明治時代後期の北海道で、莫大な金塊とそれに隠された謎を追う元軍人とアイヌの少女の姿を描く冒険ロマン作品。主人公の杉元佐一は、日露戦争で「不死身の杉元」と謳われた元軍人。死んだ戦友の妻である梅子の眼病を治すため、一獲千金を夢見て北海道に渡った彼は、砂金採りに励む中でアイヌが隠した金塊の話を耳にする。その話を信じた杉元は、偶然出逢ったアイヌの少女アシリパと共に、金塊を探す冒険に旅立つ。2018年4月にテレビアニメ化。
本作における一攫千金の財宝は、現代の価値にすると約8億円相当にもなる20貫(75㎏)の金塊。この膨大な金塊は、網走監獄に死刑囚として収監されている謎多き男「のっぺら坊」がかつてアイヌから奪ったものだ。のっぺら坊は、金塊のありかを示す暗号を24人の囚人に刺青として残し、彼らを脱獄させて監獄外の仲間に伝えることを画策。主人公の杉元は偶然その刺青を持つ脱獄囚の一人と出会い、アイヌの財宝の噂が真実であることを知る。さらに彼は金塊を巡って父を殺されたというアイヌの少女アシリパとも出会い、彼女を伴って広大な北海道での一獲千金の冒険を始める。北海道征服を目論む軍の独立部隊や生きていた土方歳三の一派ら、個性豊かなライバルと熾烈なアクションシーンも作中の見どころだ。
戦国大名である武田家の軍資金を支える金掘り衆たちの戦いを描く、戦国アクションロマン漫画。主人公の左吉は、甲斐国の金山で採掘を行う金掘り衆のひとり。金山を狙う他国の忍者を取り締まる「金縛り」だった彼が、金掘り衆の次期頭領「ムカデ」に指名されるところから物語は幕を開ける。現頭領の息子である金蔵を差し置いての抜擢に周囲は騒然となるが、そこには金掘り衆が抱える大きな問題が絡んでいた。
本作における一攫千金の財宝は、武田家の埋蔵金だ。武田家の所領である甲斐国は豊かな金山があり、そこから得た軍資金を元に戦国最強の騎馬軍団を作り上げた。ただし本作の中心となるのは埋蔵金そのものではなく、その採掘を行った金掘り衆。彼らは金を武田家に納めることで、山での生活と自由を保障された民である。金掘り衆は金山を守る役割も担うため、忍の術にも精通していた。ところが戦国末期、金の採掘に陰りが見え始める。一族存続の危機に立たされた金掘り衆は、金掘りの技術を他の大名に売りこもうと画策。金掘り衆の次期頭領に抜擢された主人公の左吉は、余命幾ばくもない現頭領の指示の下、織田信長と接触するべく動き出す。
人工島に造られた学園都市を舞台に、さまざまな古代の秘宝にまつわる騒動を描く、同名ライトノベルのコミカライズ作品。主人公の八真重護は、家業を継ぐことを拒否したことで父親から勘当され、「学生特区」の異名を持つ七重島に移住してきた学生だ。明るい学園生活を夢見る彼だが、管理人の口車に乗せられて住むことになった下宿先は、かつて殺人事件の起きた事故物件。しかもその部屋には、殺された当人である少女「龍ヶ嬢七々々」の地縛霊が住み着いていた。この日から、重護の波瀾万丈な日々が始まっていく。
本作における一攫千金の財宝は龍ヶ嬢七々々が世界各地から収集してきた、通称「七々々コレクション」と呼ばれる秘宝だ。物語の舞台となる人工島の七重島は、才能ある学生たちを支援する目的で造られた学園都市で、「GREAT7」と呼ばれる7人の天才学生たちによって設立された。七々々は彼らを束ねるリーダー的な存在で、世界各地に眠っていた財宝を発掘して大金を稼ぎ、前代未聞のプロジェクトを成功に導いた。その後も七々々は財宝発掘を継続し、特別な力を持つ秘宝を島の各所に隠した。それが「七々々コレクション」だ。主人公の八真重護は、七々々の地縛霊が住み着いた部屋を借りたことをきっかけに冒険部の一員となり、財宝を巡る騒動に巻きこまれていく。
探偵事務所で働く「ハリネズミ」こと七瀬五郎と仲間たちの活躍を描く、探偵もの漫画。主人公の七瀬五郎は、東武東上線下赤塚駅付近に居を構える探偵事務所「あかつか探偵事務所」に所属する私立探偵。彼は酒豪の女所長、風かほるの指示の下、曲者の相棒「グレさん」こと木暮久作と共に、人捜しから殺人事件に至るまで、さまざまな案件に挑んでいく。1991年に映画化された他、テレビドラマ化、OVA化などされている。
探偵事務所に持ち込まれるさまざまな事件を扱う本作の中で、一獲千金の財宝として登場したのが「徳川埋蔵金」。江戸時代末期、江戸城から持ち出されたといわれる莫大な徳川家の遺産を五郎たちが追い求める様子を描いたエピソードが、コミックス23巻収録の「眠る埋蔵金」だ。群馬県の片田舎にある旧家の権田家の跡取りから、父が死ぬ間際にビデオに残したメッセージを読み解く依頼を受けたあかつか探偵事務所のメンバー。五郎は老人のまぶたの動きがモールス信号だと気付き、権田家の敷地に徳川の埋蔵金が隠されているというメッセージを見出す。それを機に、五郎たちは探偵事務所の所長であるかほるの号令に従い、権田家での埋蔵金捜索に乗り出すことになる。
魔神の生贄にされた少年の百鬼丸と、盗賊の子供どろろの、数奇な出逢いと過酷な旅路を描く伝奇ファンタジー漫画。物語の舞台は室町時代中期。加賀国の武士だった醍醐景光は天下取りを願い、誕生目前だった自分の子を48体の魔神に捧げる。全身48か所の部位を奪われて生まれた子供は川に捨てられるが、立派な医師に拾われ百鬼丸の名を与えられて命をつなぐ、やがて成長した彼は、魔神を倒し自らの身体を取り戻すために旅立ち、どろろと出会う。
本作で描かれる財宝は、百鬼丸の旅の相棒であるどろろの父親「火袋」が集めた財宝だ。火袋は元農民で、非道な武士に村を滅ぼされたことをきっかけに野盗団の統領となった男。武士や金持ちから金品を奪い、貧しい人々のために役立てようとしていた彼は、部下の裏切りによって志半ばで命を落とす。しかし、彼は部下たちに秘密で財宝を隠しており、妻であるお自夜は2人の子供であるどろろの背に、財宝のありかを刺青として残した。この刺青は入浴時や興奮時など、血色が良くなった際にのみ浮かび上がる特殊なもので、どろろはその秘密を隠しながら乱世を生き延びてきている。物語の後半、どろろと百鬼丸はこの財宝を巡る騒動に巻きこまれることとなる。