自分の存在に疑問を持つ主人公、根治大和(ねじやまと)が「哲学する」漫画。子どもの頃から「自分」はなぜ「自分」なのかと考えていた根治。だが空腹が満たされるとその疑問は消えてしまっていた。ある日、そんな「なぜ」という思考が動いた時に頭にネジが生えてきた。そして根治は同じようにネジの生えた者たちと「コギト(考えること)」をすることになる。
本作に登場する体にネジのついたキャラは根治をはじめ、春都ルネや万子(まこ)といった「コギト」を体現し、哲学する者たちだ。「コギト」とは哲学者デカルトの有名な言葉「我思う、ゆえに我あり」にあるラテン語の「考える」という単語だ。ルネ曰く「コギトになった人」イコール「ネジ人間」だという。自分の正解が他者から見た時に正解でないこと、思考には終わりがないこと、人間は不完全であるゆえに完全を求めるなど、哲学をわかりやすくコミカルに解説している。人間ばかりでなくネジの出現した思考する「時計」や「ヒトデ」も登場し、哲学するのである。また本作では「答え」の見つけ方の解説に、作者自身の「売れた漫画」と「売れなかった漫画」を例に出すなど、作者、読者といった立場を超越した手法を用いているのも面白い。
怪物の王女とその家臣たちが、生き残りを賭けて戦うバトルホラー漫画。主人公である男子中学生のヒロは、交通事故によって命を落とす。だがそこに現れた「姫」を名乗る少女から血を与えられたことで、ヒロは半不死身の体となって蘇生した。姫は怪物たちの王の娘であり、王位継承権を巡って同じ血を引く兄姉たちと闘う運命にあった。姫に惹かれるヒロは、彼女のため「血の戦士」として戦いに身を投じる。2007年にTVアニメ化。
本作に登場する体にネジのついたキャラは、ヒロインの姫に仕える人造人間、フランドルである。幼い少女のような姿をしているがとてつもない怪力の持ち主で、体重は数トンあるという。「フランケンシュタイン」をモデルとしているようで、電気で稼働する。言葉は「ふが」としか話せないが、主である姫との意思疎通は可能。フランドルと同じような人造人間は他にもおり、それぞれ姫以外の王族に仕えている。姫の妹であるシャーウッド所有のフランシスカや姫の姉、シルヴィア所有のフランセットといった者たちだ。いずれも頭にネジが付いており、主人を守るために戦う。2018年より新シリーズ『怪物王女 ナイトメア』が連載開始されており、こちらにもフランドルを始めとした人造人間が登場している。
時定高校に通う学生たちを中心に描かれる、不条理ギャグ漫画。お調子者でムードメーカーの相生祐子、漫画家を目指す腐女子の長野原みお、一見クールな優等生だがポーカーフェイスでいたずらを仕掛ける水上麻衣。彼女たちと同じクラスの「東雲(しののめ)なの」はごく普通の、だけど背中にネジが付いた女の子。そんな普通じゃない「日常」の物語。2011年TVアニメ化。
本作に登場する体にネジのついたキャラは、背中に大きなネジ巻きの付いた女の子、主人公の東雲なの。なのは一見普通の女子高校生だが、その正体はロボットである。なのを製作したのは東雲研究所の「はかせ」だ。はかせはまだ8歳の女の子だが、天才科学者である。なのは自分がロボットであることがコンプレックスで、はかせにその象徴である「ネジ」を取ってほしいと頼むのだが、はかせは「かわいいから」と言って外してくれない。しかしそんな外見を除けば、ごく普通の優しくて家事が得意な女の子だ。なのははかせに造られた存在だが、発明すること以外は子どもそのままの言動をするはかせの世話に忙しい。ちなみにクラスメイトたちは、なののネジについて見ないふりをしている。
重機と融合した人造人間「ユンボル」の闘いを描いたファンタジー・バトル漫画。伝説の工事集団「バル・クロウ組」の親方であるバル・クロウ。ある日、ワシントンに現れたゲンバー帝国の「世界工事着工宣言」により、世界中が瞬く間に「大解体」されてしまった。大解体に巻き込まれたバル・クロウは、10年後にユンボルとして復活する。
本作に登場する体にネジのついたキャラは、重機と融合した人造人間「ユンボル」として復活した主人公バル・クロウだ。本作は同作者の『重機人間ユンボル』のリメイク作品で、バル・クロウの設定や出自が『重機人間ユンボル』と若干異なるが、10歳ぐらいの少年の姿で頭にネジ(ユンボルホーン)というデザインは踏襲されている。本作でのバル・クロウは、ユンボルになる前は三十代で妻子を持つ男性であった。しかし「大解体」によって瀕死の重傷を負い、妻子と離れ離れに。その後ユンボルとして製造されたクローンにオリジナルの記憶を移植し、10年の時を経て復活した。彼は「大解体」を引き起こしたゲンバー率いるゲンバー帝国に、仲間と共に立ち向かっていく。
人のように動く人形たちの闘いを描いたファンタジー漫画。ある日、引きこもりの少年、桜田ジュンの元に届いた一体のアンティークドール。その人形は人間のように動き、しゃべりだす。彼女は「薔薇乙女(ローゼンメイデン)第5ドール・真紅(しんく)」と名乗った。真紅と契約したジュンは、彼女たちの「アリスゲーム」へと巻き込まれていく。2004年TVアニメ化。
本作に登場する体にネジのついたキャラは、ヒロインである真紅をはじめとした「ローゼンメイデン」と呼ばれるドールたちである。彼女たちは自分のネジを巻いた人間と契約をし、究極の少女である「アリス」を目指すドールの闘い「アリスゲーム」に参加する。主人公のジュンも、真紅のネジを巻いたことでゲームに巻き込まれていく。きっかけはジュンに送られてきた「まきますか まきませんか」と書かれた謎のダイレクトメール。軽い気持ちで「まきます」と選んだジュン。翌日、彼の元に美しい少女のアンティークドール「真紅」が届く。備えつけられたネジを巻くと真紅が目覚め、動きだしたのだった。また続編ではネジを巻かなかった世界のジュンの物語などが展開している。