グラップラー刃牙

グラップラー刃牙

板垣恵介の代表作で、後にシリーズ化される「グラップラー刃牙」シリーズ1作目。シリーズは『バキ』、『範馬刃牙』、『刃牙道』、『バキ道』と続いていく。無類の強さを持つ謎の少年・範馬刃牙は、人知れず激闘が繰り返される地下闘技場の最年少王者。刃牙は、地上最強の生物と呼ばれる父・範馬勇次郎を倒すため、強さを求めて日々戦いを繰り返す。範馬勇次郎と和解した後は、宮本武蔵との戦いの中で更なる強さを求めていくことになる。秋田書店「週刊少年チャンピオン」1991年43号から連載。

正式名称
グラップラー刃牙
ふりがな
ぐらっぷらーばき
作者
ジャンル
バトル
レーベル
少年チャンピオン・コミックス(秋田書店)
巻数
全42巻完結
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世界観

舞台は現代日本。格闘をテーマとした作品ではあるが、鍛錬を行わない暴力団員の花山薫や暴走族の柴千春、原始人のピクルなど格闘技を使わないキャラクターも多数登場。格闘漫画の枠に囚われない戦いが繰り広げられる。

特徴的なのが、暴力を否定する現代日本の社会情勢と強さを求めてやまない格闘者たちの心情の対比、そして一般人視点からの格闘者達への憧れを描いていること。また、単に人を殺傷するだけであれば苦労して格闘技を習得するより銃器や武器を使った方が良いといった格闘技のジレンマを描写。その上で、男として強さを求めていく本能の衝動やその素晴らしさ、強さを得ることに人生を捧げた格闘者たちの人生模様、彼らの持つ価値観の特異さなどが語られていく。

シリーズ初期は空手対レスリング、テコンドー対ボクシング、相撲対古流柔術といった異種格闘技戦においてどちらの格闘伎が強いのかといった部分に力点が置かれていた。しかし、物語が進むにつれ、“優れた資質と強烈なエゴを持つ個人同士がぶつかった際に何が起こるのか”といったテーマを描く側面が強くなっていく。

また、試合場の中で行われるルールある戦いだけでなく、どこで襲いかかっても良いノールールの戦いや、相手を殺すこと、捕食することを目的とした戦いなど、通常の格闘技とは異なる価値観による戦いを追求。その中では、烈海王愚地克巳といった登場人物が手足を永久に失うような、少年漫画では他にあまり例を見ない描写も行われる。

作品が描かれた背景

作者の板垣恵介は、漫画家になる前から格闘技や闘争をテーマにしていこうと考えていた。デビュー作となる『メイキャッパー』は化粧による気持ちの変容をテーマとした作品だが、制作中、「化粧の物語でさえ描ける自分なのだから、格闘技経験を活かした格闘漫画を手がけるなら空前絶後のものができるだろう」という実感があったという。こうしてスタートしたのが『グラップラー刃牙』。連載開始後も格闘技者と手合わせするなどの取材が継続された。

主人公・範馬刃牙と父・範馬勇次郎、母・朱沢江珠の関係は、自分が育ってきた家庭環境が大きく影響を与えているという。暴力でワガママを通し、弟である板垣恵介を使用人の如く扱う兄と、これを注意できない父親。この2人の家族から、暴力で全てを解決し、息子には決して越えられない壁である父親・範馬勇次郎が生まれた。また、範馬勇次郎像の成立には、『のたり松太郎』の主人公・坂口松太郎が土俵の外で腕力を行使するシーンがヒントになっている。

板垣恵介の母は、息子を強く愛するが、夫の借金で苦労させられたことから、息子の板垣恵介に夫の悪口を繰り返すようになってしまったという。これは、範馬刃牙の母・朱沢江珠が、普段は息子・範馬刃牙への愛情を見せないが、父・範馬勇次郎に息子が殺されそうになる土壇場で範馬刃牙を庇う姿の鏡映しといえる。

時代背景

グラップラー刃牙』は、秋田書店の週刊漫画雑誌「週刊少年チャンピオン」において、1991年から連載が開始された。1999年の連載終了後、マウント斗羽と猪狩完至という2人のプロレスラーが対決する『グラップラー刃牙 外伝』が短期連載され、その後間を置かず第二部『バキ』がスタート。途中、主人公・範馬刃牙と恋人・松本梢江の性交を描く『バキ特別編SAGA』が隔週刊漫画雑誌「ヤングチャンピオン」にて本編と並行連載されている。2005年に『バキ』が終了、2006年1号から第三部『範馬刃牙』がスタート、2012年まで連載が続いた。2014年には新シリーズ『刃牙道』の連載が始まり、2015年10月現在まで継続中。

作品構成

地上最強の生物と呼ばれ、暴力であらゆる欲望を実現する父・範馬勇次郎と、その傲慢を正そうとする息子・範馬刃牙の相克、激突を描く。

多くの格闘技漫画の主人公と、本作に登場する他の格闘者たちが地上最強を目指す中、父・範馬勇次郎に対し「仮にあなたがもしこの世で一番弱い生物なら、俺は二番目に弱い生物でいい」と語る範馬刃牙のスタンスは独特。

格闘で生じる様々な肉体的損傷、痛み、疲れを克明に描写し、登場人物が味わっている苦痛を読者にも共有させる手法を採る。こうした描写においては、作者の板垣恵介が少林寺拳法やボクシングといった格闘技を経験していることが役立っているという。食事やトレーニングを丹念に描くことにより、登場人物に強い肉体性とリアリティを付与。格闘者たちの戦いを直接描写するだけでなく、これを目撃した一般人が読者に近い視点で感想を述懐するといった独特の手法により、格闘者たちの超人的な強さに説得力を持たせている。

特定の格闘技を修行して得られる技術だけではなく、優れた資質を持つ個人が天性の才能で自得する技も多い。

闘技場で徒手の格闘者同士が対決する試合形式の戦いに加え、街中での不意打ちや、ビンや日本刀、爆薬、幻覚剤など凶器・武器を使った戦い、そして人間対猛獣のような異種族格闘など、通常の格闘技漫画ではありえないような戦いが描かれるのも特徴的。

実在の総合格闘家・平直行をモデルとした範馬刃牙、空手家の大山倍達を思わせる愚地独歩、ロックバンド・X JAPANのYOSHIKIをモデルにした鎬昂昇など、実在の格闘家、芸能人を下敷きとしたキャラクターも多数登場。

過剰な描写がギャグとして捉えられることも多く、板垣恵介自身もこうした反応を知った上で連載を続けている。

あらすじ

グラップラー刃牙

地下闘技場(第1巻~第3巻)

神心会空手の主催する全国大会は、無名の他流選手・範馬刃牙が並居る強豪を撃破し決勝戦へと進出していた。決勝戦の相手である全国大会の前回覇者・末堂厚をも圧倒的な強さで倒した刃牙は優勝する。その刃牙の正体が、東京ドームの地下にある地下闘技場のチャンピオンである事を見抜いた神心会空手の館長・愚地独歩は、地下闘技場での刃牙の試合を観戦する。刃牙が神心会空手の大会に出場した理由は、地下闘技場での対戦相手が空手家・鎬昂昇なので、空手対策をするためだった。「紐切り」という相手の神経を手刀で断ち切る技を持った昂昇を相手に苦戦をするも勝利した刃牙は地下闘技場をあとにする。

