黒魔術の使い手である魔女が巻き起こす奇怪な事件の数々を描いたホラー漫画。主人公の黒井ミサは中学生の少女。とても美しいが、どこか暗い雰囲気を纏っている。実は彼女の正体は魔女で、ありとあらゆる黒魔術を使うことができた。ミサは黒魔術を使って、自分に関わった人間たちのことごとくを不幸に導いていく。美しくも恐ろしいダークヒロインの活躍が始まる。1995年にはじめて実写映画化され、1997年8月にはテレビドラマ化された。
「エコエコアザラク」とはイギリスのオカルティスト、ジェラルド・ガードナーが書いた小説に登場する歌。本作では、黒魔術を使って人を殺めるなどしたミサの去り際に「エコエコアザラク」が呪いの言葉として木霊する。ミサの恐ろしいところは、黒魔術を使って人を殺すことに対して躊躇いのないところ、その対象が善人も悪人でも関係ないというところだ。どこにでもいそうな少女が、関わった人間を惨殺していく様子は、読者を身震いさせる。物語開始当初は怪異を起こし、人を殺害する加害者として描かれていたミサ。しかし、後半になると被害者として怪事件に巻き込まれることも多くなる。彼女が魔女としてどんな黒魔術で怪異を巻き起こし、またどのように怪事件を解決するのかに注目だ。
戦嫌いの魔女マリアが活躍する様子を描いたファンタジー漫画。物語の舞台となるのは中世・百年戦争中のフランス。戦が大嫌いな魔女のマリアは、戦況を混乱させ戦いをうやむやにしようと、強大な魔力を使って夜な夜な使い魔のサキュバスを戦場に送り込んでいた。それに気づいた大天使ミカエルは、行き過ぎたマリアの行動への制裁として、彼女にある枷をはめる。それは「純潔(処女)を失うと魔女の力も失う」というものだった。2015年1月にテレビアニメ化された。
中世ヨーロッパの世界で、フランス王国とイングランド王国は長い戦いを続けていた。百年戦争だ。それを良く思わないのが、最強の魔女でありながら聖女の名を持つ純潔の少女マリア。彼女は魔力を使って戦場を引っ掻き回すが、その行動が大天使ミカエルの不興を買ってしまう。マリアはミカエルに呪いをかけられた。それは、世の中の平和と自分の幸せを天秤にかけなくてはならない枷だ。戦争を止めようと行動を続けるのであれば、たとえ愛する人ができてもその人と結ばれることはできない。愛する人と結ばれることを望むのであれば、戦争に介入できる強大な魔力は失われてしまう。葛藤を抱えながら、マリアは愚かな人間たちが繰り広げる戦争と冷酷な天に真っ向から立ち向かっていく。
悪しき魔女を追う野獣と魔術士の旅を描いたピカレスク・ファンタジー漫画。主人公のギドは、長い髪を持つちょっと目付きの悪い少女。しかしそれはとある魔女の呪いで変えられた姿で、本来の姿とは全くの別物である。ギドは自分に呪いをかけた魔女を強く憎んでおり、彼女に復讐するためにその行方を追っていた。そんなギドと共に魔女を探して世界各地を旅しているもう1人の主人公・魔術士アシャフ。彼らと魔女が出会ったとき、戦いの幕は開かれる。
魔女は災厄を招く者。世界の多くの人々は魔女を恐れ、忌み嫌っている。ギドも魔女を嫌う者の1人で、ギドの場合は嫌いという言葉では言い表せないほどの強い憎悪の念を抱いていた。とある魔女の呪いによって、姿を変えられてしまったからだ。ギドの本来の姿は、筋骨隆々で破壊的な力を持つ大男。彼は魔女を見つけると復讐心に火がつき、ほとんど見境なく突進していく。そんなギドのストッパーとなっているのが、魔響教団の魔術師であるアシャフだ。アシャフはいつも巨大な棺桶を背負っているのだが、この棺桶にはギドの本体が封印されている。荒々しい野獣のようなギドと、冷静沈着で紳士的なアシャフ。正反対の2人は、魔女を追う旅の中で数々の怪事件に関わっていくことになる。
魔女をテーマにした1話完結の物語が連作短編形式で描かれる魔女奇譚。一口に魔女と言っても、その在り方は様々だ。得た知識を悪事に利用する魔女もいれば、それを伝えるべき者に伝えるという役目を担うだけという魔女もいる。英国人の魔女もいれば、森の原住民の魔女もいる。本作はオムニバス形式で描かれており、1話ごとにそれぞれ異なるバックボーンを持った魔女たちが登場することが特徴だ。魔女たちはそれぞれの視点・思想のもと「世界」について語っていく。
「魔女」という言葉を聞いて日本人が思い浮かべるのは、黒いローブを着て禍々しい笑みを浮かべる老婆や、杖を持って魔法を操る可愛らしい女の子などだろう。本作で描かれる魔女は、多くの人が思い浮かべるであろう魔女とは違う。どのように違うのかというと、ひどくリアリティがあるのだ。伝承や逸話、裁判記録など、魔女の存在の影が色濃く残る欧米と違い、「魔女伝説」の少ない日本にとって魔女はファンタジーな存在だ。だからこそ魔女を取り上げた物語は興味をそそられるし面白いのだが、現実的なものとしては受け止められない。しかし本作に登場する魔女たちは違う。このような、魔女と呼ばれる者たちが実際に存在しているのだと思わせられるリアリティがある。そのリアリティこそが、本作の大きな魅力だ。
三百路(みおじ)の魔女の毎日を描いた、冒涜的日常コメディ漫画。主人公の黒川御影(みかげ)は、一見どこにでもいそうな地味めのアラサー女性。しかしその正体は、長い長い時を生きてきた魔女だった。彼女は結婚しておらず彼氏もいないおひとり様だが、伊達に長く生きていないためそんなことではへこたれない。彼氏持ちであるかのような妄想フォトをSNS上にアップすることを趣味とするなどおひとり様を極めており、今日も何者にも縛られない楽しいひとり暮らしを満喫する。
17世紀から18世紀にかけて欧州で猛威をふるった「魔女狩り」。迫害されることを恐れた多くの魔女たちは世界各地に逃げ、その末裔たちはそれぞれの地でひっそりと暮らしていた。主人公の御影も、そんな魔女のひとりだ。百代二百代の頃は派手に楽しく遊んでいた彼女であったが、今では魔女は時代遅れもいいところ。現在はとある会社の総務として浮いた噂一つない大人しすぎる生活を送っている。御影の特徴は、おひとり様を極めきっているということだ。300年という長い時をひとりで生きてきたのだ。ひとりで日々を楽しむ術は知り尽くしている。架空の彼氏との甘い日々を妄想したり、たまにちょっぴり魔女っぽいこともやってみたりする御影の日常を覗いてみよう。