『からくりサーカス』2018年テレビアニメ化! 長編の名手と名高い藤田和日郎、ですがその魅力は長編だけじゃない! 熱い漫画家が描く傑作漫画をご紹介!
藤田和日郎が描く傑作漫画、その魅力に迫る!
『からくりサーカス』2018年テレビアニメ化! 長編の名手と名高い藤田和日郎、ですがその魅力は長編だけじゃない! 熱い漫画家が描く傑作漫画をご紹介!
出典:マンガペディア
拳法の達人・加藤鳴海、莫大な財産を相続した少年・才賀勝、「しろがね」を名乗る銀髪銀眼の女、エレオノール。3人の出会いから始まるファンタジーバトル漫画。鳴海を主軸とする「からくり編」と勝を主軸とする「サーカス編」が並行して進んでいく。多数の登場人物たちが「からくり」仕掛けのような見えない糸に運命を操られ、まるで「サーカス」のように舞台は盛り上がっていく。
「しろがね」と自動人形(オートマータ)との壮絶な戦いに挑む鳴海と、気のいい仲町サーカスの面々のなかで健やかに成長していく勝。一見ちぐはぐな展開が並行していく中で、大量にばら撒かれる伏線と、どこまでも広がっていく風呂敷。それらが収束した時に読者が得られるカタルシスは格別! また、「信じていれば夢はいつかかならず叶う!」とのたまうすべての黒幕の凄まじい邪悪さも必見。彼の200年の妄執に挑む登場人物たちの愛と勇気と命の輝きに思わず涙してしまう、作者渾身の大長編だ。
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見た物全てを死に至らしめる呪いを放つフクロウのような鳥「ミネルヴァ」。その一羽によって、東京は壊滅的な被害をもたらされた。かつてミネルヴァを捕らえた老猟師・杣口鵜平はアメリカ国防総省のケビンとマイケル、娘の輪と共に再びミネルヴァに挑む。藤田和日郎の青年誌初連作品であり、初の全1巻となる伝奇アクションだ。
このおじいちゃんがスゴイ! 藤田和日郎の作品には得てして魅力的な老人が登場するが、鵜平からもそのエッセンスはふんだんに感じ取れる。老人ならではの深い知識や豊富な経験、頑固でぶっきらぼうでありながらその奥に秘められた優しさ…と藤田和日郎の描く魅力的な老人像はいつだって惚れ惚れさせられる。彼とチームを組むことになるケビンとマイケル、そして娘の輪がだんだん彼のことを理解して結束を強めていく様も見事。
また、死のフクロウ・ミネルヴァの「畏ろしさ」も圧巻。電波に乗ってもカメラ越しでも、見たものを絶対に殺すミネルヴァを鵜平たちはどうやって倒すのか──! 全1巻ながら藤田節全開で描かれる、読み応え抜群の短編だ。
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「黒博物館シリーズ」第1弾。ロンドン警視庁(スコットランド・ヤード)の中にある秘密の博物館「黒博物館(ブラックミュージアム)」には、今まで捜査された犯罪のすべての証拠品が展示されている。今回語られるのは「バネ足ジャック」の左足。19世紀ロンドン、3年ぶりに現れた伝説的な通り魔バネ足ジャックが起こした殺人事件、その謎に迫る──! 「モーニング」にて連載された短編活劇だ。
3年前に出現したバネ足ジャックは、人を驚かせはしたが、決して人を殺さなかった。なぜ再び現れたジャックは連続殺人を起こしたのか。そしてなぜ左足だけが墓地に残されていたのか。事件を追っていたという老刑ロッケンフィールドが語る事件の真相には、一人のかっこつけの「貴族」の深い愛が隠されていた──! 怪奇・冒険・浪漫が詰まった傑作短編だ。
また、単行本には『黒博物館スプリンガルド異聞 マザァグウス』も収録されている。こちらはボーイ・ミーツ・ガールと怪人「バネ足ジャック」の格好よさが思う存分堪能でき、そのオチには息を呑むこと必至だ。
物語の聞き手となる黒博物館の学芸員(キュレーター)ちゃんの可愛さもおすすめしたいポイント。
出典:マンガペディア
少年マンガの名手が青年誌「モーニング」にて再び連載した「黒博物館シリーズ」第2弾。1856年に幽霊が劇場に残したと言われている「<灰色の服の男>のかち合い弾」にまつわるエピソーが語られる。その遺物には、幽霊のグレイと「ランプの淑女」フロレンス・ナイチンゲールが歴史的大事件の裏で繰り広げた奇妙な冒険が隠されていた──! クリミア戦争で見つかった実在の遺物をモチーフに描く、エンタメ性に富んだ傑作伝奇活劇だ。
後に近代看護教育の母と呼ばれることになる死にたがりの女・フロレンス・ナイチンゲール(フロー)と、彼女が最も悲劇のヒロインになるタイミングで殺すために取り付いた<灰色の幽霊>グレイ。グレイは最高のタイミングでフローを殺すため、彼女に敵意を向ける人々の“生霊”を倒し、結果としてフローは様々な困難を乗り越えていく。その中で二人の間には信頼や愛が芽生えて──! この物語は、大迫力の“生霊”、フローの壮絶な決意、そしてグレイの過去に彩られた2人の、奇妙でロマンチックなラブロマンスだ。上下巻の長さで、「物語」を読むという楽しさを思う存分味わえる。
本作も聞き手である「黒博物館」の学芸員(キュレーターちゃん)はかわいいが、グレイに恋しているフローの表情は作者渾身の出来であり、そちらに軍配が上がると思う。
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