赤門目指して難関を突破せよ！東大受験漫画オススメ５選77 Pt.

天才を奇人として扱う漫画は数多いが、その中でも本作の主人公はとびっきりの変態といえるだろう。佐野の恋路を邪魔するため遥は難病だと言ったり、彼女への近づき方について夜通し様々なシミュレーションを行った末、とった行動が「会っていきなり告白」なのだから驚かされる。またその告白をすんなり受け入れた遥を含め主要人物のほとんどが変人であり、彼らの未来はもちろん、「どういう生い立ちでこういうキャラになったのか」も非常に興味深い。タイトルに大学名を冠するものの本作は勉学の要素が薄く、受験期・浪人中・入学後における直樹の恋愛模様がストーリーのメインとなる。恋に一喜一憂する直樹の姿はまさに青春を謳歌していると言えるだろう。

ボーイミーツガール作品ではあるものの全体的に恋愛要素は薄く、受験漫画の中でもかなり勉強部分に重きをおいた作品である。大学合格を目指す漫画の主人公といえば「元々かなり頭が良い」か「成長速度が凄まじい」の二択になりがちだが、本作の光は低い学力のまま現実的なレベルの大学を目指していくので、多くの受験生にとって共感しやすい主人公像といえるだろう。一方でヒロインたちはしっかり東大や慶應大などトップクラスの大学を目指すので、頂点を目指すような王道のサクセスストーリーを楽しみたい人にもオススメだ。また予備校での日々や浪人生同士の人間模様が濃密に描かれており、これから浪人を考えている人にとっては参考とすることもできるだろう。

通は勉強熱心にもかかわらず披露する知識が全てデタラメであるだけでなく、中学生にしてストリップ映像を嗜むほどの変態でもあり、ハイテンションギャグで読者を休みなく笑わせてくれる。しかし決して軽いノリで東大を目指していく物語ではなく、時には金持ちの教育ママによる激しい勉強の押しつけなど、受験戦争のシビアな側面も垣間見ることができる。何より登場人物たちが中学生の段階から大学受験を意識している稀有な作品なので、進路に漠然と不安を覚えている中高生が気分転換に読む漫画としては特にオススメだ。なお実際に東大受験をするのは続編の『東大快進撃』での話だが、こちらは結末がかなり衝撃的なのでぜひ最後まで読み進めてほしい。

建二の教えには現実的かつシビアな内容が多く、勉強する理由を見いだせない多くの中高生にとって非常にためになる作品だ。また建二自身、一度は暴走族となりながら独学で弁護士試験に合格するという異色の経歴を持っており、誰でも勉強一つで変わることができるということを読者に教えてくれる。さらに作中では精神論のみならず「スクラム勉強法」など実際の受験勉強に役立つ知識も多数紹介されているので、東大をはじめ上位の大学を狙う人なら必携の一冊といえるだろう。学校経営や子育て、ちょっとしたラブコメ要素など内容は多岐にわたるので、受験系の漫画に興味がない人でも気軽に手にとっていただきたい。

本作は数あるサクセスストーリーの中でも、特に「周囲の手助けの重要性」が色濃く描かれた作品といえるだろう。景太郎と同じく浪人中のヒロインをはじめ、景太郎が自信をなくすたび、誰かしらが必ず彼を導いてくれるので安心感を持って読み進められる。なお東大入学を目的とした漫画ではあるものの、基本的には女子寮での個性豊かなヒロインたちとのドタバタ劇が物語のメインなので、受験系の漫画特有の堅苦しさもなく気軽に楽しめるはずだ。またラッキースケベやそれに対するヒロインの暴力的な仕返しなど、ラブコメディの王道たるちょっとエッチな展開が数多く繰り広げられるので、受験に関係なく、単純にラブコメディとして読むのも一つの楽しみ方といえるだろう。