったヒロイン、可符香は超ポジティブで、一般的におかしいと思うことまで前向きにとらえてしまう。望が首吊り自殺を図った時も「背を伸ばそうとしている」と解釈。ちなみに可符香の名前に(P.N.)と付いているのは本名ではなくペンネームだからである。望のクラスには他にも不法入国して学校に通っている生徒や、超完璧主義者、加害者妄想などツッコミを入れずにはいられない生徒ばかり。だがこのクラスにはとある秘密があった。
下ネタギャグ漫画家であることを隠したい父親と純真な娘のコメディ漫画。過去に下品なギャグマンガ『きんたましまし』で有名になった漫画家、後藤可久士(ごとうかくし)は現在もギャグ漫画家として活動中。しかし10年前に娘、姫が産まれた時、娘に漫画家であること隠すと決意。自身が書いた作品が原因で娘が苛められるのを恐れたためだった。2020年TVアニメ化。
本作は18歳になった可久士の娘、姫が可久士の秘密を知ることから始まるが、物語本編は姫が10歳頃の話である。可久士は姫に「漫画家」であることを秘密にしている。その理由は可久士の作品が下品なギャグ漫画で、そのことが原因で姫が苛められるのを恐れているからだ。可久士と姫は二人暮らしで、姫の母は亡くなっていると思われる描写がある。そしてまだ小学生の姫だが、可久士が仕事で帰れない時は通いの家政婦のナディラや学校の担任である六條一子(ろくじょういちこ)などが気にかけてくれていた。他にも可久士の言葉を勘違いして彼に恋心を抱いた女性たちが姫を支えてくれることも。可久士はそんなこととは知らず、姫に寂しい想いをさせていると悩みながらも、姫に精一杯の愛情を注いでいた。
高校アイスホッケー部の助っ人にやってきた主人公を中心に巻き起こる学園コメディ漫画。作品初期はアイスホッケーを題材にしたスポーツ漫画だが、5巻以降はスポーツ抜きのギャグ漫画になっている。カナダでアイスホッケーをしていたが、ラフプレイでリーグ追放となった蘭堂月斗(らんどうげっと)。そんな彼を鹿児島県の浜津学園高校アイスホッケー部がスカウトした。久米田康治の初連載作品。
本作の主人公である月斗はカナダからの帰国子女。アイスホッケーの腕前は一流だが、勝つために手段を選ばないプレイスタイルから、カナダのリーグで永久追放された人物である。そんな月斗は学園長の趣味で創部された激弱アイスホッケー部にスカウトされて入部する。だが部のマネージャー、岡本そあらにセクハラまがいの言動を繰り返すなど、腕はあってもこのスケベ心が仇となってしまうことも。単行本5巻以降はそんな下ネタ満載の内容となり、アイスホッケー部の活動は一切登場しなくなってしまう。ダジャレや社会風刺ネタも増えて、スポーツ漫画から完全なギャグ漫画に変化してしまうという、あまり他には類を見ない作品だ。
思い込みが激しい主人公とヒロインが繰り広げるドタバタコメディ漫画。幼い頃は天才少年と呼ばれていた勝改蔵(かつかいぞう)。だがとある事をきっかけに思い込みの激しい性格に変貌。現在、幼なじみの名取羽美(なとりうみ)と共に虎馬(とらうま)高校に通う改蔵は、科学部の起こしたトラブルに巻き込まれ、自身が改造人間になったと思い込んでさまざまな怪人(という変人)と戦うことになった。2011年OVA化。
本作の主人公である改蔵は、幼い頃は真面目な天才少年だった。しかし羽美が公園の遊具から改蔵を蹴落としたことが原因で、思い込みの激しい変人になってしまった。羽美はそのことに責任を感じて奇行に走る改蔵を止めていた。だがある日、科学部が運んでいた人体模型が改蔵の上に落下。その時に手当をした科学部の彩園すずが面白半分で「助けるために改造した」と言ったことを信じ、改蔵は自分が改造人間になったと思い込む。そして科学部を「科学特捜部」に変え、怪人(と改蔵は思い込んでいる変人)を倒す本拠地とした。やがて改蔵はかつて自分が通っていた天才塾の怪人(変人)たちと戦う決意をする。そんな改蔵の奇行によって科学部だった科特部は部員が4人にまで減少してしまうのだった。
女性落語家たちが楽屋で他愛のない会話をする日常系コメディ漫画。落語を披露するシーンはほとんどなく、楽屋での会話がメイン。女性落語家、蕪羅亭魔梨威(ぶらていまりい)、波浪浮亭木胡桃(はろうきていきぐるみ)、防波亭手寅(ぼうはていてとら)、空琉美遊亭丸京(くうるびゆうていがんきょう)、暗落亭苦来(あんらくていくくる)の5人は、いつも楽屋で他愛のないおしゃべりを楽しんでいる。2012年TVアニメ化。
本作は久米田康治が原作を手掛け、ヤスが作画を担当している。この作品の主人公である5人の女性落語家は、高座から楽屋に戻る姿は描かれているが、実際に落語をしている姿はほとんど登場しない。彼女たちは楽屋でも高座名で呼び合い、本名は不明である。落語家である彼女たちだが、描かれているのは彼女たちがおしゃべりやイベントに興じる姿だ。注意書きに「この漫画は女の子のかわいさをお楽しみいただくため邪魔にならない程度のさし障りのない会話をお楽しみいただく漫画です」と書かれている。また原作と作画が分かれていることから、本来は5人の中のひとりが変装しているという設定だったはずのキャラが、別キャラとして登場している。