一つの体に二つの人格が共存!? オススメ漫画５選166 Pt.

主人公であるバーディーとつとむに元々接点はない。バーディーは宇宙で警察官として働く女性。つとむは廃墟探索が趣味の普通の高校生だ。だが、宇宙で活動しているテロリストが地球にやってきたことで状況は一変。バーディーの失敗をきっかけに、2人は体を共有する関係になってしまうのだ。共有しているとはいえ、常にバーディーの姿というわけではない。容姿をつとむのものに変化させることもできる。どちらかが表に出ているときは片方の意識がない、ということもない。思考は完全にそれぞれ独立しており、2つの人格の融合を防ぐため、思考でのコミュニケーションが禁止されているくらいだ。意思疎通は口頭で行われるのだが、はたから見ると独り言を話しているように見えるのが難点だろう。普通の男子高校生が、美女と体単位で共存というと、ちょっと邪な方向を想像するが、バーディーはとてもマイペースな性格。つとむは翻弄されることとなり、共存はやはり楽ではないのだなと思わせられる。

パラサイトは人体に侵入し、脳を支配して人格ごと肉体を乗っ取ってしまうという未知の生物。ある日人知れず飛来した彼らは、寄生した人間を支配し捕食していた。中には新一のように、寄生されたが脳の支配を回避した状態の人間もいる。パラサイトは本能だけで生きている生物ではない。思考する能力があり、意思疎通を図ることもできる。新一が共生することとなったミギーは、右腕に宿っている。一見するとミギーはカタツムリのようだが、長く伸びた指先に大きな目。胴体となる部分に口がある。元々は新一の手なのだが原形はない。グロテスクな見た目だが、ミギーは好奇心旺盛な性格。愛嬌があるせいか、かわいらしくも見え憎めない存在だ。実はそんなに悪くない同居人なのではとも思えてしまうが、パラサイトの本能は人間を減らすことだという。ミギーも時折パラサイトらしさを覗かせるが、新一と共生することでどのような変化が現れるのか。一風変わった異種族交流から目が離せない。

遊戯が別人格、通称「闇遊戯」を宿すきっかけとなったのは、古代エジプトの秘宝「千年パズル」というアイテムだ。逆ピラミッド形で中央に目のような模様があり、立体パズルになっている。パズルを解いた者は正義の番人として闇のゲームで悪を裁くと、古い書物にも記されているのだとか。遊戯自身は争いを好まない性格だ。対する闇遊戯は、傲岸不遜、大胆不敵。眼光鋭く、言葉遣いも少々荒く感じられる。ゲーム中の話術などを見るとまるで別人だが、それもそのはず、パズルに宿っていた別人格が遊戯に憑依したような状態なのだ。性格が違うのは当然だろう。しかし、表と裏の遊戯にも1つの共通点がある。それは、仲間を大切にしているという点だ。表の遊戯は仲間のためなら誰が相手であろうと毅然と立ち向かう強さがあり、闇遊戯も表の遊戯の仲間たちには友好的で、信頼しているようなそぶりを見せる。全くの別人格でも、大切な人を守りたいという気持ちがあるからこそ、1つの体での共存がうまくいっているのかもしれない。

黒川は交通事故で死亡し、本来は地獄行きであるところを生前の事情を考慮した死神により、部下として憑依師になって働くことを提案される。それに同意した黒川は生前の髪の毛で作った仮の肉体を与えられ、自身も死者でありながら、別の死者を憑依させて現世に渡る憑依師となったのだ。最初の死者は50代の女性なのだが、黒川は20代の青年である。姿かたちはどうなるのかといえば、黒川の体のまま、性別や外見、年齢を変えることができるのだ。黒川の上司である死神に許されれば、死者は一時的に現世に戻ることができる。しかし、霊魂であるため自分自身の元の体で戻るわけにはいかない。そのため、特殊な役割を担える黒川が必要不可欠なのだ。そして、死者の霊魂が仮の体に入っている状態でも、黒川の霊魂も中にいなければ体自体を存在させることはできない。黒川は死者に付き添い、願いを叶えていく過程を一緒に体験する。死者と会話し、その心にも触れる。家族や友人との関係が希薄だった彼からすれば、全てが眩しく映るのだろう。何の光も宿していなかった目が変わっていく様子に、言いようのない切なさがこみ上げる。

人間界に落ちたことで、人間に憑依することになるのだが、憑依者と憑依先の組み合わせがミラクルである。ソードは基本的には粗暴で短気、悪魔らしい性格をしている。しかし憑依先となった双魔は、昔からいじめられっ子。真面目で気弱、肉体的にも脆弱という、ソードとは真逆のような存在である。対するイオスは、天使という種族柄か丁寧で真面目な優等生的な性格だが、その憑依先の神無は全校生徒に恐れられるほどの不良という、これまた真逆な相手に憑依してしまうという、トンデモ状態が発生してしまったのだ。憑依されたことにより、序盤は天野兄弟よりもソードとイオスの人格のほうが表に出てくる部分が多い。事故による記憶喪失ということになっているが、2人を知る人はさぞ驚いたことだろう。人外の存在ということもあり、憑依先の兄弟に対するソードとイオスのそれぞれの配慮が薄い面もある。だが物語が進むにつれ、それぞれ絆が深まるエピソードや、オカルトマニアの双魔の意外な逞しさに笑わされる展開もある。