地上最強の生物(第4巻~第6巻)

地下闘技場でチャンピオンとして君臨する範馬刃牙の次の相手は、プロレスラーの花田純一。だが、対戦直前に花田は何者かによって襲撃され重傷を負う。刃牙の対戦相手は、その花田を襲撃したマウント斗羽だった。日本プロレス界の首領と呼ばれ、2メートルを超える巨体を持った斗羽を前に刃牙は正面から殴り合い、これに勝利する。しかしその直後、観客席から一人の男が現れる。彼の名は範馬勇次郎。刃牙の父親であり、「地上最強の生物」と呼ばれる男だった。そんな勇次郎の前に今度は神心会空手の館長・愚地独歩が登場、地下闘技場での勇次郎対独歩のスペシャルマッチが決定する。試合の当日、独歩は数々の空手技で勇次郎を追いつめるが、それでも勇次郎に勝つ事はできず心肺停止状態に陥る。そんな独歩を前に進み出たのは、刃牙の次の対戦相手であり医師でもある鎬紅葉だった。

ドクター・鎬紅葉(第6巻~第8巻)

範馬勇次郎との死闘の末に心肺停止状態に陥った愚地独歩だったが、その場に居合わせた医師・鎬紅葉によって蘇生する。その紅葉は範馬刃牙の次の対戦相手であり、かつて刃牙に敗れた鎬昂昇の兄だった。心肺停止状態になった者すらを蘇生させる紅葉の技術におびえる刃牙だったが、彼が「医学の発展」と称して多くの人達に非道な人体実験を施していた事を知り、再び闘志を燃やす。人体を熟知した紅葉は自身の肉体を格闘技に最適な状態に作り上げていたが、刃牙はそれを上回る攻撃を繰り出し、紅葉に勝利する。紅葉を倒した刃牙は、そのまま地下闘技場を離れとある山中へと入って行き、父親である勇次郎を倒すための山ごもりに入る。

範馬刃牙・13歳(第9巻~第10巻)

山ごもりに入った範馬刃牙の脳裏に、自身の中学時代の事が蘇る。13歳の刃牙は、既に高い格闘技術を身につけており、付近の不良生徒達の標的となっていた。強くなりたいと願う刃牙は、不良100人と1人で対決するが37人目で失神してしまう。100人相手に勝つ事ができない自分の不甲斐なさに落胆した刃牙は、さらに強くなるために中学の先輩から紹介されたプロボクサーのユリー・チャコフスキーにスパーリングを申し込む。だがユリーの前に一方的に敗北を喫する。一方、刃牙の母親である朱沢江珠は自身の部下である栗谷川に命じて刃牙の「練習相手」を探させる。そんな栗谷川が見つけて来たのは、ヤクザ最強といわれる喧嘩師・花山薫だった。

飛騨の夜叉猿(第10巻~第12巻)

強くなりたいと願う範馬刃牙の目標は、地上最強の生物といわれる自身の父親・範馬勇次郎だった。勇次郎に勝つためには生半可なトレーニングでは太刀打ちできないと考えた刃牙は、飛騨の山中で暮らす勇次郎の知人・安藤のもとを訪ねる。刃牙の目的は、飛騨の山奥に住むという未知の生物・夜叉猿と戦う事だった。だが、夜叉猿に挑んだ刃牙は返り討ちに遭い、助けに入った安藤もまた重傷を負ってしまう。それでも強くなるために夜叉猿と戦う事をあきらめない刃牙は、飛騨の山中でのトレーニングを続け、夜叉猿との再戦に臨む。野性の攻撃を前にして一歩も退かず戦った刃牙は、激闘の末に夜叉猿に勝利する。敗れた夜叉猿は刃牙を自身のねぐらへと招き、刃牙は夜叉猿とのあいだに確かな「絆」が生まれた事を実感し山を下りる。

喧嘩師・花山薫(第12巻~第14巻)

範馬刃牙の父親が範馬勇次郎である事を知った花山薫は、息子の刃牙を倒せば勇次郎と戦えると考え、刃牙を狙って動き出す。手始めにかつて刃牙と戦ったユリー・チャコフスキーを血祭りにあげた花山に対し、刃牙もまた花山のもとを訪れ彼を挑発する。その場は警察の介入で戦いは延期となったものの、その3日後、大勢の見物人がいるゲームセンターを舞台に刃牙と花山との戦いが始まった。夜叉猿との戦いで強くなったと思っていた刃牙だったが花山はその夜叉猿をも上回る強さを持っていた。さらに花山は並外れた握力で相手の手足を握りつぶす「握撃」という技を持っていた。それでも刃牙は苦戦の末に花山に勝利する。しかし、その直後に突如として勇次郎が現れる。勇次郎は刃牙との戦いで負傷していた花山にさらに攻撃を加え、花山は病院送りにされてしまう。

超軍人・ガイア(第14巻~第17巻)

花山薫を倒した範馬刃牙のもとに現れた範馬勇次郎は、1か月後に戦う場を設けると伝える。1か月でどこまで強くなれるのか、悩んだ刃牙は勇次郎の知人であるゲリー・ストライダムのもとを訪ねる。ストライダムは勇次郎の強さは世界中の戦場で培われたものだと話し、日本の北海道にも勇次郎が戦ってきたものに匹敵する戦場があると伝える。その言葉に従い北海道を訪れた刃牙を待っていたのは、日本唯一の「軍隊」と呼ばれる最強部隊だった。わずか五名ながら日本最強の戦力ともいわれるこの部隊の中には、ガイアと呼ばれる超軍人が存在していた。部隊のメンバーを倒していった刃牙と対峙したガイアは、自然に存在する樹木や水などを利用する、「環境利用闘法」で刃牙を追いつめる。刃牙は自身の鍛え上げた肉体でこれに対抗、ついにガイアを倒すのだった。

父・範馬勇次郎(第18巻~第20巻)

花山薫に続きガイアをも撃破した範馬刃牙の存在に触発され、父親の範馬勇次郎も動き出す。戦いの約束の日が迫る中、刃牙は花山の訪問を受けていた。かつて激闘を繰り広げた花山は刃牙を激励する。勇次郎との戦いの当日、刃牙はウォーミングアップとして花山やユリー・チャコフスキーとのスパーリングを行い、勇次郎の到着を待つ。ついに現れた勇次郎の傍らには、刃牙の母親・朱沢江珠がいた。猛然と勇次郎に戦いを挑む刃牙。だが、刃牙の強烈な攻撃を受けてもなお勇次郎は微動だにせずまったくダメージもない。勇次郎は刃牙の攻撃がすべて一流の域に達している事に歓喜しながら、反撃に転じ刃牙を叩きのめす。その光景を見た江珠は刃牙と勇次郎とのあいだに割って入り、勇次郎は江珠に謝辞を述べながらも彼女の背骨を折りその場をあとにする。勇次郎に完膚なきまでに敗れた刃牙は、自身の力不足を痛感、世界中を放浪しさらに強くなりたいと願うようになる。そんな刃牙が旅の果てに知ったのは、東京ドームにある地下闘技場の存在だった。

