概要
初芝電器産業の取締役で、初芝電器産業が町工場時代からの生え抜き。出世に貪欲。吉原初太郎が急死した現場に居合わせたことを利用し、密かに島耕作を使いインサイダー取引によって私腹を肥やした。バー「ぎやまん」の美人ママをめぐっては、水野忠司とライバル関係にある。
島耕作と宇佐美欣三
点数稼ぎのため、吉原初太郎会長の言葉を曲解して作業の指示を出し、吉原より叱責される。吉原が知る原因を作った島耕作にメンツを潰されたと逆恨みし、島耕作の係長研修を見送らせる。
経歴
榊原康夫部長が熊本に赴任後、初芝電器産業販売助成部部長となる。東京営業所時代は「恐怖の大王」と呼ばれるほど部下に厳しい。元部下だった竹野に、宇佐美欣三が上司になった後に「宇佐美君」と呼ばれ激怒。竹野を島耕作たちの前で叱責し、閑職に追いやった。その後は腹心の福田敬三を次長に呼び寄せ、自分の存在を威圧的にアピールする。(ヤング島耕作)
副社長の座を大泉裕介と争い、敗れた後は大阪支社監査役。末期の肺がんに冒された際には、疎遠となっていた隠し子の行方調査を島耕作に頼んだ。(課長島耕作)
関連人物・キャラクター
吉原 初太郎 (よしはら はつたろう)
初芝電器産業の創始者、初代社長、初代会長。町工場を大手電器メーカーへと育てた「経営の神様」と呼ばれる日本経済界の正真正銘のカリスマ。自分の一言に、出世を狙う役員や社員が過剰に反応するため、自分の本意で... 関連ページ:吉原 初太郎
水野 忠司 (みずの ただし)
初芝電器産業の専務取締役。社長の座を狙っている。ヨーロッパ初芝電器産業の社長を務めたこともあり、絶大なキャリアを持つ。自身の派閥に属している庭正彦が神戸営業所で販売促進部の部長に就いたのも、一時、庭正彦の妻と関係があった彼の力によるもの。 しかし島耕作の調査によって、庭正彦がソラー電機に情報を漏らし、会社の金を横領していたことが判明、失脚する。
榊原 康夫 (さかきばら やすお)
初芝電器産業の販売助成部部長で、東大時代は筋金入りの学生運動家だった。同期の出世頭だが、ねちっこく部下を叱るため嫌われている。社内カレンダー決定の席では、吉原初太郎会長の差し替え提案を無理を承知で聞き入れてしまうなど、上司からの圧力には弱い。素直に接してくる島耕作には胸襟を開き、接待にも連れて行っている。 酔いつぶれた際には孤独な胸の内を島に晒すことも。
福田 敬三 (ふくだ けいぞう)
初芝電器産業の販売助成部部長として島耕作の上司だったこともあり、島耕作を部下として頼りにしていた時期もある。大阪弁でしゃべり、何よりも仕事を優先するのが当たり前という考えの持ち主。今野輝常の妻を愛人と... 関連ページ:福田 敬三
大泉 裕介 (おおいずみ ゆうすけ)
東大法学部卒、四井銀行出身。初芝電器産業の創始者吉原初太郎の娘婿で、初芝アメリカ(ハツシバアメリカ)社長を経て初芝電器産業第4代社長となる。初芝電器産業の筆頭株主である妻大泉笙子には頭があがらない。ホステスの馬島典子を愛人として囲い、初芝アメリカ時代には島耕作に馬島典子の監視を依頼する。 自身の派閥大泉派を持つものの、脳出血で倒れ社長の座から退いた際には無派閥の中沢喜一を後任に指名するなど優れた見識を持っている。
関連キーワード
初芝電器産業 (はつしばでんきさんぎょう)
『島耕作シリーズ』に登場する架空の企業。島耕作が勤めている日本最大手の電器メーカーで、カリスマ経営者吉原初太郎が町工場から育て上げた。初代社長吉原初太郎、第2代社長木野穣、第3代社長苫米地功、第4代社... 関連ページ:初芝電器産業
登場作品
課長島耕作 (かちょうしまこうさく)
課長となったエリートサラリーマン島耕作が、ライバル企業との競争、社内の派閥争いに立ち向かう姿、プライベートのひとときを描く。会社員時代の経験を活かした弘兼憲史の代表作。第15回(1991年度)講談社漫... 関連ページ:課長島耕作
ヤング 島耕作 (やんぐ しまこうさく)
経済大国へ向かって躍進を続ける一方、浅間山荘事件やオイルショック、連続企業爆破事件など闇の部分も深かった日本の1970年代を背景に、大手電機メーカー、初芝電器産業に入社した、肩書のない若き日の島耕作を... 関連ページ:ヤング 島耕作
係長島耕作 (かかりちょうしまこうさく)
80年代にさしかかり好景気に沸く時代を背景に、大手電機メーカー初芝電器産業で係長となった島耕作の活躍を描く。「島耕作」シリーズの1つで、シリーズ第1弾『課長島耕作』の前日譚となっている。「イブニング」... 関連ページ:係長島耕作