藤田和日郎の連載デビュー作で代表作の一つ。古くから伝わる妖怪や伝説が息づく現代日本が舞台。寺の息子であるうしおが、代々伝わる土蔵の地下で、「獣の槍」を引き抜き、500年間封印されていた妖怪、とらを解放してしまったことから物語が始まる。とらは、隙あらばうしおを喰らおうと狙っているが、うしおは獣の槍で牽制し、とらを制御する。この緊張と協力が混在する関係の中で、二人は様々な妖怪との戦いに巻き込まれていく。戦いを通じて互いの理解と絆を深めながら、やがて獣の槍に導かれて宿縁の戦いへと発展し、最終的には「白面の者」という大妖怪と戦うことになる。本作は、妖怪退治をテーマにした怪奇バトルアクションである。妖怪という超自然的存在と現代社会が共存する世界観の中で、人間と妖怪の複雑な関係や、古い因縁が現代に甦る様子が描かれる。小学館「週刊少年サンデー」1990年6号から1996年45号まで連載。1992年に第37回「小学館漫画賞」少年部門、1997年に第28回「星雲賞」コミック部門を受賞。テレビアニメ化され、第1期が2015年7月から12月まで、第2期が2016年4月から6月まで放送された。