最大トーナメント開幕(第21巻~第23巻)

山での回想を終え戻って来た範馬刃牙は、地下闘技場で世界中の強豪を集めた最大トーナメントに招待される。かつて刃牙と戦った鎬昂昇やその兄・鎬紅葉花山薫達も出場するこの大会には、神心会空手の館長である愚地独歩や、その養子である愚地克巳も参戦していた。一回戦で2メートルを超える巨漢アンドレアス・リーガンを秒殺した刃牙をはじめ、次々と熱戦が展開されるがその途中で主催者側が用意した補欠選手として夜叉猿Jrが現れる。かつて刃牙に倒された夜叉猿の息子である夜叉猿Jrは親の仇である刃牙を狙うが、その夜叉猿Jrは克巳によって倒される。順当に行けば準決勝で対戦する事となる刃牙と克巳は互いに火花を散らす。さらにそのトーナメントの持つ強者達の熱気に誘われ、刃牙の父親・範馬勇次郎が姿を見せる。

最大トーナメント一回戦終了(第24巻~第26巻)

地下闘技場で行われている最大トーナメントに姿を見せた範馬勇次郎は、自身は出場しない代わりに補欠選手として天内悠という男を推薦する。その最大トーナメントの一回戦では熱戦が続いていた。既に二回戦進出を決めていた範馬刃牙は、ジャック・ハンマーという男と出会う。ジャックは自身の標的が勇次郎である事を刃牙に伝え、自分にはその権利があると言う。果たしてジャックは一回戦を圧倒的な強さで勝ち上がるが、その強さは、彼が自身に課していた度を過ぎたドーピングによるものだった。ジャックに次いで一回戦を勝ち上がったのは、兄である鎬紅葉を破った鎬昂昇。かつて刃牙と戦い敗れた昂昇は、刃牙へのリベンジを胸に二回戦に進み、こうして一回戦の全試合が終了する。

最大トーナメント二回戦(第26巻~第29巻)

最大トーナメント二回戦に登場した範馬刃牙は、対戦相手に不意打ちを受ける等のハプニングがありながらも勝利し三回戦へと進出する。その刃牙が見守る中、二回戦が続く。一回戦以上の熱戦が続く二回戦の中でも花山薫愚地克巳の戦いは熾烈を極める。空手界の最終兵器と呼ばれ、超人的な攻撃を繰り出す克巳に対して、やはり超人的な打たれ強さを持つ花山。死闘は克巳の勝利に終わるが、花山の姿は暴走族の柴千春をはじめ多くの出場選手達の奮起を促す。その千春はプロボクシング世界チャンピオンのアイアン・マイケルと対戦、度胸と根性でマイケルに勝利するも重傷のため三回戦進出は絶望的となる。そんな状況を見て、補欠選手の一人であるアレクサンダー・ガーレンが出場に名乗りを上げる。

最大トーナメント二回戦終了(第29巻~第32巻)

突如として現れた怪物アレクサンダー・ガーレンを前にして、「好みのタイプだ」と言い放ったジャック・ハンマーは二回戦を圧倒的な強さで勝ち上がる。続く試合は、範馬刃牙の父親・範馬勇次郎の推薦で出場した天内悠愚地独歩の対戦。終始独歩を圧倒する悠だが、独歩を倒しきれず業を煮やした勇次郎は地下闘技場へと乱入する。これまでの試合で敗れた鎬紅葉達九人を相手に暴れる勇次郎は、刃牙の指示で集められた猟師によって麻酔銃を撃ち込まれ昏倒、長い中断の末に二回戦の最終試合が始まる。二回戦最後の試合は、鎬昂昇との戦いを制した柔術の達人・渋川剛気が勝ち上がり、こうして二回戦すべての試合が終了する。

最大トーナメント三回戦(第32巻~第36巻)

三回戦第一試合、猪狩完至の策略に苦戦するも勝利した範馬刃牙は、準決勝へと駒を進める。続く第二試合では、花山薫を破った愚地克巳烈海王に秒殺され、刃牙の準決勝の相手は烈と決定する。三回戦第三試合では、ジャック・ハンマーが補欠選手のアレクサンダー・ガーレンと対戦。共に人間離れした体格と強さから「怪物対決」と呼ばれたこの試合は、薬物によって肉体が強化されたジャックがガーレンを下す。三回戦の第四試合では愚地独歩渋川剛気の「達人対決」となり、実戦経験のわずかな差で剛気が勝利をおさめる。ここに最大トーナメント準決勝進出者が決定した。

最大トーナメント準決勝(第36巻~第39巻)

最大トーナメント準決勝第一試合、範馬刃牙は中国拳法の使い手・烈海王と対戦する。対愚地克巳戦をはじめほとんど無傷に近い状態で勝ち上がって来た烈だったが、刃牙は既に烈との対戦を想定したスパーリングを終えていた。そのスパーリングの相手とは、刃牙の非凡なイメージトレーニングにより作り出された烈の「幻影」であり、観客達は刃牙という少年が最強の名に恥じない実力を持っている事を改めて実感する。それでも烈は刃牙の想像を上回る実力者だった。イメージトレーニング以上の強さを発揮する烈に押され始める刃牙だったが、最後には父親・範馬勇次郎を彷彿とさせる容赦のない強さを見せ烈に勝利、ついに決勝戦へと進出する。続く第二試合はジャック・ハンマー渋川剛気。合気道の達人である剛気だったがジャックには及ばず、決勝戦は刃牙とジャックとの戦いとなる。

最大トーナメント決勝戦(第39巻~第42巻)

最大トーナメント決勝戦に姿を見せたジャック・ハンマーは自身が範馬勇次郎とアメリカ軍人ジェーンとのあいだに生まれた子供であるという出自を明かす。範馬刃牙とは異母兄弟という事実が明らかとなり、刃牙とジャックは共に抱擁を交わすがその直後に激しく殴り合う。戦う事がお互いを理解し合う事だと考えている刃牙とジャックは、互いに死力を尽くした激闘を繰り広げる。しかし、ジャックの体は度重なる薬物の摂取により既に限界を迎えていた。そして刃牙は、明日をも捨てて戦うジャックを迎え撃つ。

『グラップラー刃牙 外伝』

国民的プロレスラーのマウント鳥羽と猪狩完至。共に団体の主であり、宿命のライバルでありながら直接対決できなかった二人が、観客のいないところで秘かに雌雄を決しようとしていた。偶然これを目撃した少年は、プロレスファンたちが集まるまで彼らの試合を引き延ばすという、一見実現不可能な難事に挑戦する。やがて集まってきたプロレスファンたちが見守る中、マウント鳥羽と猪狩完至のドリームマッチが始まった。

『バキ』

最凶死刑囚編

縁もゆかりもない死刑囚6人が、シンクロニシティの導きのもと、強者に倒されて敗北を知るべく同時に脱獄。最強の少年・範馬刃牙と、地下闘技場の猛者達がいる東京へと集まった。中国拳法の達人ドリアン、爆薬や刃物の使用も辞さないヘクター・ドイル、範馬刃牙の恋人・松本梢江を誘拐するシコルスキー、驚異的な心肺能力を持つスペック、殺人術の使い手・柳龍光。それまでの格闘者達とは異なる価値観を持つ死刑囚達と、範馬刃牙をはじめとする地下闘技場戦士達。ルール無し、リング無し、いつどこで襲いかかってもOKという戦いが幕を開ける。

