映画『映画ドラえもん のび太の月面探査記』を収録したフィルムブック。映画版『ドラえもん』の39作目であり、平成最後の作品となった。日本の月面探査機が映した映像に謎の白い影が見えたのび太は、学校でそれを「うさぎ」だと言って皆から馬鹿にされる。のび太はドラえもんに泣きつき、のび太の説を実証しようと月に向かう。
本作は、『ドラえもん』23巻に収録されている「異説クラブメンバーズバッジ」が原案に使われている。バッチを付けた者は、異説を唱える人の仲間になってしまうというひみつ道具だ。のび太が唱える「月の裏側には空気がある」「生き物が住める」という異説を実現するため、のび太とドラえもんはひみつ道具「どこでもドア」で月の裏側に向かう。そこで「動物粘土」を使い、ウサギのような二匹の動物「ムービット」を生みだす。その後、一旦地上に戻ったのび太はルカという謎の転校生と出会う。のび太は後に、不思議な力を使うルカと意外な場所で再会する。月面を舞台とした、壮大な冒険が描かれた作品だ。
主人公たちが前世の記憶を巡り繰り広げられる人間ドラマ。北海道から東京へ転校してきた女子高生の坂口亜梨子は、クラスメイトの小椋迅八と錦織一成との出会ったことで、彼らと同じ前世の記憶である夢「ムーンドリーム」を見るようになる。そんな亜梨子は、隣に住む小学生の小林輪に何かと絡まれていた。だが、その輪も、亜梨子の前世に深く関わる者だった。
本作は、現代と過去の記憶を行き来してストーリーが展開する。そして、前世編の舞台が月面だ。主人公たちの前世は、地球よりはるかに文明が進んだ世界の異星人で、月面基地で生活をしていた。月から地球を見守る者たち。しかし、彼らの母星が戦争によって消滅してしまう。彼らは地球に降りるかどうかの決断に迫られていたが、基地内で発生した伝染病により、次々と彼らは命を落としていく。前世の記憶が戻ってきた当初は興味津々亜梨子たちだが、徐々にその記憶に苦しめられるようになる。仲間の中で唯一年が離れている小学生の輪の前世は、あまりにも過酷だった。彼は前世と亜梨子への想いから、月と地球を巡るとある計画を企てる。
人造生命体「ホムンクルス」と主人公たちが死闘を繰り広げるSFバトル作品。主人公の男子高校生の武藤カズキは、ある日、謎の怪物に襲われていた津村斗貴子を助けようとして絶命する。その後、斗貴子は核鉄(かくがね)という錬金術のアイテムを使い、カズキを蘇らせる。だがそれは、カズキが人造生命体「ホムンクルス」と闘う運命の始まりだった。2006年テレビアニメ化。
本作におけるホムンクルスは、人間を捕食する怪物だ。そして、ホムンクルスの中でも「ヴィクター」と呼ばれる者たちは元々人間であり、錬金術の実験で生まれたものだ。最強にして最初のヴィクター・パワードは、周囲の生命体から生命力を吸収し、永久に再生する能力を有していた。ホムンクルスと戦うカズキも蘇生のために使用した核鉄の影響で、徐々にヴィクター化していく。カズキは、犠牲者を出さないために武器「サンライトハート改」の力を使い、自らとパワードを生命体のない月面へ運ぶ。そこでカズキとパワードは、三カ月にも及ぶ死闘を繰り広げる。
『エデンの檻』で知られる山田恵庸の描くSF作品。西暦2040年のあるひ、高校生の九十八密(にたらずひそか)は機械に囲まれた謎の部屋で目を醒ます。そこには、密の他にも同い年の少年少女たちが集められていた。やがて、密たちがいる場所は宇宙船の中だと判明する。彼らは天地創造の神が残した「神の遺産」を得るために選ばれ、月へと送りこまれていた。
本作の主人公・密は、生まれつき特殊な力を持っていた。だが、その力のせいで周囲から避けられ、母も自殺してしまう。そんな密たちが、月へ「神の遺産」を得るために送られた「救世主(メサイア)計画」は、世界最大の宗教団体・クリータ教会が企てたものだ。滅亡の危機に瀕した人類を救うため、密たち18人の少年少女が集められた。彼らは謎の男により「救世主」と呼ばれ、「神の遺産」を探すよう頼まれる。だが、18人の中には「神の遺産」獲得のため、さまざまな組織や宗教団体から送り込まれた者たちがいることが明らかになる。誰が敵か味方か不明のまま、密たちは命懸けの試練に挑む。
超人的な麻雀の力を持った政治家たちが闘う異色の麻雀漫画。外交問題に悩まされる日本。元総理である小泉ジュンイチローは、そんな諸問題を解決するため、度々命懸けの麻雀勝負に挑むことになる。立ちはだかる政治家や偉人たちは、いずれも強大な雀士ばかりだが、ジュンイチローはイカサマ技「轟盲牌」や必殺の「国士無双十三面(ライジングサン)」を駆使して、彼らと激しい戦いを繰り広げる。2010年OVA化。
本作は実在の人物をモデルにした登場人物が多数登場し、実際にあった政治問題をパロディ化したことでも話題を呼んだ。やがて、政治家だけでなく歴史上の人物も登場するようになり、ジュンイチローは復活したナチスドイツ「第四帝国」と総統アドルフ・ヒトラーと闘うことになる。ドイツを追われた第四帝国の新たな本拠地は月面。ジュンイチローはパートナーとして超高性能ロボット「アシモ」を伴い、決戦の地である月へと向かう。だが、スーパーアーリア人と化したヒトラーの力は圧倒的だ。絶体絶命の窮地の中、ジュンイチローは新たな牌を生み出す「神(ゴッド)盲牌」により、必殺の「国士無双十三面(ライジングサン)」を放つ。