北の大地「北海道」。土地の広さに比例してか数多くのマンガ家を輩出している。その中から厳選して7人をご紹介。
マンガ作品にはその作者の出身地、土地柄が現れるものも数多い。出身地別にマンガ家をご紹介する。
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北の大地「北海道」。土地の広さに比例してか数多くのマンガ家を輩出している。その中から厳選して7人をご紹介。
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『鋼の錬金術師』『銀の匙 Silver Spoon』『アルスラーン戦記』などの数多くの人気作を発表している「荒川弘」は北海道中川郡幕別町出身。「北海道帯広農業高等学校」卒業後に家業の酪農と畑作業を手伝う一方で、ゲーム攻略誌のイラストや4コママンガを手がけていた。1999年に「エニックス21世紀マンガ大賞」を受賞しデビュー、初連載の『鋼の錬金術師』が大ヒットし、その後の活躍はもうご存知であろう。そんな彼女の作品の中で、北海道色が濃く出ているのが農業エッセイ『百姓貴族』である。マンガ家になる前は7年間農業に従事していただけあり、その内容のリアルさはさすが。酪農や畑作業のあるあるに加え、農家の生活、農家の結婚式などの農家あるあるがわんさか出てくる。きっと同じ農家の人なら「あ!! わかる!!」と頷く事であろう。農業をよく知らない人も読んで笑える内容となっていて、「農家の常識は社会の非常識」などの農家名言も飛び出し、改めて「食」についても考えさせられる作品である。
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「三部けい」「瓦敬助」名義でも作品を発表している彼は北海道苫小牧市出身。ゲーム雑誌でデビューし、ホラー作家「山田悠介」原作の『パズル』、『魍魎の揺りかご』『鬼燈の島-ホオズキノシマ-』などホラー色の強い作品などを発表している。その中でも「三部けい」名義の作品、『僕だけがいない街』はご存知の方も多いだろう。「マンガ大賞2014」で2位を受賞し累計400万部を突破の大ヒット、2016年にはアニメ化、実写映画化もされた作品である。主人公「藤沼悟」は売れないマンガ家で、「再上映(リバイバル)」と呼ばれる事件や事故をきっかけに、時間が巻き戻る能力を持っていた。2006年、「悟」の母「美和子」が何者かに殺され、その事をきっかけに彼は18年前の1988年に戻っていた。小学5年の「悟」はクラスメイトが巻き込まれた連続小学生誘拐殺害事件の直前にタイムリープしたのだった。母を殺した犯人、そして18年前の誘拐殺人事件の犯人……、両方の事件の犯人を追い詰めるために「悟」は時間の狭間を行き来するのだった。この「悟」の小学生時代の舞台が作者「三部けい」の出身地の苫小牧市である。街を覆う白い雪、その向こうにいる犯人は誰なのか!? 物語の結末が気になってしかたない作品である。
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北海道滝川市出身で、1991年『別冊マーガレット』でマンガ家デビューした「河原和音」。その後も、『別冊マーガレット』一筋で執筆し続けている彼女の作品には実写映画化されたものが多く、2017年秋に「生田斗真」「広瀬すず」主演で映画化が決定している『先生!』、2011年に映画化された『高校デビュー』、そして原作者として携わった大ヒット作『俺物語!!』などがある。その中で2016年に実写映画化された『青空エール』は北海道が舞台である。「白翔高校」に入学した「小野つばさ」の夢は吹奏楽の甲子園と呼ばれる「普門館」への出場。しかしトランペット初心者の「つばさ」は、レベルの高い練習について行けず何度も挫折しそうになる。クラスメイトの野球部員「山田大介」の夢はもちろん甲子園出場。「大介」は「つばさ」を励まし、お互いの夢に向かって約束を交わす。そんな「大介」に「つばさ」はほのかな恋心を抱く。2人の夢、そして恋はどの様な結末を迎えるのか⁉ とっても甘酸っぱく爽やかで恋したくなる作品である。このマンガに登場する「白翔高校」は「札幌白石高等学校」がモデルになっており、こちらの高校は実際に吹奏楽の強豪校で全国に名が知られている名門で、実際の演奏を聴いてみたくなること間違いなしだ。
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1980年にマンガ家デビューした「ゆうきまさみ」。当時はサラリーマンと二足のワラジを履いていたが、退職後は主に『週間少年サンデー』で活躍。アンドロイドが活躍する『究極超人あ〜る』やアニメ化、映画化もされた近未来の東京が舞台の『機動警察パトレイバー』などが有名である。そんな「ゆうきまさみ」は北海道札幌市生まれで、中学から高校までを虻田郡倶知安町で過ごした。彼の作品で非常に北海道色が強い作品が『じゃじゃ馬グルーミン★UP!』である。東京都内の有名進学校に通っていた「久世駿平」が、春休みを利用して北海道にバイク旅行に出かけ、思いもよらぬきっかけから競走馬生産牧場の「渡会牧場」と関わることになる。馬と触れ合う内に競走馬育成に魅せられた「駿平」は高校を退学し正式に牧場で働く事になる。ダービー馬を育てる事を目標として働く「駿平」が仕事の楽しさ、そして厳しさを知り成長していく姿が描かれている。この物語の舞台は北海道静内郡静内町(現:新ひだか町)であり、実際にサラブレッドの育成牧場が数多く集まる土地である。雄大な北海道の自然を感じながら作品を読んでみてはいかがだろうか? 「駿平」の様に北海道に旅立ちたくなるかも知れない。