『バキ特別編SAGA』

範馬刃牙松本梢江は恋人同士となり、ついに結ばれることに。範馬刃牙は性交を格闘になぞらえ、松本梢江との行為に臨む。性行為が重要なテーマとなるためか、少年漫画誌の「週刊少年チャンピオン」から、青年漫画誌の「ヤングチャンピオン」に場所を移しての短期並行連載が行われた。

中国大擂台賽編

死刑囚・柳龍光との戦いで毒を受けた範馬刃牙。毒は全身に回り範馬刃牙の命も風前の灯火となった。かつて範馬刃牙地下闘技場最大トーナメントで戦った中国拳法家・烈海王は、範馬刃牙の命を救うため、とある解毒法を思いつく。

それは、100年に一度開催される、中国拳法家の頂点を決める大会・大擂台賽に範馬刃牙を出場させ、戦いの中で毒が変質するのを望むというものだった。

毒の影響でやせ衰え、枯れ木のようになった範馬刃牙だが、死中に生をつかむため大擂台賽への出場を決意。そして、強者を求めてやまない範馬勇次郎もまた大擂台賽に姿を現し、ここに親子の共闘が実現するのだった。

神の子激突編

生還を果たした範馬刃牙の前に、才気溢れる黒人青年マホメド・アライJr.が現れる。彼は伝説のボクサーである父のマホメド・アライから、ボクシングを全局面に対応させたマホメド・アライ流拳法を受け継ぎ、これを完成させたのだ。格闘者として新たな高みに昇るべく地下闘技場の戦士たちに次々に戦いを挑むマホメド・アライJr.。その途上でマホメド・アライJr.は、範馬刃牙の恋人・松本梢江に出会い、心惹かれていく。

『範馬刃牙』

実戦シャドーファイティング編

範馬勇次郎との対戦に備えてイメージトレーニングする範馬刃牙だが、その相手は人間大のカマキリなど、想像を超えるものだった。

超絶!!監獄バトル編

範馬刃牙は、範馬勇次郎に対抗する力を得るべく、ビスケット・オリバとの対戦を望む。わざと罪を犯してビスケット・オリバと同じ刑務所に収監された範馬刃牙。そこには、かつて地下闘技場の最大トーナメントに出場したボクサーのアイアン・マイケルや、アメリカ大統領を脅して自国の独立を勝ち取った純・ゲバルなど、規格外の猛者どもが蠢いていた。刑務所ナンバーワンの地位を懸けてビスケット・オリバと純・ゲバルが対決。そして、範馬刃牙とビスケット・オリバの戦いが始まる。

『ピクル』

岩塩の中から原始人ピクルが掘り出され、科学の力で現代によみがえった。エサを横取りされたと勘違いされ暴走するピクルだが、これを鎮圧すべく、現代文明が生み出した兵器が襲いかかる。

野人戦争(ピクル・ウォーズ)編

来日したピクルとの対戦を求め、範馬勇次郎、愚地独歩、烈海王ら格闘者たちが集う。しかし、生存のために戦うピクルにとっての決着とは、格闘者達のそれとはあまりにも異質なものだった。烈海王がピクルに足を喰わせ、愚地克巳が自らの腕を破壊するなど死闘を展開する中、ついに範馬刃牙とピクルが戦う。

強者達の闘い編

ピクルとの戦いで片足になった烈海王はアメリカに渡りボクシングで戦うことに。柴千春花山薫の依頼を受け、範馬刃牙に執拗に襲いかかる。

地上最強の親子喧嘩編

範馬刃牙範馬勇次郎がとうとう激突することに。それは腕力や技術の優劣を決める試合ではなく、範馬刃牙範馬勇次郎に感情をぶつける親子喧嘩だった。街中で始まった親子喧嘩は、多数の人々が目撃し、その波紋を広げていく。

『刃牙道』

地下闘技場の主・徳川光成は伝説の剣豪・宮本武蔵の肉体をクローン技術で復活させる。徳川光成の姉・徳川寒子の降霊術により、再生した肉体に本人の魂を宿した宮本武蔵。武器の使用を是とし、殺し合いも厭わない彼に、範馬刃牙たち格闘者たちが挑む。

表現上の特徴

擦り傷や打撲、骨折といった肉体の破損を克明に表現する。病院のカルテのように、こうした破損の数や場所を列挙することも行われる。頭皮ごと髪をむしられたり、ヘソに指を突き込まれたり、割れたビンで刺されたりといったリアリティある痛みの表現も特徴的。

セリフにおいては「~ッ」「~ッッ」といった語尾を多用し、驚愕や動揺を表す。また、格闘者同士が対峙した際、陽炎が立ちのぼるように景色が歪む描写で威圧感を表現することも頻繁に行われる。

メディアミックス

スピンオフ

板垣恵介のアシスタントである山内雪奈生は、登場人物の一人である花山薫を主人公とした『バキ外伝 疵面』と、彼の高校生活を描く『バキ外伝 創面』を連載。同じくアシスタントであるさいとうなおきが、作者の公認を受けた上でパロディ漫画『バキどもえ』を発表した。また、宮谷拳豪愚地独歩の過去の物語『バキ外伝 拳刃』を連載、富沢ひとしガイアを主人公とした『バキ外伝 GaiA』を発表するなど、スピンオフ作品が多方面に展開している。

アニメ

1994年には原作初期の末堂厚鎬昂昇戦をテーマとしたOVAがリリースされ、原作者の板垣恵介範馬刃牙のモデルとなった平直行が声優としてカメオ出演している。

また、2001年にはテレビアニメ化され、原作第一部『グラップラー刃牙』の最大トーナメント終了までが描かれた。

ゲーム

2000年にはPlayStation 2用格闘ゲーム『グラップラー刃牙 バキ最強列伝』が発売。範馬刃牙が戦った相手の技を吸収して自分のものにする、という原作の設定を活かし、範馬刃牙と他のキャラクターを戦わせて得意技を習得させるというモードが存在する。

また、2005年にはPlayStation 2で『餓狼伝』を原作とした格闘ゲーム『餓狼伝 Breakblow』が発表されたが、漫画版『餓狼伝』の作画を担当しているのが板垣恵介であるということで範馬勇次郎がゲスト出演。他のキャラクターとは一線を画した圧倒的な強さに設定されている。

2011年からは、携帯電話向け『グラップラー刃牙for GREE』がサービスを開始。カード化されたキャラクターたちを育成、戦いを通して「史上最強の生物」を目指す。

2012年には携帯電話向け『刃牙 2!前田光世方式バトルッッ』がスタート。キャラクターたちを組み合わせたチーム戦などが楽しめる。

2013年より『範馬刃牙-バキ-for Mobage』のサービスが開始。こちらもカードバトルで、原作に登場したキャラクターたちを強化していく。

2014年にはオンラインゲーム『タイピングラップラー刃牙』が発表された。タイピングソフトと原作の世界観を組み合わせた内容で、指定された言葉をタイピングすることで敵にダメージを与えるという内容。

