医者が主人公のマンガ10選117 Pt.

今やドラマでも定番となっている医者が主人公となった作品も多いが、その中で特筆すべきマンガを10作品選び、その内容を確認してみよう!!

医者が主人公のマンガ10選

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概要

日本のマンガの幅の広さは医者を主役にした作品まで登場させている。そして完成度も高く、多くの支持を得ている。そんな中、代表的な10作品を取り上げて、ここで一気に紹介し、その奥の深さについても再確認してみよう!!

『医龍-Team Medical Dragon-』

天才的な外科手術の腕を持つ主人公で外科医の「朝田龍太郎」が大学病院に招かれてその手腕を発揮するが、その裏では医者同士の権力争いや派閥抗争が蔓延し、当初は内部抗争に関心を示さなかった主人公が少しずつ自分の立ち位置を模索・画策しつつ一大勢力となり、外科手術以外の活躍を見せる人間ドラマを描いた作品。現代の医療問題…。特に病院組織や教授会などの権力争いの闇の構図に重きをおいたストーリー展開は当時としては画期的で色々な意味で医師の生きる世界の怖さが伝わって来る。もちろん、この作品より先に大学病院の闇を描いた作品は存在したが、マンガとしての読みやすさと分かりやすさを実現させた点では価値のある作品になっている。また、主人公も自分自身の成長よりも若い医師達を育てる立場として活躍する姿も今までにない展開で面白い。絵柄も変に凝っておらず、読みやすさが感じられ、好感が持てる。一般的な医療作品に飽きた目の肥えた読者にお薦めしたい作品になっている。

『メスよ輝け!』

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主人公の外科医「当麻鉄彦」がその腕と技術と人間性で多くの難病や困難な手術を引き受けて多くの命を救う感動の物語で、今となっては医療技術の古さもあるが、多くの斬新な医療技術をふんだんに盛り込み、その画期的な解決方法を編み出す主人公の術式には素直に驚かされる。そして医師同士の確執や生命や医療方法に対する価値観の相違などもあり、人間ドラマとしても上手くストーリーに織り交ぜて現実感・リアリティを高めているのも興味深い。もちろん、フィクションであり、それ故の現実的にはあり得ない綺麗事も無い訳ではないが、綺麗事だからこそマンガとしての読みやすさや面白さが成立しているのも事実であり、この作品を読んで良かったと思えるので、些末な事として、物語の全体を楽しむのがお薦めと言える。難しい専門用語も多いが、知っておいて損はない。これから医療業界に進みたい人や人の命を救う事の感動に心を揺さぶられたい人には無条件でお薦め出来る作品になっている。

『Dr.コトー診療所』

主人公「五島健助」が離島の無医村の地で診療所を設立し、当初は村に人達から受け入れられないが徐々に信頼を得て、立派な医師として活躍する物語で、正に日本における「無医村」の問題を世に知らしめた作品で、TVの実写ドラマ化も実現し、その後、地方に医師が増えるきっかけにもなった社会的価値のある作品でもある。医療技術よりも人々との交流や人間ドラマを重視しているのでガチガチの医療業界の物語として見る必要はなく、作品の間口・玄関は広く開いているので誰でも気軽に読み始められるのは好印象であり、実際、読みやすい。主人公の完璧な医療技術とそれに相反するかのような、どこか間の抜けた感じのする性格や生活習慣も面白く、味がある。全国の医師がこんな主人公ばかりだと微笑ましいが、それは夢物語であろう。生命の重さや尊さなどのテーマは少し横に置き、ライトな感覚で善良な人達が多く登場する読後の心地良さを感じたい方にお薦めしたい作品になっている。

『ゴッドハンド輝』

主人公の天才外科医「真東輝」が先輩外科医「北見 柊一」の指導の下、更に技術を磨き、患者と共に心と体の病を治して行く王道にして熱血漢あふれる医療ドラマ。主人公の親も医師であり、その対決やライバル医師も数多く登場し、熱血バトル漫画の様相を見せているのが面白い。また単行本ではオマケの4コママンガが掲載されていて、個性的なキャラの魅力が更に描かれているのも面白い。ストーリー展開も前半の短編を積み重ねて構成される読みやすさとテンポの良さを味わいつつ、後半の巨悪に向かって戦う長編ドラマへと様変わりする構成も飽きが来なく、また盛り上がりながらラストに繋がる上手い作り方になっている。ちょっと出来過ぎで超人的過ぎる感もあるが、マンガとしての面白さを考えるとこれで良いと言える。つまりタイトル通り「ゴッドハンド」なのだから問題ない。どうしても内容やテーマが重くなりがちな医療ドラマを若い年齢層にも分かりやすく読みやすくマンガ化している点で高く評価したい作品と言える。

『スーパードクターK』

タイトル通りのスーパードクター「K」こと、本名「西城カズヤ」がその天才的手腕と独自の医療技術と唯我独尊にして孤高の医師として、たった一人で多くの困難な病気や手術を成功させて行く超人物語。身長190cmを超え、ガッチリとした体格にピッチリと固めたヘアスタイルと無愛想で寡黙なこの主人公は非の打ち所がない完璧人間。後にその完璧さをいじられるパロディ作品すら登場するほどの人気キャラでもある。また、医療技術だけでなく、悪の組織から狙われ、絶体絶命のピンチから生き抜くサバイバル物語まであり、他にも医療業界に対する社会的な問題や一般常識では測れない特異な医療の現場などの実態を紹介する広報的な役割も果たし、後の医療系マンガの裾野を広げた功績ある作品でもある。続編『Doctor K』もあるが、こちらは全く新たな展開を見せる物語で、マンネリ化は無い。総じてチャレンジ精神に溢れ、主人公が良くも悪くも際立っていて、そんな主人公の生き様を楽しむ作品になっている。

