本作の主人公、ミドリマキバオーのモデルとなったタマモクロス。
同じく葦毛馬の雄、オグリキャップと競馬史に残る名勝負を演じ、80年代後半の競馬ブームの一翼を担いました。
生涯成績は18戦9勝、天皇賞春、宝塚記念、天皇賞秋とG1レースを3つ制した名馬ではありますが、東京優駿(日本ダービー)などのクラシックレースに出走できる4歳(現表記3歳)時は、まだ芝とダート(砂)の条件戦を行ったり来たりするだけの目立たない馬でした。
頭角を現したのはその4歳の秋、10月に400万円下のレースを圧勝すると、そこから上に挙げたG1レース3勝を含む8連勝を記録、怒涛の快進撃で一躍スターダムへと登り詰めたのでした。
現在でも度々大器晩成の名馬の代表格として名前が挙がるタマモクロス。
ミドリマキバオーと同じく、みんなから愛される記録にも記憶にも残るサラブレッドでした。