莫大な懸賞金が掛かっている大泥棒が、自分が失った記憶の手掛かりとなる「楽園のカケラ」を探し求めてお宝を盗み続けるアドベンチャーコメディ漫画。権力者に牛耳られ、無法都市と荒廃した土地が広がる近未来の世界。泥棒や盗賊が暗躍する世界に、8000万の懸賞が掛かった大泥棒がいた。彼の名前はポルタ。「ポルタ盗賊団」を名乗り、相棒のカスケと共に数々の厳重な警備を破り「奇抜な手口で盗めぬモノは無い」と言われてきた腕利きだ。
見た目は少年であるポルタの好物は、頭の回転を良くするために常食しているペロペロキャンディーやチョコバーなどの甘い菓子である。その食べる量は尋常ではないのだが、実は菓子の中に盗みの重要アイテムとなる盗具(ギミックツール)を忍ばせている。ポルタが狙うのは、世界のどこかに存在する楽園の場所を示す「楽園のカケラ」と呼ばれる石版の欠片だ。過去の記憶が欠落しているポルタは、意識が戻った時にこの欠片を手に握っており、自身の記憶を取り戻す糸口になると信じているのだ。ポルタとカスケがたどり着くのはどんな光景なのか。結末まで目が離せない作品だ。
江戸時代を舞台に幕府の下で働いていた隠密の忍者が、忍びの技術と変装や仕掛けなどの様々な能力と使って依頼人から頼まれた品を次々と盗み出す痛快時代劇漫画。かつては「雲盗りの暫平(ざんぺい)」と呼ばれた“忍び”あがりの暫平は、将軍徳川吉宗の命を救った褒美として、忍びの任を解かれる。晴れて自由の身となった暫平は忍び時代に培った特殊能力で、今や「猫の皿から大仏様まで……盗めないものはない……お空に浮かぶ雲までも盗んでしまう」と称されるほどの凄腕の盗人として、江戸の町にその名を馳せていた。
暫平が引き受ける仕事の報酬はさほど高額ではない。仕事の依頼は伝書鳩を介して暫平の自宅に伝えられ、「お互い裸で話せる」という理由から、依頼人との交渉の場には専ら銭湯が使われる。ある藩の江戸留守居役から、剣術指南役である鹿島忠兵衛の刀を盗んで欲しいとの依頼を受けた暫平は、忠兵衛の屋敷に忍び込み、大の苦手である蛇に遭遇するも床の間から見事刀を盗み出す。ところが、その刀は偽物だった。忠兵衛がなかなかの策士と睨んだ暫平は、仕事はまだ終わっていないと奮起する。夜泣き蕎麦屋の店主に変装した暫平は、忠兵衛の屋敷の使用人である茂平に眠り薬入りの蕎麦を食べさせ眠らせると、顔型を取って茂平に化け、再び屋敷へと潜入する。
美術品を専門に盗むイギリスの泥棒貴族と、彼と因縁のあるNATOドイツ・ボン支部の情報部少佐の2人を中心とする騒動を描いたコメディタッチのスパイアクション漫画。金髪の巻き毛に美しい顔立ちのドリアン・レッド・グローリア伯爵は、表向きは美術品のコレクターとして知られているが、その正体は世界レベルで国際指名手配されている大泥棒(通称エロイカ)である。ただ、自意識と美意識が異常に高い彼には「自分の目にかなった美術品しか盗まない」というポリシーがあった。
NATO(北大西洋条約機構)に属し、エロイカに追い回されるクラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐(別名・鉄のクラウス)は、西ドイツ出身。連載当時の1970年代は統一前の東西ドイツやペレストロイカ以前の未だ冷戦状態だったソ連の存在があり、コメディ作品ながらもスパイ漫画としての真に迫ったリアリティがある。連載当初の主人公は16歳の美術学生の少女シュガー・プラム、18歳の大学講師シーザー・ガブリエル、スタントマンである19歳のレパード・ソリッドの三人の超能力者たちだったが、シーザーの調査に乗り出したクラウス少佐の登場によってストーリー展開がSF調からスパイコメディへと大幅に変貌を遂げ、大人気作品となった。
「輝くものは星さえも盗む」と称された王ドロボウの末裔で、自身も大泥棒である少年と相棒の黒い鳥が、目的のお宝を求めて旅を続ける冒険ファンタジー漫画。津々浦々のコソドロから大盗賊まで、ありとあらゆるドロボウが集まってくる「ドロボウの都」にやってきたジンと相棒のキール。二人が狙っているのは「ダブルマーメイド」と呼ばれる巨大な宝石だったが、今までこの宝石を盗もうとして成功したものは誰一人としていなかった。2002年テレビアニメ化。
目当ての宝石を探していたジンとキールは、道中で一人の老女と出会う。「なかなかどうして玄人だねぇ…ここへは初めてかい?」と尋ねてきた老女にジンは、ダブルマーメイドについて知らないかを尋ねると、老女は目の前の塔を指し「ボーヤの頭の上さね」と即答した。老女の返答内容に驚くジンに老女は「この塔は危険だよ」と諭した。お宝を求めて今まで数多くの泥棒たちが挑戦したが、塔には市長コニャックの仕掛けた数々の罠が在り、誰一人として成功したものはいなかったのだ。老女の言葉にビビるキールとは逆に「早く見てーなっ」とますます好奇心を駆り立てられたジンはキールと共に、老女から教えてもらったお宝のカギを握る「龍のあんよ(ドラゴンパウ)」という酒場に潜入する。
警視庁捜査三課に所属する若い刑事が希有の窃盗犯らしき男の力を借りて難事件を解決していく刑事アクション漫画。窃盗やひったくり犯の検挙率がトップをはしる刑事部捜査三課。そこは、聞き込み・張り込み・遺留品捜査・現場観察など「行わない捜査は無い」と言われるほど刑事のスキルが必要な部署である。窃盗事件専門ゆえに「ドロ刑」と呼ばれる三課に配属された班目勉(まだらめつとむ)は、立派なドロ刑になるべく心躍らせていた。2018年テレビドラマ化。
1年後、勉は同期で殺人事件を担当する捜査一課の安藤から「給料ドロボウ刑事」呼ばわりされた上に、頼んだ鑑識も一課の後回しにされてしまった。地味な三課に嫌気がさしていた勉だったが、「煙鴉(けむりがらす)」と呼ばれる窃盗犯逮捕には闘志を燃やしていた。煙鴉は3年ほど前から出現した都内を中心に高級宝石のみを狙う窃盗犯であり、侵入経路も手口も不明だが、現場を一切荒らさずにモノを盗む煙鴉が唯一残していくのが「タバコの香り」なのである。その香りを覚えるために色々な種類の煙草を吸い、何度も現場に足を運ぶ勉だったが、手掛かりは今のところ皆無だった。ところが、先輩刑事の鈴木大悟と品割り捜査に出かけた勉は、捜査に向かったバーで煙鴉と同じタバコを吸う男と出会う。