『JIN-仁-』

主人公で脳外科医の「南方仁」がタイムスリップして江戸時代に生きることとなり、現代の最新医療技術を江戸時代に応用して多くの命を救い、その名声を高め、遂には動乱の幕末の志士たちと知り合う事となり、自分の医療技術によって歴史を変えてしまう可能性に悩み生きる独創的にして画期的な医療ドラマとなっている。今なら当たり前のことが江戸時代では魔法のような技術に見えるのは、言われてみればその通りであるが、実際にマンガで読んでみるとその面白さがリアルに伝わる。例えばペニシリンの作り方などは江戸時代でも環境を整えれば製造が可能なのだと知ることが出来るのは素直に驚く。そして物語は医療技術だけに留まらず、歴史上の人物を登場させ、更に内容に重みと深みを増して、先の展開が楽しみで仕方がない。エンターテイメント性を感じさせる作品であり、作者自身も楽しんでいるのが読み取れる。一般的な医療系作品に新鮮さが足りないと感じている人には、この古くて新しい独特の世界観を持つ作品をお薦めしたい。

『麻酔科医ハナ』

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駆け出しの新米医師「華岡ハナ子」は麻酔科医として、あまり一般的には馴染みのない「麻酔」の世界について教えてくれる作品で、今までにない面白さが感じられる。また主人公が女医と言うのも斬新で新しい。ストーリー展開も医療の問題を盛り込みつつも、主人公は若い女性であり、一般的なOLと何ら変わらない普通の等身大の女性として描かれているのも読者との距離感が近く感じられて物語に入り込みやすい。また、実はなぜ麻酔が効くのか科学的には解明されておらず、医学および人間の神秘に迫る一面もあり、それがまた魅力的でもある不思議な世界観を感じさせる作品でもある。現代医療事情を軽快でコミカルな雰囲気と絵柄で重く感じないように描きつつも考えさせられる点はちゃんとポイントを抑えている全体的な構成力の高いバランスの良い作品でもある。まずは医療の世界を知ってみたい人や麻酔と言う独自の技術や世界を知ってみたい人にはお薦めしたい作品になっている。

『マンガで分かる心療内科』

人よっては「医療なの?」と思う「心療内科」について、分かりやすく、なおかつ面白おかしく描いたライトノベル風なマンガ作品で、小ネタ、短編集の詰め合わせた様な構成となっていて、読みやすく、また、どこから読んでも、どこから読み直しても問題ない。ストレス社会と言われる現代で「心療内科」の重要性は実は高まっており、患者の数も意外と多い。うつ病は心の持ち方の問題、怠慢の現れだと言う人もいるが、立派な病気であり、治療・通院・医療処置は必要なのである。自分は関係ないと言う人も居るであろうが、まずは入門編として読んでみるのも良いと言える。そしていざ読んでみると…、ただ面白いだけ、医療を題材にした漫才、無駄にボケとツッコミが多いと思うかもしれないが、読み終えてみると「意外と身についた」と思える事も多い。錯覚かもしれないが…。つまりは心の病は、まず「笑い、楽しむ」ことなのだと、遠巻きながら教えてくれている。現代人の基礎知識として一冊だけでも一読することをお薦めしたい。

『ブラックジャックによろしく』

主人公の研修医「斉藤英二郎」の目線で描かれる現代の医療業界の問題点、闇・タブーと言われる部分、不条理、保険制度の問題などを鋭く、厳しく、裏表なく明確に描き、社会に大きな波紋の輪を広げた意欲作で作者「佐藤秀峰」の名前を世に知らしめた代表的作品でもある。タイトルも誰もが知るマンガの登場人物の名の借り、その知名度は高く、賛否はあるが、多くの人に知って貰う為には手段は選ばない作者の必死さや熱意も伝わって来る。まさにマンガの域を超えた世論に訴えかける問題提起の一つの新しい形でもあり、それが成功した貴重な作品でもある。実にドラマ性が高く、実に深く重く考えさせられる内容には心が痛くなる。でも、それがマンガを通してであるが、事実・現実でもあり、実に悩ましく思える。ぜひ、社会的に影響力のある人や権力を持つ人が読んで、色々な改革や社会の病巣に正にメスを入れていただきたい。そんな作品の素晴らしさもさることながら、この作品を世に送り出した作者の努力や熱意にも敬意を評したい。

『ブラック・ジャック』

1970年台に登場した医者が主人公のマンガとして最も有名で最もパイオニア的存在である作品であり、主人公「ブラック・ジャック」こと「間黒男」の個性、生い立ち、生き様、無免許医と言う立場など唯一無二の絶対的存在感に満ちたキャラの魅力も満載のマンガの神様「手塚治虫」の作品の中でも代表的な作品。余談ながらこの「ブラック・ジャック」の意味は、トランプのゲームではなく、海賊が使う骸骨を模した旗を意味している。内容は、医療技術よりは、人とは何か、生命の重さや尊さとは何か、命のお金の価値・大切さとは何か、安楽死の是非、「ドクター・キリコ」などのライバル医師の登場、ピノコの誕生物語など考えさせられるテーマを見事なエンターテイメント的要素を盛り込みつつ、面白い作品に仕上げているのは圧巻で、時代を超越して今読んでも新しさや作品の奥深さが感じられる。おそらく、今後もこの作品、このキャラを超える医者のマンガは登場しないのではないかと思わせる金字塔的作品と言える。更に別の作者によるスピンアウト作品『ヤング ブラック・ジャック』も登場し、このキャラの魅力は永遠に生き続けるのではないかと思うと嬉しく思う。

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