道を究めた「ミスター」が登場!オススメ漫画5選28 Pt.

日本で「ミスター」という呼称を冠した人物としては、プロ野球選手の「ミスタージャイアンツ」こと長嶋茂雄や、「ミスタープロレス」といわれた天龍源一郎などが挙げられる。いずれも業界を代表する男性としてふさわしい人物だ。では、漫画作品に登場する「ミスター」たちはどうか?その名に相応しいキャラクターが登場する作品を集めた。

作成日時:2019-02-22 10:00 執筆者:マンガペディア公式

道を究めた「ミスター」が登場!オススメ漫画5選

出典:小学館


『MISTER ジパング』

『MISTER ジパング』

出典:小学館

戦国時代を舞台に、少年・日吉が出会いを通して成長してくパラレルファンタジー漫画。物語が始まるのは、織田信長が「うつけ」と呼ばれていた1548年(天文17年)。信長はもちろん、後に徳川家康となる竹千代や、明智光秀など、歴史上の人物が数多く登場する。とはいえ、パラレルワールドという設定なので、全てが正史に沿っているわけではない。さらに後半は、歴史改変を目論む組織が登場し、SF要素が強くなる。

武将たちが覇権を競った戦国時代、天下をまとめるに至った「ミスター」を挙げるとするならば、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康の3人だろう。それぞれ傾向の違う3人の武将を題材にした作品は多いが、本作では、主人公・日吉と共に成長する存在として、信長と家康が登場する。中でも、信長の登場シーンのインパクトは格別。自身の結婚相手となる斎藤道三の娘・美濃の帰蝶姫の容姿を確認するためだけに城に忍び込もうと画策するなど、「うつけ」のあだ名に相応しい無茶苦茶ぶりを見せる。力こそが正義という戦国時代においては弱者であった日吉にとって、全てを自身の力で切り開いていく信長は、眩しい存在として映ったに違いない。今日の日本を作った「ミスタージパング(日本)」の1人である信長の若さあふれる勢いや苦悩を、日吉と共に堪能してほしい。


『Mr.Clice』

『Mr.Clice』

出典:集英社

凄腕の男性エージェントが、女性の身体に脳を移植され、女性スパイとして任務を遂行していくギャグアクション。超A級スパイとして活躍していた繰巣陣(くりすじん)は、上司に認められ早く元の身体に戻してもらおうと、次々と任務に挑む。国のエージェントとして海外で発生した事件に関わるといった大きな事件を扱うこともあるが、ご近所で発生する些細な事件を扱うこともしばしばだ。作者・秋本治が大の兵器ファンであることもあり、登場する銃器の描写が詳しいのも特徴的。

主人公は、優秀なスパイ・Mr.繰巣(Clice)。任務中に瀕死の重傷を負ったことから死んだと思われた彼の第2の人生は、女性の身体で目覚めるという思いがけない形で始まる。新しい身体の元の持ち主は、テニスプレイヤーだった。黒髪ロングでスタイル抜群の美女で、運動能力に優れ、視力も良いため、エージェントの任務をこなすにはなかなか都合が良い。とはいえ、当の本人は、鏡に写る女性姿の自分を見て驚くなど、自分の身体が女性になってしまったことを忘れがち。かつての仕事仲間に繰巣だと信じてもらえなかったり、周囲にからかわれたりと、ストレスが溜まるばかりだ。しかし、さすがは凄腕。身のこなしや銃器の扱いがスムーズなのはもちろん、女性姿だからこそ敵を油断させたり、色仕掛けをしてみたりと、新しい身体に順応していく。女性の身体で、男らしい豪快さを見せるクリスのアクションシーンは必見だ。


『MR.MORNING』

『MR.MORNING』

出典:一迅社

特殊な動力で走る機関車で働く主人公の成長を描いたファンタジー作品。田舎からやってきた少年・トーキィ・トーイは、「虹石」と「光水」で走る虹石機関車で働き始める。機関部の他、3つの車両から構成される虹石機関車。彼が配属されたのは、高級感あふれるイブニングや一般車両のアフタヌーンではなく、格安な分、狭くてうるさいモーニングだ。電気エネルギーに押され、姿を消しつつある虹石機関車を舞台に、無邪気で元気なトーイは、上司や同僚と働くうちに少しずつ成長していく。2011年より続編『MR.APPLICANT』が不定期連載。

