発火能力を持つ「特殊消防隊」の活躍を描く、ファンタジーバトル漫画。物語の舞台は現代日本とは似て非なる世界、太陽暦198年の東京皇国。そこでは謎の人体発火現象「焔ビト」が大きな問題となっていた。これに対処するために発足したのが、特殊消防隊である。隊員はいずれも炎を自在に操れる能力者たち。主人公の森羅日下部は、この特殊消防隊第8中隊の新入隊員として、様々な発火事件に挑んでいく。2019年にテレビアニメ化。
本作で描かれる災害は、世界中で人間が突然発火するようになった「人体発火現象」だ。発火、あるいは火を操ることができる人々は「能力者」と呼ばれる。能力に目覚めた第一世代は、発火と同時に自我を失い、死ぬまで暴れ回る。彼らは「焔ビト」と呼ばれ、人々を恐怖に陥れた。そんな「焔ビト」の脅威に対抗するため、自我を保ちながら炎を操る第二・三世代の能力者を中心に結成されたのが「特殊消防隊」である。自ら発火し、炎を自在に操れる第三世代の能力者である森羅は、幼い頃火災で母と弟を亡くした際、周囲から出火の原因として迫害された経験を持つ。それでも森羅は亡き母と約束したヒーローとなるため、様々な現場で奮闘していく。
武士の子息が身分を隠し、町火消しの一家で生活する様子を描く、江戸を舞台にした人情ドラマ漫画。主人公の佐倉一進は、五千石の旗本の正室第二子。当主である彼の父は世継ぎを決めぬまま急逝し、跡目問題が発生するのは避けられない状況に。そこで一進は、側付きの家臣である古部静一郎と共に江戸に向かい、身分を隠して江戸の町火消し一家「く組」で町人として暮らし始める。
本作で描かれる災害は火事だ。「火事と喧嘩は江戸の華」という言葉もあるように、江戸の町は狭い路地に木造家屋が多く火災が発生しやすかった。そんな市井の火災に対処すべく組織されたのが町火消しであり、本作で登場する「く組」もその一つだ。跡目問題から身分を隠す必要に迫られた一進は、「く組」一家で町火消しの見習いとなる。彼には高所恐怖症という致命的な欠点があったが、その一方で火の動きが読めるという特別な才能も持ち合わせていた。一進は亡き父の「勇に咲き、義に散れ」という言葉を胸に、江戸の町火消しとして成長していく。町での生活は初めてづくしという一進の視点を通して、活き活きと描かれる江戸情緒も魅力の作品だ。
新人自衛官の成長を通じて、自衛隊の内情をリアルに描く、青春ドラマ漫画。自分の進路にモヤモヤとした感情を抱えていた主人公の甲斐一気は、ある日山中で伊達と名乗る陸上自衛官と遭遇する。伊達の持つ独特の存在感に圧倒された一気は、思わず「なぜ自衛官になったのか」と尋ねた。彼の答えをきっかけに、一気は自衛隊への入隊を志すこととなる。
本作で主人公たちが戦うのは自然災害だ。自衛隊は、有事の際に国を守るだけでなく、地震などの災害救助でも大きな役割を担っている。自衛隊への入隊を決意した一気は、採用試験に挑戦し新隊員教育隊で3ヶ月間の基本訓練を受ける。ところが一気は、初日の集合に5分遅刻。いきなり、遅刻1秒につき腕立て伏せ1回という、自衛隊の洗礼を受ける。途中で限界を迎え苦悶する一気に対して、班長の新海3等陸曹は「自分からギブアップしない限りどんな奴でも見捨てないのが自衛隊だ」と、声をかける。この日から一気は、個性豊かな7人の班員たちと共に、一人前の自衛官となるべく奮闘していくこととなる。
特殊な才能を秘めた消防士の成長と活躍を描く、ドラマティックなレスキュー漫画。主人公の朝比奈大吾は、幼い頃に火災に巻き込まれ、消防士に救われた。その日以来、消防士に憧れを抱いた彼は、高校卒業後に千国市消防局めだかヶ浜出張所所属の消防士になった。数々の修羅場を通して消防士として成長した大吾は、ライバルとしのぎを削りながら更なる高みを目指していく。2004年にテレビドラマ化。
本作で描かれる災害は火事だ。主人公の大吾は幼い頃から消防士に憧れ、その夢を叶えた新人消防士。期待に胸を膨らませ着任した大吾だったが、実際の職場は想像とは異なるものだった。所長はやる気が感じられない昼行灯で、所員たちもだらけた雰囲気。そもそもそこはめったに火災が起きない地域だった。消防士として活躍することを夢みていた大吾は不満を募らせるが、初めての現場で、大吾は自分の考えの甘さを痛感する。普段は頼りなげな所長は立派なプロフェッショナルであり、自分は勘違いしていただけの半人前だったことに気付いたのだ。認識を新たにした大吾は、同期のライバルである甘粕士郎と競い合いながら日々努力を重ねていく。
海上保安庁に所属する新米潜水士の成長と、海難救助の現場をリアルに描いたレスキュー漫画。主人公の神林兵悟は、幼い頃に漁師だった父が海で亡くなったことをきっかけに海上保安官となる。そんな兵悟は遊びや趣味に目もくれず、身内から「人助けバカ」と言われるほど人命救助を生き甲斐とする若者に成長していた。周囲の心配をよそに、兵悟は一人前の海の男を目指して邁進する。
本作で描かれる災害は海難事故だ。海に囲まれた島国である日本では、1日に約7隻の割合で海難事故が発生している。この海難事故や海上での災害救助などで活躍するのが、陸における警察と救急を併せたような役割を担う海上保安庁だ。主人公の兵悟は、過酷な訓練を乗り越えたものだけがなれる海上保安庁の新米潜水士となった。彼は海中でのずば抜けた視力と、何事にも前向きで諦めない情熱の持ち主ではあるものの、その熱意ゆえの無茶や失敗も多い。だが兵悟は数々の数々の経験を積み、海難救助のスペシャルチームである海上保安庁特殊救助隊(通称トッキュー)を目指していく。