2010年の『モンスターハンターポータブル3rd』からはシリーズとコラボレーションしたクエストが配信され、範馬勇次郎および花山薫にちなむ『鬼ノ貌』『侠客立ち』といった武器が入手可能に。また、これにちなんだ板垣恵介によるショートコミックも発表された。

社会に与えた影響

シリーズ全体で単行本は100冊を超え、2014年には『刃牙道』が府中市のオリジナルナンバープレートに採用された。

芸能人のファンも多い。2010年にはテレビ番組『アメトーク』で、グラップラー刃牙シリーズのファンである芸人達がキャラクターのコスプレで登場する回が放映され、芸能人の倉持結香や杏野はるなはシリーズのファンであることを公言した。

バンドとのコラボレーションも何度か行われている。ロックバンド・キャプテンストライダムは登場人物の一人であるゲリー・ストライダムにちなんでおり、板垣恵介から許可を得た上でバンド名としている。ヒップホップグループの餓鬼レンジャーはシリーズにインスパイアされた楽曲『ラップ・グラップラー餓鬼』を2002年に発表。ジャケットは板垣恵介が担当した。

食品や日用品ともコラボレーションしている。カルビーは「ポテトチップス刃牙 地上最強の肉(ティラノサウルスのステーキ)!味」を、板垣恵介監修のもとで2013年に発売。コニシ株式会社の布用接着剤「ボンド 裁ほう上手」は2015年にコラボレーション。原作の名台詞、名シーンを製品の宣伝文句に置き換える、いわゆるコラージュ的な手法で話題を呼んだ。

また、シリーズのファンである母が、範馬刃牙にすべく育てた息子と共に商店街を守るために奮闘するという設定の映画『グラッフリーター 刀牙』が2012年に公開されている。

ネット上やサブカルチャーシーンでは、シリーズの名シーン、名台詞がコラージュ・改変されることも多い。

登場人物・キャラクター

範馬 刃牙 (はんまばき)

我流の格闘術を使う男子高校生。実戦空手団体・神心会が開いたフルコンタクト(直接身体に打撃を当てる)系空手の日本一を決める選手権大会において、外部の人間であるにも関わらず優勝したことから、格闘家たちの注目を集める。実は、「地上最強の生物」と呼ばれる範馬勇次郎の息子であり、幼少時から格闘技の英才教育を受けてきた。 父親との対決に備え、更なる力を手に入れるべく強い対戦相手を求める。ルール無用の地下闘技場で過酷なファイトを続けて来た、最年少の王者。全身には傷が刻まれており、攻撃を受けきって倒れないタフさと、技や技術を貪欲に吸収する柔軟さを持つ。格闘家としては恵まれない小柄な体躯ながら、父から受け継いだ才能と不断の努力により、表世界の一流格闘家に勝利するだけの実力の持ち主。 弱い者のために怒る純粋な心と格闘技に対する真摯さ、そして相手をリスペクトする姿勢により、多くの格闘家たちに一目置かれている。同時に、特定の流儀を持たずに地下闘技場王者に君臨することから、伝統的な格闘技の選手たちからは嫉視されている。 絶体絶命の危機に陥ると、父・範馬勇次郎から受け継いだ「範馬の血」が目覚め、冷徹に効果的な人体破壊術を用いるように。母・朱沢江珠の愛情を渇望しており、自分は江珠にとって範馬勇次郎の気を惹くための道具に過ぎないと知りながらも、母が課す過酷な特訓に明け暮れる。強くなって母の歓心を得ようと焦るあまり、一人で100人を相手取ろうとしてみたり、父に倣って野生動物に戦いを挑んだりと、常軌を逸した行動に走ることも少なくない。 本来は無駄な争いを好まない穏やかな性格。学校でも猫を被って普通の学生として過ごしているものの、周囲の不良たちから疎まれており、自宅は彼を罵る無数の落書きがされている。

範馬 勇次郎 (はんま ゆうじろう)

範馬刃牙の父親であり、北極熊を素手で葬るなど人智を越えた強さを持ち、「地上最強の生物」と恐れられる。力を込めると背中の打撃用筋肉が怒張し、鬼の貌を思わせる形となることから鬼(オーガ)と呼ばれることも。自分の楽しみのためだけに格闘家をなぶり者にし、積み上げた努力を粉砕するのが楽しいと公言して憚らない、残忍かつエゴイスティックな人物。 世界中の戦場を渡り歩き、非武装で敵を倒し続けたという経歴を持つ。戦いに対しての強いこだわりと、強さのみに重きを置く特異な価値観を持っており、戦いの中に友情や愛といった思想を持ち込むのを良しとしていない。その考え方は戦いを通じて人をリスペクトする刃牙とは正反対。 世界中で自分の強さを受け継がせた子供をもうけた。その際はジェーンを陵辱し、朱沢江珠を略奪するなど、傍若無人の限りを尽くす。

愚地 独歩 (おろち どっぽ)

壮年の男性で、実戦空手団体神心会のリーダーを務める。虎を素手で倒すなどの武勇伝を持ち、武神と称えられる空手の達人。神心会の選手権大会に参加した範馬刃牙の素性を見破り、優勝をさらった彼を倒すべく、弟子である加藤清澄に己の技術を伝授した。競技場のみならず生活の全てが戦場であるとする、昔の武道家の如き心構えを持つ。 しかし、油断していたところを範馬勇次郎に急襲されて敗北し、復讐を誓った。頭蓋骨の縫合を外す、アゴを外す、相手の視力を奪うなど、人体を破壊するための技に加え、睾丸を体内に引き込んで急所攻撃を無力化するなど、実戦的な技術を多数習得。さらに挑発や奇襲も得意とするなど、底知れぬ実力を持つ。 神心会という巨大組織の長ながら性格は豪放磊落で、根っからの喧嘩好き。西部劇の派手な殴り合いを愛し、これに倣ってノーガードでの殴り合いを演じるなどの茶目っ気を発揮することも。その人柄から、加藤清澄をはじめとする多くの人々に慕われている。

加藤 清澄 (かとう きよすみ)

元は神心会の一員だったが、実戦的な空手を求めて闇世界へと身を投じる。選手権大会で友の末堂厚が範馬刃牙に倒されたことから、刃牙打倒を誓い、地下闘技場のファイターになった。ルール無用のケンカ空手の使い手。一度は神心会を脱したものの愚地独歩を深く尊敬している。 打倒刃牙のため、神心会へと戻って再び愚地独歩の指導を受け、地下闘技場へと出場。

鎬 昂昇 (しのぎこうしょう)

鍛え上げた手足が刃物のような切れ味を発揮するばかりか、相手の神経を切断して視力や四肢の自由を奪う「紐切り」という技まで駆使する、危険な空手家。強さを渇望し、戦う相手を求めて地下闘技場のファイターになり、範馬刃牙と対決した。己の強さのみを信じ、敗北した者に追い討ちをかけるという残忍な人物だったが、刃牙との戦いを通して変化していく。 鎬紅葉は実の兄であり、強いコンプレックスを抱いている。

鎬 紅葉 (しのぎ くれは)