タイトルにある「モーニング」とは、富裕層や中間層向けの高級車両には手が出せない庶民が利用する虹石機関車の車両名だ。「ミスター」とは、本作の主人公で、モーニングで働くことになるトーイを指すと言えるだろう。しかし、過去の遺物になりつつも人々に愛され続ける虹色機関車のモーニング車両もまたもう1人の主人公と言えるかもしれない。そこでは、雑多な人々が多く利用しているからこそ、様々な事件や人間ドラマが生まれる。トーイを取り巻くのは、厳格だが機関車愛はピカイチな教育係のミゲール・ワイズマンや、いつも明るい同僚のギルに加え、イブニングやアフタヌーンの乗員たちなど個性豊かな面々。乗客たちとの出会いや別れをを繰り返すうちに、トーイは少しずつ成長していく。


『ミスター味っ子』

『ミスター味っ子』

出典:講談社

主人公・味吉陽一が、多くの料理人たちと腕を競う料理バトル漫画。定食屋を切り盛りする小柄な陽一は、物語開始当初14歳。天才料理少年で、ジャンルを問わず、様々な料理を作ることができる。料理を食べた時の登場人物のリアクションが大きいのが特徴的で、多くのグルメ漫画やアニメに影響を与えた。料理バトル漫画の元祖ともいえる作品だ。1987年にテレビアニメ化。2003年には、陽一の息子を主人公とした『ミスター味っ子Ⅱ』、2015年からは、中学生の陽一が幕末にタイムスリップしてしまう外伝『ミスター味っ子幕末編』が連載された。

自身の腕に絶対的な自信を持つ料理少年・陽一は、まさしく「ミスター」を冠するにふさわしい天才だが、特に優れた味覚や嗅覚があるわけではない。彼の実家は、安くて美味いが信条の大衆食堂。そのため、陽一が作る料理も、一見すると庶民的なものが多い。しかし、どの料理も驚くような工夫が凝らされているところが一線を画す。作中に登場する、陽一が調理の過程を解説する描写を読めば、レシピはもちろん、彼がいかに工夫しながら料理をしているかがよく分かるだろう。とはいえ、まだ若い陽一。自身の料理の工夫を一目で見抜いた料理界の重鎮、「味皇」こと村田源二郎に認められた後、布団に入って1人にやける姿には相応の子どもらしさが見え、ほっこりとする。


『中間戦士Mr.中』

『中間戦士Mr.中』

出典:KADOKAWA

戦士・ミスター中(ちゅん)が登場するショートギャグ漫画。0か1か、はたまたONかOFFか、二択ばかりを強いられるデジタル社会。そこに現れたのが、何事にも中間を推奨してくるミスター中。彼は、どこからやってくるのか、はたまたその目的は何なのか?素顔などパーソナルな情報は何一つ分からない中、中途半端を愛するミスター中が、ストレスフルな現代社会に癒しを届ける。

ミスター中は、年齢の若そうな男性で、色付きの眼鏡にピンクのマフラー、青っぽいつなぎ風の衣装をまとっている。一見すると、正義のヒーロー風だが、「中」と書かれたベルトとマスクのせいか、とてもうさん臭い。正体も目的も分からないが、とにかく猛烈に中間を推奨してくる。たとえば、微妙な年齢の高齢者を前に、席を譲るか否かで葛藤する女性のエピソードでは、困っているかもしれないし、逆に失礼かもしれないと考え続け、答えが出る前に相手が電車を降りてしまう。よくある”あるある”話しだが、「誰かに決めてほしい」「いっそ席を譲ってと言ってくれ」と思う女性に、ミスター中が示したのは、「中腰になれ」と言うまさかの第三の選択肢だった。とはいえ、悩み抜いた末に得た中途半端なアドバイスで、少しは肩の力が抜けるかも?!ミスター中は、心の平和を守る戦士……なのかもしれない。


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