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柔らかなタッチの作品が印象的な「高橋しん」。1990年に『ビッグコミックスピリッツ』でデビュー。同誌で長期連載された『いいひと。』は、このマンガを原案にした実写化ドラマが放映され、平均視聴率20%を超えるヒット作品となった。現在は駅伝を題材とした『かなたかける』を連載中である。北海道士別市出身の「高橋しん」の北海道を舞台にした作品といえば『最終兵器彼女』。北海道のある街で暮らす「シュウジ」と「ちせ」。「ちせ」はずっと好きだった「シュウジ」に告白し、ぎこちないながらもゆっくりと付き合い始める。そんな静かな幸せが、ある日街が「敵」に襲撃されたことで崩れてしまった。「シュウジ」が目にしたもの、それは腕が巨大な武器になり、背中に鋼鉄の羽根を生やして戦う「ちせ」で、「最終兵器」になった自分の彼女の姿であった。戦争が激しくなるにつれ、「ちせ」の力が暴走し「シュウジ」が好きだった「ちせ」ではなくなっていく。世界も、「ちせ」も壊れていく……。「シュウジ」が下した決断は!? 「この星で一番最後のラブストーリー。」のキャッチコピーがついたこの作品の結末は……!? 「シュウジ」たちが暮らす街は北海道小樽市がモデルとなっており、最終的に2人が暮らしていた建物はJR士別駅がモデルとされている。他にも札幌の風景など随所に北海道が散りばめられている。この作品はマンガ、アニメ、映画で全て結末が違うのでぜひ全て見比べてみてほしい。
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『動物のお医者さん』『おたんこナース』などの数々のヒット作品を生み出した「佐々木倫子」は北海道旭川市出身。1980年にマンガ家デビューし白泉社系列の雑誌で活躍、その後小学館の青年誌をメインに活躍している。『動物のお医者さん』もかなり北海道色が強い作品で有名だが、もう1つ北海道色が強い作品が『チャンネルはそのまま!』である。「北海道☆テレビ(HHTV)」に採用された主人公の「雪丸花子」。彼女は謎の採用枠「バカ枠」としての採用であり、報道部に配属される。「バカ枠」で採用されただけあって「雪子」はいろいろな騒動を起こし、その度に周囲が巻き込まれ迷惑を被る羽目に。しかし、「雪子」の人柄もあってか思いもよらない手柄を立てることもある。ライバル局の「ひぐまテレビ」の妨害にも負けず、「北海道☆テレビ」のメンバーたちは日々奮闘しているのだ。この「北海道☆テレビ」のモデルとなっているのが、北海道札幌市の「北海道テレビ放送(HTB)」である。もちろん実際のテレビ局には「雪子」のようなとんでもない記者はいないのでご安心を。私たちが見ているテレビの裏側で起きているドタバタな様子を垣間見れるこの作品、「雪子」の巻き起こすハプニングを視聴者目線で楽しんでみてはいかがだろうか?
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「藤田和日郎」は1988年にマンガ家デビュー。主に『週間少年サンデー』で執筆しており、代表作に数奇な運命を送る3人の主人公の物語『からくりサーカス』、おとぎ話を題材とした『月光条例』、そして現在、謎の幽霊屋敷で繰り広げられる物語『双亡亭壊すべし』を連載中である。そんな「藤田和日郎」の初連載、初テレビアニメ化された作品が『うしおととら』である。主人公「蒼月潮」はある日、槍に封じ込められていた大妖怪「とら」を開放してしまう。「とら」が500年間封印されていた槍は、2000年以上前に妖怪を倒す為だけに作られた伝説の「獣の槍」だった。大妖怪の再封印と槍の奪回のために刺客を送られる「潮」。その追っ手から逃れるため、さらに亡くなったはずの母が生きていることを知り、そこに隠された秘密を探るために「潮」は「とら」と共に敵と戦いながら北海道の「カムイコタン」を目指すのだった。「カムイコタン」とはアイヌ語で「カムイ(高い位の霊的存在)の住む場所」を意味する。神聖な場所、地形が険しく近寄りがたい場所に存在する地名であり、北海道に7ヶ所存在している。その中の1つが「藤田和日郎」の出身地の北海道旭川市に「神居古潭」として存在する。一体どのような場所なのかとても気になる。「潮」と「とら」は無事聖なる場所、「カムイコタン」にたどり着けるのであろうか!? 北の大地に想いを馳せながら読んで欲しい。
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