故郷地球への想いは募るばかり… オススメ漫画５選69 Pt.

本作のタイトルに土星とあるのは、主人公・ミツをはじめ人類が暮らすリングシステムが地球を取り巻いているさまをさしてのことだ。まるで土星の輪のように、地球をぐるりと囲む形で上空に造られたリング状のマンションの中に人類は暮らす。リングの中は上層、中層、下層に分かれ、裕福な人々は上層に暮らしており、身寄りのないミツは下層の住人。リングの中は残酷なまでの階層社会なのだ。そして、ミツがつくのがそのリングの外壁の窓を拭く仕事。危険と隣り合わせの仕事につくのは下層の住人達で、仕事を依頼するのは裕福な上層の住人がほとんど。そんな社会の歪みをはらむ仕事をこなす中で、ミツは成長していく。以前より父が仕事中に地上に落ちた事故について疑問を抱いていたミツは、やがて地上へ降りることを決意する。

本作では、人類にとって故郷である地球はもはや住める場所ではなく、人々は宇宙に散らばる居住施設「コクーン」に暮らしている。国ごとに一つのコクーンがあり、主人公の一人、アラタはその中の一つ「東京コクーン」出身。コクーンは徹底した監視・管理体制で秩序を維持しており、人々は契約をかわしたパートナー同士でなければ触れ合うこともできない。幼馴染みであるアラタ、シーザー、ターラも幼年期の友人としてパートナー契約をかわしていた。そんな彼らは20歳の夏休みに、緑色の髪と目をもつ不思議な少女・祇園に出会う。長命で優れた種とされるネオテニイのアラタ達と反対に、短命であるダフネー症の彼女はなぜか地球を恋しがる習性をもっていた。

主人公・亜梨子が同級生の小椋や錦織と共有する前世の夢＝ムーン・ドリームには、７人の男女が登場する。彼らは異星人の科学者で、月にある基地に住んで、地球を見守っているのだ。亜梨子が見た夢では彼女は「木蓮（もくれん）」と呼ばれ、「紫苑（しおん）」という婚約者がいるようだった。亜梨子達は、他の「月基地の仲間達」を見つけだして、それぞれの断片的な夢の記憶をつなぎ合わせようとするが、一度しか夢を見ていない亜梨子は自分が木蓮だと確信できずにいた。一方で、転落事故をきっかけに輪は前世の記憶が人知れず覚醒。自らの正体を隠したまま、とある目的から前世における月基地の仲間に密かに接触し始める。前世の因縁と現世の人間関係が絡まり合い、地球の未来をもかけて物語はスリリングに展開していく。

人類はコンピューターに生命の管理をゆだねることで、故郷である地球（テラ）を守り、その社会を維持していた。そのため、すべての人類は試験管で生まれ、画一的に管理される。14歳で受ける成人検査では、コンピューターによってそれまでの記憶を消去された後、「大人」としての知識を注入され他の移住先へ送られるという徹底ぶりだ。この管理体制による「排除」をかいくぐって生き延びたミュウ達は密かに結束し、自らの存在を認めさせるために闘ってきた。そして、ミュウのリーダー・ソルジャー・ブルーによって救いだされたジョミーは、次代のミュウのリーダーに選ばれる。やがて、人類ひいては彼らを管理支配するコンピューターと闘いながら、統治機構があり故郷である地球を目指すことになる。

惑星キャンプは、生徒達が楽しみにしているケアード高校の恒例行事。カナタやアリエスも、期待に胸をふくらませて惑星マクパへのキャンプへと旅立った。引率の教師は惑星マクパのキャンプ地へ生徒を送り届けると帰還し、あとは生徒だけで大自然の中を５日間過ごすのだ。ところが、教師の帰還後、生徒達は謎の球体に吸い込まれ、気がつけば宇宙空間に移動していた。偶然にも無人の宇宙船を見つけて漂流は免れたが、そこは惑星マクパから5012光年の宇宙の彼方。自力で故郷へと帰らなければ、助からない。初対面だったメンバー達と協力し合って帰還を目指すことに。だが、宇宙船の通信機器がメンバーの誰かによって意図的に壊されたことが発覚。疑心暗鬼に陥りながらも、生徒達の帰還への旅は続く。