高名な医師だが、悪辣な人体実験を繰り返してきた過去を持つ。医学を応用したトレーニングにより持久力・瞬発力・機動力・柔軟性を兼ね備える肉体を持つが、そのための知識は健康な人間に対して違法な人体実験を施したことで手に入れた。人体を破壊することに関して格闘家たちが第一人者を気取るのが気にくわないという理由で地下闘技場へと参戦、打診を思わせる「打震」など医術を格闘技にアレンジした技で戦う。 人間の数を「一基」と表現し、自分が人体実験の犠牲にした人々に対しても罪悪感を抱かないという強烈なエゴイズムの持ち主だったが、範馬刃牙との戦いで人の痛みを知るようになった。鎬昂昇の実の兄であり、彼が地下闘技場で戦うのを止めようとするなど、深い兄弟愛を持つ。 瀕死の愚地独歩を救うなど、医師としての腕は確か。

花山 薫 (はなやま かおる)

暴力団・花山組の2代目組長。敵対する組織の本拠地に単身殴り込んでこれを全滅させるほどの強さを持ち、「伝説の喧嘩師」と呼ばれる。顔も含めて全身傷だらけという恐ろしい風貌。背中には「一夜の宿を借りた旅の博徒が、身を挺して花山家の一粒種を守りきった」という故事に倣った「侠客立ち」と呼ばれる刺青が入っているが、こちらも傷でズタズタになっている。 500円硬貨を折り曲げ、束ねたトランプを引きちぎるという驚異的な握力の持ち主。この握力は天与の才能であり、鍛錬で身につけたものではない。戦いの際には、握力と筋力を活かして真っ向から殴りつけるほか、相手の身体を掴んで絞り込んだ末に破裂させる「握撃」という戦法を用いる。 闘争に関する努力や修行を女々しいと断じ、非武装・非鍛錬へのこだわりを貫徹。昔の武道家同様、生活の全てが戦いであるという認識を持つ。少年時代の範馬刃牙と戦い、死闘の末に気持ちを通じ合わせた。この友情は、刃牙に自分と父・範馬勇次郎の違いを認識させる重要な役目を果たすことに。ガンに冒された母親のことを深く想っており、見舞いの際には素手で薔薇の花束を絞って香水を作り出すという繊細な一面も。

烈 海王 (れつ かいおう)

中国拳法の使い手で、達人に与えられる「海王」の称号の持ち主。中国拳法の歴史と強さに絶対的な誇りを持ち、他の流派を見下して憚らない。特に、同じ打撃系格闘技である空手への敵愾心は強く、愚地克巳に対し、空手という格闘技の未熟さを認めるよう強要するなど傲慢な人物だった。だが、地下闘技場での死闘を経て穏やかになっていく。 苛烈な鍛錬を積んでおり、自分の手足だけで巨大な黒曜石を削って球にしてしまったことも。また、足指を手のように使っての多彩な蹴り技や、密着状態からの打撃といった技に加え、空気を吹きつけて目つぶしとしたり、耳の穴やヘソに指を突き入れたりといった、実戦的な人体破壊術も用いる。

マウント斗羽 (まうんととば)

身長2メートル、体重150kgの巨体の持ち主。明るく楽しい王道のプロレスを行うプロレスラーであり、30年という長いキャリアを誇る。そのため、いわゆる実戦からは遠い人物と目されているが、いざとなれば地下闘技場の第一線で戦える実力を隠し持つ。ボディプレスで車を潰して平然としているほどのタフネス。 ボクサー並みのブロー、空手家並みの蹴り、悪役レスラー並みの奇襲をこなし、ファイターとして隙がない。同じプロレスラーである猪狩完至とはライバル同士。異種格闘技路線を打ち出すなど、自由に強さを追求する猪狩のことを羨ましく思っている。モデルはジャイアント馬場と思われる。

猪狩 完至 (いがり かんじ)

長い顔としゃくれたアゴが特徴的なプロレスラーで、リングネームはアントニオ猪狩。マウント斗羽のライバルで、巨体と天性の華を持つ彼を内心でうらやんでいる。明るく楽しい王道プロレスを標榜するマウント斗羽に勝つため、異種格闘技など過激な路線を打ちだし興行戦争を行った。非道な人物で、勝つためであればあらゆる手段を講じる。 弱々しい振りをした上で、勝ちを譲ってくれと土下座で懇願するなど、リング外での心理戦も超一流。範馬刃牙との戦いにより、格闘技への純粋な情熱を呼び覚まされた。モデルはアントニオ猪木と思われる。

朱沢 江珠 (あけざわ えみ)

範馬刃牙の母親で、巨大な財力と権力を持つ朱沢グループの会長を務める。息子の刃牙に愛を注ぐよりも範馬勇次郎の歓心を得ることを優先する、特異な価値観の持ち主。範馬勇次郎の言いつけに従い、刃牙を強くするべく格闘技の英才教育を施す。元は朱沢グループの総帥・朱沢鋭一の妻だった。 ハネムーン先で開かれたパーティにおいて範馬勇次郎に出逢い、人が傷つくのを見て喜びを覚える性質であることを見抜かれる。その後、朱沢鋭一を自分の眼前で殺害した範馬勇次郎を受け入れた。

夜叉猿 (やしゃざる)

『グラップラー刃牙』に登場するオスの霊長類。代々飛騨の山奥に住む霊長類一族の末裔であり、強さを求める範馬刃牙に挑戦された。全身を覆う筋肉と毛皮により、対人間用の格闘技を受け付けない。野生動物ならではのタフさと凄まじい攻撃力を持っており、武器を持った人間すら圧倒。こうした強さのため、一族は武芸者たちに挑まれることも多かったものの、これを返り討ちにしてきたとされる。 ただ、範馬勇次郎は夜叉猿一族のメスを殺害することに成功した。死者を悼み、祖先を祭る高い知能と精神性を有しており、戦いを通して刃牙と気持ちを通じ合わせる。

安藤 玲一 (あんどう れいいち)

身長2メートルを超える巨漢で、見た目に恐ろしい風貌の持ち主。範馬勇次郎とは古い知り合いで、範馬刃牙とも面識がある。夜叉猿が住む山に山岳監視員として駐留。夜叉猿の恐ろしさを深く知り尽くしている。特訓に訪れた刃牙をあたたかく迎えるが、夜叉猿に挑もうとする刃牙を必死に止めた。 モデルはアンドレ・ザ・ジャイアントと思われる。

ガイア

陸上自衛隊の精鋭部隊、第一空挺団の一員。仲間4人と共に50輌の戦車を破壊してのけた。多重人格者で、普段は気弱な衛生要員・ノムラの人格が表に出ているが、危機に陥るとガイアの人格が覚醒。脳内物質を操り、人間が持つ潜在力を極限まで発揮、地面や水、植物など周囲の環境を武器として戦う。 自衛隊に所属する前は傭兵として活動しており、その際に処刑されかけたことから神がかり的なカンを獲得、相手が動く前に攻撃を察知してしまう。兵士としては範馬勇次郎に並ぶ実力を持つとされる。

松本 梢江 (まつもと こずえ)

女子高校生。範馬刃牙が下宿する家の娘であり、刃牙と同じ高校に通っている。母親が作る食事を差し入れるなど、日常的に刃牙と交流。学校に出てこない上、昼夜特訓を繰り返す刃牙のことを気に掛けている。父親が地下闘技場のファイターだったようだが、詳細は不明。後に地下闘技場に招待され、王者として君臨する刃牙の正体を知った。

