多額の借金を抱えた弱小プロダクションに「私を雇って欲しい」と願い出た謎のヒロインがテレビ界のトップを目指す、その怒涛渦巻く闘いを描いたダークヒューマンストーリー。芸能プロダクション社長の鯨岡平助は、かつては多くのタレントやアイドルを抱えていた切れ者だったが、今は借金に追われ闇金のヤクザから脅される日々を送っていた。そんな平助の前に「債務の問題でお困りなら相談に乗りますが」と一人の美女が現れる。
平助の前に現れた美女の名は天宮詩織(しお)。地方のFM局でアナウンサーをしていた彼女は「私はどうしても中央のテレビ局でアナウンサーをしたい。そのために職場を退職してきた。私をテレビ界に売り込んで欲しい」と平助に申し出る。テレビ界の頂点を狙う野心家の詩織は、そのために平助の借金を全て肩代わりするどころか、事務所ごと買い上げるという提案をしてくる。こうして平助のプロダクションの新しいオーナーとなった詩織は、手始めにテレビ局での仕事を1週間以内に取ってくるように彼に命じ、ニュース番組「丸トク・モーニング」のお天気お姉さんオーディションのチャンスを得る。そこで詩織は、ライバルを蹴落としてお天気お姉さんに採用されるためにとんでもない行動に出るのだった。テレビ局の闇を描き、最終回が波紋を呼んだ問題作。
全国の放送局ほとんどの面接に落ちてしまった女子アナ志望の主人公が、最後に受けた局の「鉄道テレビ」に就職したことから始まる鉄オタたちとの交流を描いた鉄オタ×女子アナヒューマンドラマ。女子アナを夢見る二郷(にごう)あずさは民放キー局を次々と受けまくるも、30社全て不採用になってしまう。これが最後だと覚悟して受けた「鉄道テレビ」に赴くと、面接すらなく採用される。実は局長があずさの容貌を気に入り、若い「鉄子」を養成するために採用したのだった。2014年テレビドラマ化。
鉄道テレビに就職できたあずさは、映像ディレクターの神宮前(じんぐうまえ)から「君には若い子を開拓するための鉄子になって欲しい」と言われるのだが、彼女は、鉄道オタクの女子のことを「鉄子」と呼ぶことすら知らない全くの鉄オンチだった。その上、最初の仕事であるインタビューのテーマの「あけぼの」についても、寝台列車の「あけぼの」を格闘家の「曙」と勘違いする始末だった。だが、「あけぼの」の引退について「自分の青春が終わってしまうような気がする」と呟く神宮前に少し共感を覚え、元祖鉄オタ女子の南田裕子にインタビューするため青森へと出発する。「思い出の列車は引退しても、語り継がれることで心の線路を走り続けていく」。そんな鉄オタの思いと鉄道の魅力にあふれた、鉄オタ以外の人にもぜひ読んでもらいたい逸品。
幼い頃に助けてもらった女性に憧れてアナウンサーになった主人公が、ドジでおっちょこちょいながらも多彩な友人関係を武器に成長していく姿を描いたお色気系コメディ青年漫画。余りに胸が大きすぎることがコンプレックスの美山幸子(みやまこうこ)は胸を隠すためのきつめの下着を着けることに手間取り、アナウンサー採用試験最終面接に遅れてしまう。ギリギリのところで滑り込んだ幸子だったが、走りすぎて意識は朦朧、とてもじゃないが面接を受けられる状態ではなかった。
面接に遅れた理由を聞かれた幸子だったが、自分の胸を押し込めるためとは言えずに口ごもってしまい「アナウンサーは喋るのが仕事なのに大丈夫なのか」と面接官から呆れられてしまう。そんな中、一人の女性面接官が幸子に「貴女はどうしてアナウンサーになりたいと思ったの」と質問する。彼女こそが、幸子がアナウンサーを目指すきっかけとなった緒方真樹だった。幸子は幼い頃に友人を事故で亡くした折に、過剰なインタビューを受けて困っていたところを真樹に救われたのだった。面接後の帰り際、真樹は幸子に「よりによって最終面接に遅れるなんて」と説教をされて落ち込む。その上、局内で迷ってしまい途方に暮れる幸子。ところが、最悪の失敗をした幸子に最高の起死回生のチャンスが訪れる。
東京の民放キー局の女子アナとして充実した日々を送っていた主人公が、大好きな人の死や仕事上の変化がきっかけで自分の生き方に自信を失い、新たに模索し始めるヒューマンストーリー。キャリア7年の女子アナである入江みどりは、後輩がプロ野球MVP選手と結婚してキャリアを捨てるのを見ても「仕事を手放すなんてありえない」と内心で叫ぶ、何を差し置いても仕事を優先するバリバリのプロフェッショナル。そんなみどりに母親から訃報の連絡が入る。
母親から聞かされたのは「崇さんが息をひきとった」。病気療養中だった伯父の山田崇の訃報だった。児童文学作家だった崇は姪のみどりを溺愛し、代表作品の主人公はみどりをモデルに書いていたほどだった。幼い頃「私はどんな大人になるの」と崇に疑問を投げかけていたみどりは「私はどんな大人になるのだろう」と自分の生き方に迷いを感じ始める。そんな中、みどりは部長から呼び出され、看板番組の降板を告げられる。自信喪失に陥ったみどりは崇の妻である伯母の京子の家を訪ねるが、彼女は外国に旅立っており、代わりに同じ名前の「みどり」という見知らぬ若い女性が家を守っていた。アラサー女性の抱く様々な葛藤を作家独自の視点で描いたハートフルストーリー。
入社試験の際に散々なおバカぶりを発揮しながらも地元のテレビ局に採用されてしまった主人公が、配属先で様々な騒動を巻き起こす天然おバカ系報道ギャグコメディ漫画。北海道恵庭市出身の雪丸花子はテレビ局に内定し「うちの町内からテレビの人が出たとは嬉しい」とご近所の人々の注目を浴びていた。翌年「北海道☆テレビ」の新入社員として報道部に配属された花子だが、彼女は未だ自分が女性として初の「バカ枠」として採用されたことを知らずにいた。2019年テレビドラマ化。
実は、社内会議で花子は「これは不採用だ」とも言われていたのだが、「バカ枠」ならどうか、という話になり、社長の「なら、採用してもいいんじゃないの」の一声で入社が決まったのだ。そんな裏話があったことなど、当の花子は知る由もなく、「今日から報道記者として活躍できる」と気合いの入った華やかなスーツで意気揚々と出社する。一方、花子と同期入社した山根一は入社試験での花子のおバカぶりを知っているため「どうして同じ報道部なのか」と困惑していた。初日早々、花子は担当のキャップと共に現場に出る。川の増水現場での中継だったが、キャップが怪我をしてしまい、急遽ド新人の花子が中継を担当することになる。流されている猿を人と間違えるなど、ポカの連続で中継は空中分解するも、その日の視聴率は予想外な結果となった。