地上最強の男を目指す少年の過酷な戦いと成長を描いた本格格闘漫画。主人公である範馬刃牙(はんまばき)は、幼い頃から格闘の英才教育を施されてきた少年だ。刃牙は高校生ながら、300年以上の歴史を持つ地下闘技場の史上最年少王者でもある。そこは武器の使用以外、あらゆる攻撃が認められる過酷な舞台。その頂点に君臨する刃牙はさらなる高みを目指し、世界中の強者たちと拳を交えていく。2001年テレビアニメ化。
子供にとって親は超えるべき壁といわれることがあるが、主人公である範馬刃牙にとって父親の勇次郎は、余りにも分厚く高い壁だ。勇次郎は「地上最強の生物」「鬼神(オーガ)」と称される男。勇次郎はありとあらゆる格闘術に精通し、素手で北極熊や巨大なアフリカ象をも屠る規格外の超人である。勇次郎の暴力は一国の軍事力にも比肩するレベルで、非公式だが個人でアメリカ合衆国と友好条約を結ぶ程。闘争を至上の悦びとする勇次郎だが、皮肉なことに強くなり過ぎた彼は、自分が満足する相手にすら事欠くようになる。そこで勇次郎は自分の血筋に活路を見出す。つまり勇次郎は自らの「餌」として、息子の刃牙を鍛えたのだ。かくして空前絶後の親子バトルが始まることとなる。
国民的人気RPGシリーズ「ドラゴンクエスト」の世界観をベースにしたファンタジーアクション漫画。物語の舞台は勇者の活躍によって魔王ハドラーが倒され、平和が訪れた世界。ところがそれから10数年後、大魔王バーンの出現とハドラーの復活により、世界は再び危機に直面する。そんな中、勇者アバンに素質を見出され主人公のダイは、次世代の勇者を目指し、魔王軍と戦っていく。1991年、2020年テレビアニメ化。
主人公のダイは赤ん坊の頃、船の難破によってモンスターたちが暮らすデルムリン島に漂着。そこでダイは、モンスターである鬼面道士のブラスによって育てられた。ブラスは勇者に憧れるダイに対して「勇者様を支える立派な魔法使いになれ」と、頭ごなしに魔法の勉強をさせる頑固者だが、ダイを心から愛している。種族は違うが、ダイとブラスは実の親子のような絆で結ばれているのだ。ところがモンスターであるブラスは、結界が張られているデルムリン島の外に出ると、魔王の波動に支配され、人間に襲いかかってしまう。ダイを脅威に感じた魔王軍は、それを利用し、ブラスにダイを攻撃させる。育ての親であるブラスを前に、ダイは苦しい戦いを強いられることとなる。
魔神の供物に捧げられた少年と幼い盗人の奇妙な旅路を描く、伝奇時代劇漫画。物語の舞台は室町時代中期。武士の醍醐景光は、産まれる直前の我が子を魔神の生贄として、天下取りを願った。その3日後、景光の子供は目も口も耳も手足もない状態で誕生する。赤子はそのまま捨てられたが、医師に拾われ生き延びる。やがて百鬼丸と名付けられた赤子は奇跡的に成長。医師の元を離れ、自分の体を奪った魔神を狩る旅に出る。1969年テレビアニメ化、2007年実写映画化。
主人公である百鬼丸の父親、醍醐景光は身勝手極まる人物だ。景光のせいで百鬼丸は、身体の重要な部分を48の魔神に奪われた状態で誕生。ところが百鬼丸は不思議な力を備えていた。彼は目も口も耳もないにも関わらず、他者との意思疎通が可能。養父となった医師に義手や義足を与えられた百鬼丸は、外見上は普通の人間と変わらぬ姿の少年となる。しかし、百鬼丸の不思議な力は妖魔を引き寄せるようになり、彼は旅立ちを余儀なくされる。一方、景光は望みを叶え、有力領主である冨樫家の砦を守る侍大将に出世。跡取りとして、新たに多宝丸という息子をもうけていた。やがて景光と百鬼丸は運命に導かれるように再会。父と子は、骨肉の争いを繰り広げることとなる。
11世紀初頭のヨーロッパを舞台に、ヴァイキングの血を引く主人公の波乱に満ちた人生を描く、歴史アクション漫画。主人公であるトルフィンの父トールズは、かつて「戦鬼」として勇名を馳せた「ヨーム戦士団」大隊長。しかし、戦いに疲れたトールズは、妻と共に逃亡、その後はアイスランドの片隅で静に暮らしていた。そんなトールズの元にヨーム戦士団の使者が訪問。彼に復帰を要請してくる。この日を境に、トルフィンの人生は一変していく。2019年テレビアニメ化。
本作における親子バトルは、デンマーク王スヴェンと王子クヌートの間で勃発する。クヌートは女性と見紛うような容姿をした優しい性格の青年だった。彼にはハラルドという兄がおり、どちらが次期国王となるかで、宮廷内は紛糾していた。やがて国家の分裂を危惧したスヴェン王は、後継者をハラルドに定め、後顧の憂いを断つためクヌートの殺害を決断する。そんな中、戦場で己の信念に目覚めたクヌートは、逆に王位の簒奪を決意。そこでクヌートは、それぞれの思惑は異なるが自分を旗頭として担ぐ歴戦の猛者、アシェラッド、トルケルらと共に、父の本拠であるゲイズバラに向う。主人公のトルフィンも、クヌートの従者として同行。この父と子の争いは、トルフィンの運命を大きく変える。
食べ物に並々ならぬ拘りを持つ親子の対決を軸に、食文化を深く掘り下げる大ヒットグルメ漫画。主人公である山岡士郎は、栗田ゆう子と共に東西新聞創立100周年記念事業「究極のメニュー」作りの担当者に抜擢される。そんな中、ライバル紙の帝都新聞が対抗企画として「至高のメニュー」を立ち上げる。その監修者には、山岡の父にして「美食倶楽部」の主宰者である海原雄山が就任。かくして親子による熾烈な料理対決が幕を開ける。1988年テレビアニメ化のほか、実写映画、テレビドラマなど多数メディア化。
東西新聞社に勤務する山岡士郎は、普段はグータラ社員だが、食に関する知識と味覚は社内随一。士郎の父親、海原雄山は画家にして陶芸家、そして希代の美食家である。雄山が主宰する「美食倶楽部」には、各界の著名人が会員として名を連ねる。まさに食の重鎮だ。士郎は中学生になると同時に「美食倶楽部」の板場に立たされ、雄山から英才教育を施される。しかしそれは、余りに過酷なものだった。そして、母の死をきっかけに士郎は暴走、彼は周山の絵画と陶器の全てを破壊し、家を飛び出してしまった。そんな士郎と雄山は、奇しくもそれぞれライバル紙の類似企画のキーマンに就任。かくして互いに深く反目し合う親子は、熾烈なグルメバトルを繰り広げていく。