殺人、強盗、放火、詐欺、痴漢などあらゆる犯罪行為に手を染める、あばしり一家が大暴れするピカレスクお色気ギャグアクション。一家に対抗する連中も、揃いも揃って悪ばかり。その一方で家族愛はばっちりと描かれてます。
漫画で描かれるのは品行方正な世界だけではありません。むしろ、悪が魅力的に描かれるものも多くあります。文学や映画の世界では「ピカレスク」とも呼ばれるジャンルがあります。ならず者が心の赴くままに悪の限りを尽くす。普段はやれないことをやってのけるその姿は、平凡な日常を過ごす者にとってはある種の憧れだったりします。そんなピカレスクな漫画を紹介しましょう。
殺人、強盗、放火、詐欺、痴漢などあらゆる犯罪行為に手を染める、あばしり一家が大暴れするピカレスクお色気ギャグアクション。一家に対抗する連中も、揃いも揃って悪ばかり。その一方で家族愛はばっちりと描かれてます。
梶原一騎の弟というイメージの強い真樹日佐夫ですが、悪を描いてもどこか人の優しさを求めてしまう兄の作品に比べて、真樹作品は悪っぷりとハードボイルド性がより徹底したイメージがあります。氷室洋二が主人公の『ワル』も、氷室たち不良生徒をどうにかしようとする教師や氷室に恋する少女が救いもなく破滅するなど、まさに「ワル」な世界が描かれています。
人類史に残る悲劇「アウシュビッツの虐殺」に魅入られた主人公・神納達也が自身を虐待した父を殺し、殺人と強姦を繰り返すまさに「悪そのもの」な物語。ひたすらに女を犯し、政治家を脅し、法の目をかいくぐって最後まで悪を貫き通す。悪が悪の限りを尽くすという意味では、ある意味、頂点の作品かもしれません。
醜い容姿、貧乏な境遇、救いの手をさしのべてくれない社会……「世の中はすべて銭ずら」と叫ぶ蒲郡風太郎は、銭のためなら殺人だろうとなんだろうとあらゆる悪行に手を染めて、やがては政界進出を目論むまでにのし上がります。ジョージ秋山といえば人間の業を描くことに定評がありますが、『銭ゲバ』は中でも屈指の作品として知られています
表向きはエリート会社員、だが裏の顔は誘拐殺人犯の結城美知夫が、凶悪な知能犯として犯罪を重ねます。化学兵器「MW」の悲劇を目のあたりとし、自身も毒ガスを吸って心身をむしばまれたとはいえ、最終的にはMWを使って全世界を道連れにしようとするのは、まさしく悪です。結城のパートナーである賀来とは同性愛の関係にあるというのもインモラルさに拍車をかけました。
ルパン三世といえば、ちょっとマヌケだが心優しき怪盗のおじさんというイメージが強いですが、漫画版のルパンは狙った獲物のためなら容赦なく悪に手を染め、自身を狙う者があれば遠慮なく抹殺する非情なイメージが強いです。もちろん、気に入った女とは遠慮なくHしてしまいます。そのハードボイルドな作風に「これこそが本来のルパン」だと支持する人も少なくありません。
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