徳川 光成 (とくがわ みつなり)

老境の男性。江戸時代に日本を支配した徳川家の末裔で、第十一代頭首。莫大な財力と巨大な権力を持ち、東京ドームの地下に作られた地下闘技場を管理し、世界中から強者をスカウトしてきて戦わせている。本人も無類の格闘技好きであり、表と裏の格闘技事情に精通。体躯こそ小柄だが、余人を寄せ付けない威厳と、形式にこだわらない柔軟な思考力を有する。 強さを求める範馬刃牙が地下闘技場への参加を懇願した際、その実力を認めて快く受け入れた。

ジャック・ハンマー (じゃっくはんまー)

範馬勇次郎がジェーンを陵辱して生ませた息子であり、範馬刃牙にとっては異母兄にあたる。範馬勇次郎を倒して母・ジェーンの無念を晴らすべく地下闘技場へと参戦した。異常な執念と意志力の持ち主。範馬勇次郎に匹敵する強さを手に入れるため、12時間以上も失禁しながらサンドバッグを叩き続けるなど、常軌を逸したトレーニングを自らに課す。 また、今日強くなるためなら明日はいらないという信条の元、命に関わりかねないほど強烈なドーピングを行い、筋骨隆々の肉体を手に入れた。椰子の実を食いちぎるほどの吻合力を活かした噛みつきを得意とする。ドーピングや噛みつきなど、格闘競技におけるタブーを平然と冒す、実戦性を象徴するかのような人物。

ジェーン

ジャック・ハンマーの母親。ジェーンは偽名で、本名はダイアン・ニール。反アメリカを標榜する女傭兵で、ベトナム戦争で戦う範馬勇次郎と行動を共にするが、これは仮の姿。正体は範馬勇次郎を危険視した国連により、彼を殺害するための囮として送り込まれたカナダ軍人。 その任務を範馬勇次郎に見破られた上に陵辱され、獄中でジャック・ハンマーを出産した。

愚地 克巳 (おろち かつみ)

青年男性。愚地独歩の養子であり、彼の後継者と目される神心会の空手家。元々はサーカス団で曲芸を見せていたが、実父がライオンに喰い殺されたことにより愚地独歩に引き取られた。空手界の最終兵器と呼ばれて将来を嘱望されている。正統派の空手技に加え、音速を超える拳・マッハ突きや、相手のみぞおちに足をかけ身体を駆け上がっての蹴りなど、身体能力を活かした高難度技も駆使。 折に触れて自らの才能を誇示し、無理矢理地下闘技場に引き出された夜叉猿の息子をいたぶるなど高慢な人物だったが、烈海王や花山薫との戦いを経て自らの未熟を自覚した。

渋川 剛気 (しぶかわ ごうき)

実戦的な合気柔術の使い手の老人で、その強さと長いキャリアから自他共に認める達人。身長155センチ、体重47キロという少女並みの体格ながら、相手が攻撃した勢いをそのまま返す合気の技により、自分よりも大きな相手を手玉に取る。若い頃は師事していた合気柔術の開祖に本気で戦いを挑むほどに血気盛んだった。 今も好々爺の仮面の下に強さへの執着を隠し持つ。生活の全てが戦いであり、危険に遭わないことが最上の護身術であるという理念を有している。危険な相手と戦おうとすると門や洪水の幻が行く手を阻む「真の護身」に開眼。それでも強さを求めて、敢えて幻の先へ進もうとする気概を持つ。

天内 悠 (あまない ゆう)

青年男性。元は大統領のボディーガードだったが、その才能を見いだした範馬勇次郎によって地下闘技場へと連れてこられた。倒された相手を見て涙する豊かな感受性を有しており、戦いには愛が必要であると公言する。他者の傷みを理解しようともしない範馬勇次郎に反抗、不意打ちながら平手打ちを入れた実力の持ち主。 相手の欲するものとそうでないものを察知する能力があり、これを格闘に応用する。コンクリートの床を踏み抜く脚力や長い手足を使い、空中戦から寝技まで幅広い技を使いこなす。

本部 以蔵 (もとべ いぞう)

実戦柔術・本部流の使い手で、「武を志すものなら一度や二度はその名を耳にする」と言われるほど高名な人物。かつて範馬勇次郎に敗れており、技に磨きを掛けて雪辱の機会をうかがう。ザンバラの髪に、無表情に据わった目という不気味な風貌。格闘技者にも関わらず愛煙家である。愚地独歩とも面識があり、彼同様に生活の全てが戦いであるという信念の持ち主。 範馬刃牙と加藤清澄を見て「オイシイ小僧を2人も喰える」と呟くなど、闘争そのものを楽しんでいる節がある。範馬勇次郎と戦うべく地下闘技場へと参戦した。

柴 千春 (しば ちはる)

暴走族のリーダーで、格闘技の経験がないながらも根性を見込まれて地下闘技場へと参戦した。強くなるための鍛錬を一切行わず、攻撃を受けても立ち上がる精神力のみでそれまでの喧嘩を制してきた。ポケットに手を入れる不良スタイルで柔道家に立ち向かい、折られた腕を自ら破壊して精神的な主導権を握るなど、格闘技の枠内に収まらない戦いを展開。 同じアウトローである花山薫のことを崇拝している。

アイアン・マイケル (あいあんまいける)

黒人の青年男性。現役のボクシング世界ヘビー級王者。ボクシングの最強を証明するため地下闘技場へと参戦した。一試合で1000万ドルを稼ぎ出し、「宇宙一」と賞される優れたボクサー。ボクシングを深く愛すが、そのルールに留まらない戦い方を構想する柔軟な頭脳を持つ。ボクシングは蹴りや投げ技、絞め技を持たないため、作中では不完全な格闘技と見られていたが、闘技場の壁を使うなどの独自の工夫で強敵と戦った。

ズール

黒人の青年男性。一切の言葉を発さず、常に薄笑いを浮かべているかに見える奇怪な人物。格闘技者ではなく、ジャングルに住む狩人。武器を使わない素手の狩猟によって8人の妻と数十人の子供を養っている。テクニックはないが、優れた身体能力と野生の勘で戦いを有利に運ぶ。その行動原理は格闘技者のものではなく、野生の戦いにおけるそれであり、地下闘技場でもルールに従わない。 試合開始前に奇襲をかけるばかりか、ルールでは負かしたはずの相手が自力で歩いているのを見てトドメを刺そうとするなど、ジャングルの中にいるかのような振る舞いを見せる。一度は奇襲によって範馬刃牙を打ち負かした。

アレクサンダー・ガーレン (あれくさんだーがーれん)

壮年のロシア人男性。訓練を積んだわけではなく「ルールを知っているだけ」であるにも関わらず、その身体能力だけで最強のレスラーとして君臨。パワーも人並み外れており、人力だけで永久凍土に巨大な穴を穿っている。祖国ロシアに服従したいと考え、その証として自らの両手に枷をかけるなど、度を超した愛国心の持ち主。

ゲリー・ストライダム (げりーすとらいだむ)

