少年が、父を探すためにハンターとなり、仲間と共に冒険を繰り広げるアドベンチャー漫画。くじら島に住む少年・ゴン=フリークスは、この世界のどこかにいる父と再会するために、父と同じ職業「ハンター」を目指し試験を受ける。ハンターとは財宝だけでなく、珍獣や秘境、はたまた賞金首までの、あらゆる「未知のもの」を追い求める冒険者の称号だ。超難関の試験に挑む中でゴンは、仲間と出会い壮大な冒険の中で成長していく。1999年、2011年にテレビアニメ化。
本作にはゴンをはじめ、さまざまなハンターが登場する。楽器を武器にするハンターは「センリツ」だ。センリツはマフィアの用心棒の一人で、同じく用心棒のクラピカと行動を共にすることが多い。頭頂部に髪の毛がなく出っ歯という特徴的な容姿だが、れっきとした女性である。センリツの最も得意な楽器はフルートだ。フルートの演奏で癒しのオーラを放つ「放出系能力」の持ち主で、その音色で傷ついた者たちの疲労を癒すことができる。センリツのフルートは、人を傷つけることのない「癒し系」の武器といえよう。また、本気でフルートを演奏した時には、聴衆を音の世界に誘い花畑や蝶の幻覚を見せることまでできる。その容姿とは裏腹に、聡明で気配りのできるキャラクターも味わい深い。
勇者と仲間たちが、魔族の王を倒すため戦いを繰り広げる音楽バトル漫画。魔族が跋扈する時代、主人公の勇者・ハーメルは魔王がいる北の都・ハーメルンを目指していた。道中立ち寄った村で、魔物から村を救った謝礼として、少女・フルートが旅の道連れに加わることになった。ハーメルは旅を続ける中で、幼馴染のライエル、王子トロン・ボーン、ハーメルの双子の妹・サイザーと出会い、フルートも含め「五つの大きな希望」と呼ばれる。1996年にテレビアニメ化。続編に『続ハーメルンのバイオリン弾き』がある。
登場人物や地名のほとんどが、音楽用語や楽器をモチーフにした名前になっているのが本作の特徴だ。ハーメルとライエル、サイザーが主な楽器使いとして戦闘で活躍する。ハーメルは巨大なバイオリンで「魔曲」を奏で、フルートをマリオネットのように操って敵を倒したり、美しい音色で鳩をおびき寄せるなどの特技を持つ。ライエルは黄金のピアノを奏で精霊を召喚することができるが、召喚した火の鳥で火傷するなどドジな一面が面白い。サイザーは普段大鎌を振り回しているが、ときに鎌を笛のように操り「天使の横笛」として使い、女戦士の精霊・ワルキューレを召喚することが可能だ。彼らが演奏する曲はクラシックや歌劇がモチーフになっており、音楽の造詣を深めることもできる作品である。
少女たちが「歌」を武器に敵と戦うSF美少女バトル漫画。「特異災害対策機動部二課」は、敵である「ノイズ」の駆逐を目的に設立された。司令の風鳴弦十郎(かざなりげんじゅうろう)と研究者である櫻井了子はノイズに対抗する「シンフォギアシステム」の実験に成功した。ある日、シンフォギア奏者である天羽奏(あもうかなで)と風鳴翼(かざなりつばさ)が待機している施設で、人々は突然ノイズの襲撃を受ける。2012年より複数回アニメ化されている。
ノイズは特異災害と認定されているが、形態はさまざまであり、襲われた人間を即時に炭素化する謎の多い敵である。ノイズを唯一倒すことができるのはシンフォギアシステムを使う少女たちだけだ。翼を中心とした少女たちは、歌うことによりその旋律が振動となり、「FG式回天特機装束(シンフォギア)」を身に纏うことができる。歌の力をエネルギーに変え武器としてノイズを倒すが、時にそれは残酷な結果をもたらす。奏は戦闘中「絶唱」により全ての力を解き放ち、命を落としてしまう。「防人(さきもり)」として奏の遺志を受け継いだ翼は仲間の少女たちと共に人類を救うべく奮闘し、最後の敵と対峙するも、それは意外な人物であったことが判明する。驚愕のクライマックスから目が離せない。
忍者に憧れる少年が、炎を操りさまざまな敵と戦いを繰り広げるアクションバトル漫画。花火屋の息子である主人公・花菱烈火(はなびしれっか)は忍者に強い憧れを抱き、ケンカにも火薬を仕込んで戦うほどだ。ある日、ナンパに絡まれているヒロイン・佐古下柳(さこしたやなぎ)を烈火は助ける。怪我をした烈火に柳は特殊能力を持っていることを打ち明け、能力で烈火の怪我を治す。驚いた烈火は自分も炎を操る能力があることを明かし、柳を守るために忠誠を誓う。1997年にテレビアニメ化。
本作には烈火や柳以外にも、「魔導具」という能力を操る道具を持つ仲間や敵が多数登場する。彼らが相見えるのは「裏武闘殺陣(うらぶとうさつじん)」という武闘大会だ。楽器を武器として操るキャラクターは「音遠(ねおん)」である。音遠は烈火の敵として登場する「紅麗(くれい)」に忠誠を誓う十神衆(じゅっしんしゅう)の一員として、烈火に戦いを挑む。音遠は「不狂和音」という笛型の魔導具を操り、音の振動で敵を倒していく。技の名前も「前奏曲(プレリュード)」「協奏曲(コンチェルト)」「狂詩曲(ラプソディー)」など楽曲の名称を模している。特に必殺技である「葬送曲」は命と引き換えに、殺陣ドームを破壊するぐらいの威力だ。 技の美しさもさることながら、その美貌も人気を博した。
海賊王を目指す少年が、仲間と世界中を航海する群像冒険活劇。伝説の海賊王・ゴールド・ロジャーが遺した「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を狙う者たちが群雄割拠する大海賊時代。主人公のモンキー・D・ルフィは港村に住む、海賊に憧れる少年だ。港に停泊していた海賊団が持っていた秘宝・悪魔の実(ゴムゴムの実)をうっかり食べてしまい、全身が伸びるゴム人間となった。10年後、その能力を活かし仲間を集め海賊王になるべくルフィは旅立つ。1999年にテレビアニメ化。
ルフィは個性的な仲間と出会い、「麦わらの一味」という海賊団を結成する。その海賊団の一員「ブルック」は音楽家だ。一度死んでいるためガイコツ姿で、髪型はアフロ、下品でスケベな超個性的キャラだが、楽器の腕前は天下一品である。バイオリンの音色で聴いた者を眠らせる「眠り歌・フラン」や、愛用のシャークギターを片手に「魂王(ソウルキング)」の幻影を映し出し、己の情念を奏で敵の魂を剥がす「魂(テャマスィー)の叫び」が必殺技だ。その凄技は、楽器を演奏する楽しさに溢れており、胸が熱くなること請け合いだ。普段は仕込み杖を使った斬り技等が得意で、技の名前が「鼻唄三丁矢筈斬り(はなうたさんちょうやはずぎり)」など音楽をイメージさせるのも面白い。