オススメのスピンオフマンガ10選!122 Pt.

今や人気マンガの主流にもなりつつある、スポンオフ作品への展開。今回は現在リリースされているスピンオフ作品の中から、本編に勝るとも劣らない、魅力たっぷりのマンガをお届けしていく!

「ヨシノサツキ」による『ばらかもん』の主人公である書道家「半田清舟」の高校時代を描いたスピンオフ作品『はんだくん』。学生時代の「はんだくん」はクールな佇まいから孤高の男と呼ばれ、また容姿も良く皆の憧れの的としてラブレターを大量にもらうほどに周りから羨望の眼差しで見られていた。しかし、彼自身はその反応を嫌われていると勘違いし、先述のラブレターを果たし状だと思い込んでしまうほどマイナスに捉えていた。そんな彼の意思とは関係なく周りは「はんだくん」を「すごい人」と称賛し、校内での存在は増々大きくなっていくばかりとなった、一人の青年の日々が愉快に描かれているギャグマンガである。親友である「川藤」以外は『はんだくん』固有の登場キャラであるが、作中には『ばらかもん』への伏線と思える表現が時折出てくるので、ぜひ両作品を読み比べてみてほしい。

「TYPE-MOON」のPCゲーム『Fate/stay night』に始まり、数多くのメディアミックス作品を生み出してきた『Fate』シリーズのスピンオフ作品の1つ。同シリーズの特徴でもあるアクション要素は一切なく、『Fate/stay night』の主人公「衛宮士郎」が家庭料理を通じて家族や友人たちと交流を深めていく、ほのぼのとした料理マンガとして人気を博し、2018年からはWEBコンテンツを中心にアニメ化も果たしている。『Fate』シリーズといえば、現在だとスマホ向けゲーム『Fate/Grand Order』を楽しんでいる人も少なくないと思うが、『衛宮さんちの今日のごはん』には同ゲームの先駆けである『Fate/stay night』のキャラが中心であることに加え、ゲーム中に登場するサーヴァントの根源となったキャラも多数登場している。世界観の広さが魅力的な『Fate』シリーズを堪能する中で、少し脳を休める意味も込め「士郎」のほのぼのした日々を垣間見てみてはいかがだろうか。

かつて廃校寸前だった「龍山高校」は、弁護士「桜木建二」によって東京大学合格者を生み出し、一気に進学校に変貌を遂げた。活気づく学園の中で、英語担当教師「井野真々子」は教師という職業から心が離れかけおり、「桜木」の主催するビジネスセミナーに顔を出すことを決意。その会場で「桜木」や転職代理人「海老沢康生」らの話を聞き、考えた末に教師を続けることを決心した「井野」だったが、その決意を伝えに「海老沢」を訪ねると、彼が所属する転職サポート会社「ライフパートナーズ」への転職を勧められた。転職希望者達をサポートするキャリアパートナーとして歩み始めた一人の女性を中心に、常識を覆すハウツーを盛り込んだ転職指南コミック『エンゼルバンク　ドラゴン桜外伝』。かつて、マンガでありながら書店の参考書棚に陳列されていた実績を誇る『ドラゴン桜』のスピンオフ作品ーー。本作もジャンルの垣根を超えビジネス書の隣に顔を並べる、異色のヒット作品である。

重度のオタクである夫は妻の妊娠発覚以来、「お腹の中に誰かがいる」ということが気にかかり、妻が安定期に入った後も性交渉ができずにいた。そんなヘタレの夫に不満気味の妻は、初詣にかこつけてラブホテルに入ろうとしたり、非オタクでありながら、彼をその気にさせるために縞パンをはいてみたり、はては夫がエロゲーをプレイしている最中を狙ってみたりと、あの手この手でエッチに持ち込もうとする、ちょっと大人な新婚生活を描いた日常マンガ『 Spotted Flower』。作中では明言されていないが、主人公夫婦をはじめとする主要キャラクターの外見や性格などが、作者「木尾士目」の代表作である『げんしけん』『げんしけん 二代目』の登場人物に酷似しており、両作のパラレルワールドというべき内容になっている、原作ファン必見の内容で展開されているぞ。

ある日、財閥「帝愛グループ」の総帥である「兵藤和尊」が「生身の人間が命がけで競うゲームを見たい」と言い出す。「兵藤」の命を受けた「利根川幸雄」が、この難題を実現に導くために黒服たちを招集してプロジェクトを始動することに。手始めにチーム内で自己紹介させると、似たような名前が多く、しかもなぜか全員の趣味がボウリング。そんなまか不思議な状況のもとで、部下のことを指導・統率しなければならない立場の「利根川」が激昂しつつ中間管理職として前途多難な日々をおくっていく姿を描いた『中間管理録トネガワ』。本作は作者「福本伸行」の代表作の1つ『賭博黙示録カイジ』の登場人物である「利根川幸雄」にスポットを当てたスピンオフ作品であるが、本編で描かれていた殺伐とした描写は一切ないパロディマンガとなっている。厳しい縦社会を舞台はそのままに、いかにあの世界観を崩してギャグに持っていくのか、原作ファンにとってもそうでない人にとっても見どころ十分の一作となっている。

1958年、高度経済成長の傍ら、裏社会で一つの伝説が始まろうとしていた。命懸けのギャンブルを生き残り、雨降る中、場末の雀荘・みどりに迷い込んだ主人公「赤木しげる」。そこでは借金返済を賭けた麻雀を打つ男「南郷」と、その相手ヤクザの「竜崎」と部下達が麻雀で対局をしていた。「赤木」にギャンブルの才気を見出した「南郷」は、自身の代わりに借金返済を賭けた麻雀を打ってほしいと頼み、「赤木」はそれを承諾。初めて打つ麻雀の中で自身の資質を開花させていく。その後、「赤木」は真の勝負が出来る場を求め、裏社会で伝説を築き上げていく姿を描いた麻雀マンガ『アカギ　闇に降り立った天才』。本作は麻雀マンガ全体を代表する作品のひとつでもあるため実は知らないという方も多いかもしれないが、同作家による作品『天 天和通りの快男児』に登場する最強のギャンブラー「赤木」の少年時代を描いたスピンオフ作品である。ただこちらの2作品による連動性はあまりないので、本作単体で才気、直感、運気、精神力、ギャンブルに必要な素養を全て持っている若者が、裏社会のギャンブラー達と麻雀で対局し、伝説を築き上げていく姿を楽しむことができるだろう。

社会問題が深刻化しつつある現代の日本が舞台。その裏で、問題を悪化させるかのように、悪霊による人間の豹変や悲惨な事故が多発していた。その心霊が絡む事件を裏から密かに解決し、日本を悪霊から守る能力者が人知れず存在・霊媒師の少女「葉月いずな」は特に事件が集中しつつある都会の地で、高額の報酬と引き換えに悪霊に悩まされる人々を今日も救い続けていく。これが、「真倉翔」「岡野剛」のコンビが手掛ける、『地獄先生ぬ～べ～』のスピンオフ作品『霊媒師いずな』だ。言わずと知れた同作品のレギュラーキャラクターであった女子高生霊媒師の「葉月いずな」が主人公で、心霊現象に悩む人々を救ったり、悪しき妖怪たちと対決する姿は、子どもだけでなく大人も楽しめる濃い内容になっており、また全10巻という丁度良いボリュームも好印象の作品である。