目覚めると、宇宙船のコックピットに乗っていた主人公が転生したゲーム異世界の宇宙を舞台に戦闘バトルを繰り広げる異世界系SF。会社から帰宅した佐藤孝弘はいつものように食事をすませ、入浴、寝床につくまで大好きなゲームを楽しんでいた。翌朝、あまりの寒さに震えて目覚めた彼がいた場所は、いつものベッドの上ではなかった。そこは、彼が昨夜していたゲームに登場する宇宙船「クリシュナ」のコックピットの中だったのだ。
自分が置かれた状況が全く飲み込めない佐藤は、昨夜何をしたのか必死に記憶をたぐる。「仕事から帰って、食事して入浴して……そうか、ゲームか!」。彼が昨夜プレイしたゲームは「SOL(ステラオンライン)」と呼ばれる非常に自由度の高いSF系ゲームで、広大な宇宙を冒険するもよし、コンテナ船のオーナーになるもよしと、プレイヤーが十人十色に楽しめることを売りにしているゲームだった。その中で「傭兵プレイ」をチョイスしていた佐藤は、傭兵稼業で稼いだ金で愛機「ASX-08クリシュナ」を手に入れていたのだ。佐藤は現状を呑みこめないながらも、キャプテン・ヒロとして生きていくことを決める。
宇宙旅行で惑星キャンプへと旅立った9人少年少女たちが、予想外のハプニングに見舞われ帰還不可能になるSFサバイバルアドベンチャー。地球と他惑星の宇宙間の往来が可能になった西暦2063年。ケアード高校2年のアリエス・スプリングは、惑星マクパへの初めての宇宙旅行に胸を躍らせていた。ムーサニッシュ宇宙港に着いたアリエスは、興奮のあまり周囲への注意が散漫になってしまいひったくりに荷物を取られてしまう。2019年テレビアニメ化。
ピンチに陥ったアリエスだったが、近くに居合わせたカナタ・ホシジマがひったくりを捕まえてくれたおかげで荷物を無事に取り戻すことができた。思わぬハプニングで集合時間に遅れたアリエスだったが、先ほど助けてくれたカナタが同じキャンプに参加することを知り、ますますキャンプが楽しみになる。惑星マクパに到着したアリエスとカナタ他7人のメンバーたちだったが、突如出現した球体に飲み込まれ、宇宙空間へ飛ばされてしまう。学校への通信装置を失いパニック状態になったメンバーたちは、運よく近くにあった見知らぬ宇宙船へと皆必死で避難する。ところが船の通信機器は壊れており、さらに母星から5012光年も離れていることが分かる。リーダーとなったカナタはこの船を「アストラ号」と名づけ、帰還への道を探るのだった。
平凡な中学生の男子生徒が好きになったのは、宇宙人を親に持つ女子中学生だったというSF学園ラブコメ漫画。中学2年生の飯塚和人(かずと)は、雨でずぶ濡れになっている捨て犬を前に、犬をかばう優しい自分がモテる妄想を描いていた。そんな彼の背後から「退いて。罠よ」と大きな声が聞こえてきた。和人が驚いているうちに、声の主の少女は持っていた金属バッドでいきなり犬を撲殺してしまった。2003年テレビアニメ化。
「かまれなくて命拾いしたね」そう言い残して雨の中を颯爽と駆け抜けていった少女に心奪われてしまった和人は、彼女が忘れていった金属バットに記された名前を手掛かりに彼女が隣のクラスの七瀬成恵(ななせなるえ)だと突き止める。和人は金属バットを返す口実で彼女に接近するが、やんわりとした拒絶を受ける。引き下がらない和人に成恵は、自宅に和人を招待する。そこで和人が目にしたのは、無数の宇宙船だった。貧乏性で真意の読めない成恵と、成恵に一途な和人との恋の行方にも注目したい。
宇宙の資源開発によって生まれた「スペースデブリ(宇宙ごみ)」を回収する仕事に就く主人公が向き合う苦悩と葛藤を描いたSFヒューマンドラマ。2074年、星野八郎太(通称ハチマキ)はデブリ回収船DS-12号“TOY BOX”に搭乗し、船外作業を行っていた。ハチマキの同僚であるユーリ・ミハイロコフは不平不満を全く口にしない真面目な男だが、ヒマさえあればボーッと暗黒空間を見る癖があった。2003年テレビアニメ化。
ハチマキには「いつか、自分の船を持つ」という夢があった。彼がこの過酷な仕事に就いているのも、船を買う資金を貯めるためだった。「どうしてここにいるんだ?」とハチマキはユーリによく尋ねたが、彼は何も話そうとしなかった。ある時、ユーリは船長であるフィー・カーマイケルの静止も聞かず、命の危険があるデブリ群に突っ込んだ。だが、彼がそのような行動を取ったのは理由があった。6年前、ユーリと妻が乗っていた高々度旅客機はデブリと衝突し大破した。船尾にいたユーリは助かったが、キャビンにいた妻は未だ行方不明で遺品もない。ハチマキの機転で助かったユーリの手には、死の直前まで妻が持っていたコンパスがしっかりと握られていたのだった。
巨大な母艦に襲われた東京都を舞台に、母艦が浮かんだままの東京での危うい日常を2人の女子高生の視点から描いたSFサスペンスドラマ漫画。3年前の8月31日、東京は宇宙からの侵略者である巨大な空飛ぶ円盤(母艦)からの襲撃を受けた。母艦から繰り出される攻撃で東京は大打撃をこうむり、消滅する危機に陥ったが、アメリカ軍の攻撃で事態は何とか収まった。母艦は渋谷上空に停止した状態ではあるが、時が過ぎるにつれて人々は日々の日常を取り戻しつつあった。
侵略者からの攻撃を受けた東京では、上空に浮かんだ母艦と自衛隊との戦闘が行われることが日常となっていた。そのような状況の中で高校3年生の小山門出(かどで)と妄想癖のある中川凰蘭(おうらん)の2人は、学校帰りにお好み焼きを食べに行ったり、ゲームに熱中したりと、クラスの仲間たちとごく平凡な学校生活を満喫していた。大人たちは、「あの日(8.31)」から何もかもが変わってしまったと言っていたけれど、門出はむしろ、変わらないその日常を少し不満に感じていた。だが、それは今となっては一つの幸せだったのだ。なぜなら、この時の門出には「人類が滅亡してしまうまでのタイムリミット」のカウントダウンが全く聞こえていなかったのだから。