三浦建太郎の代表作。作者死去後は森恒二監修のもと、スタジオ我画が作画を担当している。中世ヨーロッパを模した異世界を舞台に、隻眼・隻腕の剣士ガッツが、自分を裏切ったかつての親友グリフィスへの復讐と、正気を失った恋人キャスカの治療を目指す物語。傭兵団「鷹の団」でのガッツの活躍と団の崩壊後、団長グリフィスは魔に落ち、ゴッド・ハンド「フェムト」に転生。ガッツは、ゴッド・ハンドにたどり着くため、命の危険を伴う「狂戦士の甲冑」を纏い戦う。本作は人間の業と運命、自由意志と宿命の対立を主題とするダークファンタジー作品である。巨大な剣による戦闘描写、緻密な背景画、異形の存在の描写が特徴的で、現実(うつしよ)と幽界(かくりよ)の二重構造、使徒と呼ばれる魔物の存在、魔物たちの頂点に君臨するゴッド・ハンドなど、独自の世界観が確立されている。白泉社「月刊アニマルハウス」1989年10月号から1992年3月号まで連載後、同社「ヤングアニマル」に移籍し、1992年11号から2021年18号まで連載。約1年の休載期間を経て、同誌2022年13号より連載を再開した。2002年、第6回「手塚治虫文化賞」マンガ優秀賞を受賞。1997年と2016年にテレビアニメ化された他、2012年から2013年にかけて、劇場版アニメ3部作も公開された。