ケーキ屋の店長であるこぐまと従業員の青年の日常を描いた、Twitterで話題の癒やし系漫画。人気のケーキ屋を営んでいるのは、子供ほどの身長しかない小さな熊・こぐま。こぐまは人間の言葉を理解し、自分でケーキを作って販売している。こぐまはケーキ作りの知識はあるものの、ケーキ以外のことに関してはあまりにも無知。そんなこぐまをフォローするのが、従業員である人間の青年だ。こぐまと青年は今日も店で、出先で、心温まるほのぼのとしたやり取りを繰り広げる。
たどたどしくも人間の言葉を話し、ひらがなであれば文字も書けるこぐま。様々なケーキを作る工程も、しっかり頭の中に入っている。しかしやはり熊であるため、人間社会の事情には疎く世間知らずだ。お金の価値がわかっておらず、チョコレートケーキを作ることができても原材料であるカカオについてはわからない。そんなこぐまを日々見守りながら一緒にケーキ屋を切り盛りしているのが、こぐまのケーキ屋ただ1人の従業員である青年だ。青年は元々こぐまのケーキ屋の常連客。彼は店でもプライベートでもこぐまと一緒にいて、こぐまに色々なことを教え、体験させてくれる。たどたどしい敬語口調とあどけない仕草が愛らしいこぐまと、こぐまを見守る青年の穏やかな日々を覗いてみよう。
シロクマが経営するカフェを舞台に繰り広げられる、動物や人間たちのスローライフを描いたゆるふわギャグ漫画。舞台となるのは、動物たちが当然のように人間社会に溶け込み、共存している世界。器用でダジャレ好きなシロクマがマスターを務める「しろくまカフェ」は、人間にも動物にも人気の店だ。カフェにはマイペースなパンダ、経営者のペンギンなど、個性豊かな常連客が訪れ、シュールな会話が展開される。2012年テレビアニメ化。
本作の魅力は、個性豊かで愛嬌たっぷりなキャラクターたちにある。シロクマは、身体は大きいが穏やかな性格で、ダジャレ好き。よくつまらないダジャレや適当な作り話をしては周囲を振り回す飄々とした部分も持ち合わせている。カフェの隣に住んでいる常連客のパンダはのんびりした怠け者。渋々始めたバイトが動物園の客寄せパンダというところが面白い。もう1匹の常連客であるペンギンは、ペンギンでありながら不動産会社経営者。ズレた言動を繰り広げるシロクマとパンダに比べると常識的で、貴重なツッコミ役である。ページをめくれば、読者は自分がカフェの常連客になった気分で魅力的な彼らの日常を見ることができ、次々と展開されるゆるいやり取りに肩の力が抜けることだろう。
ゆるゆるだらだら過ごすリラックマと仲間たちの日常を描いた癒し系4コマ漫画。主人公のリラックマは、東京都内で働くOL・カオルさんの家に突然現れ居候を始めた着ぐるみのクマだ。ゆっくりのんびりダラダラすることを好むリラックマは、カオルさんが家で飼っているしっかり者のキイロイトリや、どこから来たのかわからない小さな白いクマ・コリラックマとともに今日もリラックスした時間を過ごしている。ほのぼのとしたリラックマたちの日常にほっこりした気持ちになれる、癒やし系4コマ漫画だ。
様々なグッズが販売されているため、多くの人が目にしたことがあるだろう人気キャラクター・リラックマ。しかしリラックマがどんな生活をしているのか知っている人は、キャラクターの知名度の割に多くはない。本作ではリラックマがコリラックマ、キイロイトリと共にどのような日々を過ごしているのかを垣間見ることができる。リラックマの急がず焦らず気を抜いてぐうたらしている様子は、日々を忙しなく過ごしている人には羨ましいものであり、見ていると不思議と肩の力が抜けるものだ。読者はマイペースで愛らしいリラックマの様子に思わずクスリとすると同時に、リラックマを通して上手なリラックスの方法を学ぶことができる。忙しくて余裕がない時にこそ手に取って欲しい作品だ。
北海道を舞台に繰り広げられる、ちょっぴり間抜けなクマの日常を描いた生態系ギャグ漫画。主人公は身体が真っ白なエゾヒグマのシロ。少し抜けたところがあるものの好奇心旺盛で元気いっぱいなシロは、母と弟、ニホンイノシシのウリ坊と一緒に仲良く暮らしていた。自然界での生活は、楽しいことも切ないこともたくさん。シロは母から生きるために必要な知恵を教えてもらいながら、愉快な仲間たちと共に日々を過ごしていく。
本作は、シロを中心としたユニークな動物たちが巻き起こすドタバタな日常を描いたギャグ漫画だ。間抜けな顔立ちのシロが持ち前の鈍臭さでドジを踏み、それを見た母や弟、仲間たちが時に呆れ、時に笑って楽しい日常が流れていく。しかし本作で描かれるのは、クスリと笑ってしまうほのぼのとした日常だけではない。生態系ギャグ漫画というだけあって、きちんと生態系の厳しさ、自然界の過酷さも描かれている。個性豊かな愛すべき動物たちを通して時に癒やされ、時に命の尊さや生きていくことの厳しさを教えられる本作は、どんな世代の人にもオススメできる良質な作品だ。動物たちの日常を楽しみながら、生きるとは何か、自然とは何かを考えてみよう。
クマを祀る神社の巫女と人語を話すヒグマの交流を描いたスローライフコメディ。主人公の雨宿まちは、中学3年生の少女。彼女は山奥の村でクマを祀る熊出神社の巫女をしているのだが、不便な村の暮らしに不満を持っていた。まちは田舎を飛び出して都会の高校に進学することを決意。そんなまちの前に、まちの後見人である人語を喋るヒグマ・ナツが立ち塞がった。まちは都会進出を勝ち取るため、ナツが与える数々の試練に挑戦していくことになる。2016年テレビアニメ化。
まちが暮らす熊出村は、東北地方の山奥にある。そこは電波は届かない、電車は来ない、コンビニは24時間営業でなく、人ではなく動物ばかりが目につくようなド田舎だった。まちは幼い頃から一緒に生活してきたナツに都会進出の意思を伝えるのだが、ナツは首を縦に振らない。何せまちは田舎コンプレックスを抱えており、気が引けて町に服を買いに行くことすらできない少女だったのだ。また根気もないため、ナツはまちが都会で生活していくのは難しいと思っていた。本作では、都会に行きたいまちとそれを止めたいナツの攻防がコミカルに描かれている。世間知らずなまちのズレた言動と、人間のまちより人間社会に詳しいナツのやり取りに、読者は思わずクスリとしてしまうだろう。