アメリカ海軍の大佐。範馬勇次郎と行動を共にし、彼の常軌を逸した要求を叶えるなど様々な手配を行う。範馬刃牙が範馬勇次郎と戦いたがっていることも承知しており、彼を強くするためにガイアの元へと送り込んだ。ベトナム戦争で海兵隊員を率いて範馬勇次郎に挑み、リスペクトしたことをきっかけに、監視役かつ友人という奇妙な関係を築き上げる。

末堂 厚 (すえどう あつし)

神心会門下の空手家。範馬刃牙の初対戦相手であり、選手権大会の決勝戦で刃牙と対峙した。水の入ったペットボトルを蹴りで両断、ベンチプレスで270キロを持ち上げ、裸足のダッシュで100メートル11秒を切るという実力の持ち主。普段はラフファイトを行うが、激昂すると冷静に試合を進める。 選手権大会を勝ち上がってきた刃牙に対し、かみ合わせを矯正することで身体能力を上げるテンプレートを使うなど油断無く挑むが、手玉に取られてしまう。

集団・組織

神心会 (しんしんかい)

『グラップラー刃牙』に登場する空手団体。愚地独歩により創設された。直接の打撃を認めるフルコンタクトルールや、大会において広く門戸を開き、他流派からの参加を認める姿勢により実戦的な空手団体と見なされている。通常の選手権大会は、手による顔面攻撃は反則となるスポーツ的ルールで行われている模様。ただ、ルール上では反則となる技も、加藤清澄のように愚地独歩が選んだ相手には伝授されているなど、実戦への備えは怠っていない。

場所

地下闘技場 (ちかとうぎじょう)

『グラップラー刃牙』に登場する施設。東京ドームの地下深くにあり、秘密を守れる一部の人間しか入れない。時には、格闘技界の現役選手が、通常ではあり得ない組み合わせで戦うドリームマッチの様相を呈することも。そのルールは「武器の使用以外全てを認める」というもので、非武装でさえあれば格闘技のルール上禁止されている技術を使っても構わない。 徳川光成に実力を認められたものだけが、ファイター(正闘士)として試合に出場する資格を得る。範馬刃牙は、父・範馬勇次郎と戦う実力を身につけるべく、徳川光成の屋敷に乱入して直訴してファイターとなり、一番下のランクから王者へと駆け上がった。中盤以降、徳川光成が世界中から選手を集め、トーナメント形式での大会が開催。 そのリングは地面が八角形に囲われただけの簡素な場所だが、砂の中にはこれまで戦ったファイターのツメや歯が無数に埋まっている。

続編

バキ

『グラップラー刃牙』の続編で本編シリーズ2作目。地上最強を決めるトーナメントに優勝した範馬刃牙。彼や、その周囲の格闘家たちと戦うため、世界中から脱獄した死刑囚たちがやってくる。 関連ページ:バキ

範馬刃牙 (はんまばき)

「グラップラー刃牙」本編シリーズ3作目。地上最強の生物と恐れられる父の範馬勇次郎を目標として強さを磨いてきた範馬刃牙。ついに範馬勇次郎に挑戦状を叩きつけた範馬刃牙は、更に強くなるための修行として、新た... 関連ページ:範馬刃牙

刃牙道 (ばきどう)

「グラップラー刃牙」本編シリーズ4作目。父親・範馬勇次郎との戦いを終えた範馬刃牙。その強さは群を抜いたものとなったが、試合や危険な特訓の最中にあくびが出てしまうなど、目標を見失った状態にあった。しかし... 関連ページ:刃牙道

バキ道 (ばきどう)

板垣恵介の代表作「グラップラー刃牙」本編シリーズの第5作目にあたる作品で、『刃牙道』の続編。優れた格闘家たちが活躍する現代の日本を舞台にしている。数々の激戦を制した範馬刃牙が新たな強敵を求め、相撲界の... 関連ページ:バキ道

関連

ピクル

岩塩層の中から発見されたティラノサウルスと原始人・ピクル。科学の力で蘇生したピクルは、現代人の手に負えない戦闘力を発揮する。連載当時は『範馬刃牙』の外伝として発表され、単行本は10.5巻として刊行され... 関連ページ:ピクル

グラップラー刃牙外伝 (ぐらっぷらーばきがいでん)

板垣恵介の格闘漫画『グラップラー刃牙』の登場人物である2人のプロレスラー・アントニオ猪狩とマウント斗羽の、「ドリームマッチ」と呼ばれた対決を描く番外編。 関連ページ:グラップラー刃牙外伝

バキ特別編 SAGA[性] (ばきとくべつへん さが)

範馬刃牙と松本梢江の初性交を描く。『バキ』第127話「奔走(はしる)」と第131話「毒効完成」の間に入るエピソード。『バキ』は少年誌『週刊少年チャンピオン』で連載中であったが、4話に渡って濃厚な性行為... 関連ページ:バキ特別編 SAGA[性]

バキどもえ

格闘技漫画「バキシリーズ」を題材にしたパロディ漫画。 関連ページ:バキどもえ

バキ外伝 疵面 (ばきがいでん すかーふぇいす)

若くして暴力団の組長を務める花山薫。その周囲には様々な強敵がひしめき、彼のことを狙う。花山は、あるときは敵を腕力で打ち倒し、またあるときはその度量の深さで魅了していく。『グラップラー刃牙』のスピンオフ... 関連ページ:バキ外伝 疵面

バキ外伝 創面 (ばきがいでん きずづら)

板垣恵介の格闘漫画『グラップラー刃牙』の登場人物である、花山薫を主人公としたスピンオフ作品。山内雪奈生による『バキ外伝 疵面』の続編にあたるが、格闘描写中心だった前作とは趣向を変え、薫の日常を描いた学... 関連ページ:バキ外伝 創面

バキ外伝 拳刃 (ばきがいでん けんじん)

板垣恵介の『バキ』に登場する「武神」、愚地独歩を主人公にしたスピンオフ作品。プロレスラーや虎などとの戦いを繰り広げる、若き日の独歩の姿を描く。「月刊チャンピオンRED」2013年8月号~2014年1月... 関連ページ:バキ外伝 拳刃

漫画 ゆうえんち-バキ外伝- (まんが ゆうえんち ばきがいでん)

板垣恵介の代表作「グラップラー刃牙」シリーズのスピンオフで、夢枕獏の小説『小説 ゆうえんち-バキ外伝-』のコミカライズ作品。非凡な能力を誇る格闘家が多数存在する日本を舞台にしている。幼い頃に水野サーカ... 関連ページ:漫画 ゆうえんち-バキ外伝-

バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ (ばきがいでん れつかいおうわいせかいてんせいしてもいっこうにかまわんっっ)

板垣恵介著「バキシリーズ」の登場人物、烈海王を主人公にしたスピンオフ。ただし、板垣恵介黙認というスタンスで、正式には公認されていない。舞台は、ゴブリン、オーガといった怪物や転生した歴史上の偉人が存在す... 関連ページ:バキ外伝 烈海王は異世界転生しても一向にかまわんッッ

書誌情報

グラップラー刃牙 全42巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉

第1巻

(1992-02-21発行、 978-4253053099)

第42巻

(1999-09-16発行、 978-4253056151)

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