読むと「音」が聴こえてくる！ピアノ漫画オススメ５選44 Pt.

2019年1月に『ピアノの森』のテレビアニメ2期が放送。今回は、それにちなんでピアノ漫画を紹介。読めば思わず「音」が聴こえてくるような名作5作品を、少年少女、青年漫画のジャンルを問わずピックアップ。

主人公の少年・一ノ瀬海は、田舎の歓楽街「森の端」で、私生児として生まれ育った。母・レイちゃんこと一ノ瀬怜子（いちのせ れいこ）と暮らしている。海にとって、偶然見つけた森に捨てられていたピアノは、唯一のおもちゃで宝であった。海は、他の人では弾けないほど壊れたピアノを見事に弾きこなし、ピアニストとしての才能を開花させていく。海のピアノの師・阿字野壮介（あじの そうすけ）は、元は天才と称された世界的ピアニストだった。事故で左手に怪我を負い、ピアニストとしての夢を絶たれた阿字野は、小学校の音楽教師をしていた。そして、そこで出会った海のピアニストとしての才能を見抜く。当初はピアニストになる気はなかった海だが、さまざまな運命と出会いによって、ショパン国際ピアノコンクールでの優勝を目指すこととなる。主人公・海だけでなく、コンクールに挑むピアニストたちの熱い思いが伝ってくる作品だ。

主人公・須江麻子の母・愛子は、高名な現役ピアニスト。麻子は、仕事が忙しい愛子とは距離を感じて、寂しい思いをしていた。幼馴染・緒方季晋の母・華子もピアニストだったが、腱鞘炎が原因で引退。今は季晋につきっきりで、麻子は、それをうらやましく思っていた。中学校に上がる時、季晋は華子と共にドイツへ留学。そこで2人は列車事故に遭い、華子は亡くなり、季晋は音信不通になってしまう。高校生になって季晋と再会した麻子は、季晋が麻子を憎んでいることを知る。実は、愛子と華子はピアニストとしてライバル関係にあった。華子は、愛子に勝つことができないまま引退したため、愛子のことを憎んでいたのだ。麻子は、愛子の憎しみを引き継いでしまった季晋に、昔のような、聴衆を感動させる演奏を取り戻してもらいたいと考え、大会に臨む。複雑に絡まる運命の糸が、物語の進行につれて徐々に解きほぐされていくのも、見どころのひとつだ。

音楽大学のピアノ科に所属する野田恵（通称のだめ）。彼女のモットーは、楽しくピアノを弾くこと。のだめは汚部屋の住人で、変態と呼ばれる奇人。しかし、超自己流ではあるが、どんな難解な曲でも弾きこなすピアノの天才だ。のだめの将来の夢は、幼稚園か小学校の先生。のだめが音大で出会った先輩・千秋真一は、音楽家の英才教育を施されたエリートだった。しかし、千秋は過去のトラウマから、飛行機や船に乗れず、留学できないことを悩んでいた。いつもマイペースなのだめのおかげでトラウマを克服した千秋は、のだめと一緒にフランスへ留学して、共にさらなる音楽の高みを目指すのだった。「天然」なのだめと、千秋をはじめとした、のだめに勝るとも劣らない独特な個性を持った周囲の人々が描き出すコミカルな世界と、シリアスな音楽の世界が融合した作品だ。

主人公・有馬公生は、正確無比な演奏で「ヒューマンメトロノーム」と呼ばれ、数々のピアノコンクールを総ナメにしてきた天才少年。ピアノを教えてくれた母のために、コンクールで好成績を残し続けたが、ある日、母の過酷な指導に反発。公生は、その直後に母を喪い、ピアノが弾けなくなってしまう。そんな公生を再びピアノへ導いたのは、バイオリニストの少女・宮園かをりだった。かをりはバイオリニストで、公生の幼馴染・澤部椿の友だち。幼い頃に公生のピアノに感銘を受けかをりは、公生に自分の伴奏者となって欲しかったのだ。かをりと再び音楽の道を目指す公生だったが、かをりは病に倒れてしまう。再び挫折しかける公生。しかし、かをりと、自分を導いてくれた全ての人のために再度ピアノに向かう。ラストは涙なしには読めない名作だ。

本作の主人公・菊名和音は、名門音楽大学をを目指している浪人生。ピアノの腕はまだまだだが、非常に優れた音感を持っている。対して、母子家庭で育った少女・成瀬うたは、小学校5年生ながら、すでに世界レベルのピアノの腕を持っていた。うたの母は、うたを超一流のピアニストにするために、家ではピアノの練習だけをさせて、学校の宿題すらさせない状況だった。しかし、マイペースなうたは、外では友達と野球をし、家では好きなようにピアノを弾く。自由奔放なうたと出会ったワオは、優れた耳で、うたに新たな音の広がりを与えていく。ワオは音大浪人生、うたは世界的な天才ピアニストの小学生。対極的な2人が奏でる感動の物語だ。