愛情とミルクで育つ、美しい”観賞用”の少女を巡るオムニバス・ストーリー。人形のように美しい少女の姿をした生き物「観用少女(プランツ・ドール)」。彼女たちは植物のような性質を持ち、愛情とミルク、砂糖菓子だけで生きていく。とてつもなく高価で、選ばれたものしか所有できない彼女たちだが、人々はその美しさに魅了され、時にその人生をも大きく左右されていくのだった。
本作に登場する人形は、タイトルにもなっている「生きる人形」と呼ばれる存在「プランツ・ドール」。彼女たちはそれぞれが職人の手によって作り上げられ、波長の合う持ち主に出会うまで普通の人形のように眠った姿で店頭に飾られている。彼女たちの育成に必要なのはミルクと所有者の愛情、そして時々、栄養補助のために与えられる砂糖菓子のみ。例外はあるが基本的に言葉を持たず、その姿や美しさも変わることはないが、愛情が不足したり、その姿を保てなくなると植物のように「枯れ」てしまうことがある。購入だけでなく、維持にも高額な費用がかかる人形だが、本作に登場する人々は皆、彼女たちの極上の笑顔とその美しさに魅せられてしまうのだった。
美しい生き人形「薔薇乙女(ローゼンメイデン)」たちの闘いを描いた物語。ある日、引きこもりの少年である桜田ジュンの元に一体のアンティークドールが届く。その人形は人間のように動きだし、自らを「真紅」と名乗った。真紅の「契約者(マスター)」となったジュンは、薔薇乙女たちの闘い「アリスゲーム」へと誘われていく。2004年TVアニメ化。
本作に登場する人形「薔薇乙女(ローゼンメイデン)」たちはアンティークドールのような華やかな衣装に身を包み、皆美しく愛らしい姿をしている。彼女たちを制作したのは伝説の人形師「ローゼン」。全部7体生み出されたドールたちはローゼンが理想とした究極の少女「アリス」となるべく、他のドールたちと闘い合う「アリスゲーム」に参加することを運命づけられている。アリスゲームの目的は、他のドールから命の源「ローザミスティカ」を奪うこと。主人公であるジュンも真紅のネジを巻いたことで彼女のマスターとなり、ドールたちの闘いに巻き込まれていく。
拳法の達人である青年と彼に命を救われた少年、そして謎めいた女性の3人を中心として、壮大な冒険と闘いを描くファンタジーバトル作品。人を笑わせないと生きられない「ゾナハ病」に罹患していた加藤鳴海(かとうなるみ)は、父親の莫大な遺産を相続したことで親族から命を狙われる小学5年生、才賀勝(さいがまさる)と出会う。「しろがね」と呼ばれる謎の女性の助けで窮地を脱した鳴海たちは、やがて「人形」としろがねを巡る壮大な闘いに巻き込まれていく。2018年TVアニメ化。
本作に登場する人形は人々を害する邪悪な意思を持った生きた人形「自動人形(オートマタ)」と、彼らと闘うための武器として「人形遣い」たちが操る「懸糸傀儡(マリオネット)」だ。ある目的のために「ゾナハ病」をばら撒き人間を殺戮する自動人形たち。そんな人形たちに対抗するため、生命の水(アクア・ウィタエ)を飲み高い身体能力と長寿を得た者たちが「しろがね」だ。人間に芸を「見てもらう」必要があるというルールに縛られ、武器を持たない人間相手には全力を出せない自動人形たちと戦うため、しろがねは様々な能力を持った「人形」を操り戦う。本作のヒロインである「しろがね(エレオノール)」も「あるるかん」と呼ばれる人形を自在に操り、次々と現れる強敵たちに立ち向かっていく。
人型のアンドロイド「ドール」と、ドールに関わる人々を描いたSFオムニバス・ストーリー。SG社の制作する人型アンドロイドの「ドール」は、とてつもなく高価で高性能、そして外見も人間と全く見分けがつかない。人に従順で心を持たない、あくまで人形でしかないドールたちに対し、持ち主は様々な感情を抱いていく。
本作は高性能な人型アンドロイド「ドール」を巡る物語だ。一見すると人間となんら変わらない姿をしているドールは、SG社によって造られた機械人形。基本的にワンオーナー制であり役目を終えたドールは回収されることになっているが、違法改造を施して中古販売されることもある。そんなドールと持ち主の関係はさまざま。ある女性は、身の回りの世話をするように父親から与えられたドールに対し傍若無人にふるまっていた。しかし彼女が成長し、政略結婚で築かれた愛のない家庭を振り返った時、いつでも自分を見守ってくれていたのは心を持たないはずのドールだけだと気づく。そんな人間とドールたちの時に温かく、時に残酷な物語が綴られていく。
人が人形になってしまう奇病を巡る、ゴシックホラー&ミステリー作品。死後、人を喰らう凶悪なバケモノ「蠢く人形(ギニョール)」になってしまう奇病が蔓延する世界。そんな「蠢く人形」たちを駆逐するため、多くの民が犠牲になっていた。だがそんな世界で支配者の目をかいくぐり、「蠢く人形」たちから人々を護るある楽団が存在した。
人間が人を襲う怪物「蠢く人形(ギニョール)」になってしまう奇病「ガラティア症候群」が蔓延する世界。ギニョールになった者は生者を襲い、被害者を自分たちと同じギニョールにしてしまう。そしてギニョールの感染率が70%を越えた地域には世界の頂点に君臨するジェムシリカ女王によって「裁きの光」が落とされ、無辜の民ごと滅ぼされてしまうのだ。だが、裁きの光以外にもギニョールを鎮める方法があった。それが主人公であるルチルたち「裏の宮廷楽団」が奏でる音楽と歌である。ルチルは女性と見紛うばかりの美貌の持ち主で、その美声は天使の歌声のごとく美しいもの。そんなルチルが抱える秘密と、彼の仲間たち、そして世界の謎が複雑に絡み合っていく作品だ。