杉並区の中でも特に中央線沿線の高円寺、阿佐ヶ谷、荻窪、西荻窪のあたりは、それぞれ方向性はやや違いますが、音楽や映画、漫画、アニメなどのサブカルチャーを牽引する地域というイメージがあります。杉並区を舞台にした漫画作品でも、やはりそうしたサブカルチャーに関わる若者を主題にしたものが多い様子です。
江戸時代は幕府直轄の御鷹場が置かれていた江戸川区は、歴史と風情のある下町。しかし何故か漫画作品への登場は非常に少ないようです。特色が少ないわけではないはずなので、江戸川区にお住まいの漫画家さんは今がご当地漫画参入のチャンスと言えるのではないでしょうか。
豊島区には大きく分けて三つの側面があります。池袋を中心としたにぎやかな商業地域、目白・雑司が谷を中心とした落ち着いた住宅街、そして“おばあちゃんの原宿”巣鴨。漫画作品に登場する豊島区も、その中の何処をメインに選んでいるかで、大きく作風が異なっているようです。ご紹介するラインアップの中にも、そんな作品間ギャップを感じることができるのではないでしょうか。
若者の街・渋谷は日本の流行を牽引する最先端地区。漫画作品の中に登場する渋谷区でも、そんなイメージそのまま、区内でも渋谷、原宿、表参道、代官山などのファッション系施設が集中する地域が取り上げられることが多いようです。オシャレでも斜に構えることなく、熱い思いを抱く若者たちが活躍する渋谷区漫画を紹介します。
下北沢や三軒茶屋など、オシャレで個性的な街を擁する世田谷区は、23区内でも緑の多い区として知られています。高級住宅街というほど取っ付きにくいことはなく、ほどほどに庶民的でにぎやかな住宅街というイメージ通り、漫画の中の世田谷区にも、親しみやすいキャラクターたちが住んでいます。そんな世田谷区を舞台にした漫画作品をピックアップしてみました。
23区で最大の面積を持つ大田区。田園調布のイメージに代表されるように、大田区は美しい町並みと、充実した商業施設やスポーツ施設など、文化面でも発達した住宅地と言えるでしょう。大田区を舞台にした漫画作品も、その雰囲気を十分に感じられる「日常もの」が多い模様。また、その総面積三分の一を占める羽田空港を舞台にした漫画も見逃せません。
明治維新の直後には千葉や埼玉にまたがる「葛飾県」が置かれたことでも知られる葛飾区。「葛飾」という名前がついた地域は非常に広いのですが、意外なことに葛飾区を舞台にした作品はあまり多くありません。やはり映画『男はつらいよ』シリーズや、長寿シリーズ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』のイメージが強いため、かえって後からの参入が難しいのでしょうか。
中野区は23区の中でも賃貸住宅の割合が高い住宅地。地方から上京した若者などが家を借りて住むことが多いようです。お隣の杉並区と並んで、漫画家がよく住んでいる地域でもあるため、エッセイ漫画の舞台になることも。またかつては陸軍中野学校があったため、軍人の街としても知られていた時期もありました。そんな中野区の漫画作品をピックアップしてみました。
住宅地が多い地域というのはあまり漫画の舞台になることが少ないのですが、練馬区を舞台にした漫画は意外なほどたくさんあります。都心にある出版社への交通の便が良い練馬区は、昔から漫画家が仕事場を置く場所として重宝がられていたというのがその理由。練馬に行ったことは無くても、地名に聞き覚えのある漫画ファンも多いのではないでしょうか。
荒川のほとりに広がる荒川区は、江戸時代は農村でしたが明治以降工業化が進んだ地域でした。そうした歴史を経て、今は工場跡をマンションや団地に生まれ変わり、庶民の下町といった様子の住宅地となっています。そんな荒川区を舞台にしたにした漫画作品は、その時代時代で親しみやすい雰囲気を持ったものが多いようです。
東京都港区といえば、日本の大企業が多く本社を置くビジネスの中心地です。しかしそういったオフィス街である新橋や虎ノ門だけでなく、麻布や白金台などの高級住宅地や、ブティックが多く軒を並べる青山や、赤坂・六本木などの繁華街なども擁した多面性のある「オトナ」の雰囲気が港区の魅力と言えるでしょう。そんな港区を舞台にした漫画作品には、どのようなものがあるでしょうか。
隅田川と荒川に挟まれた「水の郷」であり、大相撲の聖地・両国国技館や東京スカイツリーを擁する墨田区は、観光都市と言っても過言ではありません。墨田区を舞台にした漫画作品をラインアップしていくと、当然ながら相撲漫画が多いのですが、注目すべきはその背景に流れる江戸下町の情緒や人情と言えるのではないでしょうか。
東京23区内でも特に落ち着いた住宅地の印象が強い目黒区。芸能人や有名人が多く住んでいることでも知られています。非常に住みやすく、住民に愛される目黒区ではあるのですが、目黒区を舞台にした漫画作品はどんなものがあるかというと……実はあまりないようです。特色が少ないのは確かですが、ちょっと勿体無いような……。
品川区のイメージといえば、巨大なビルが立ち並ぶ品川・五反田・大崎などのオフィス街の印象が強い方が多いのではないでしょうか。その一方で戸越銀座など下町感溢れる地域もあり、住民満足度が高い住みやすい区としても知られています。かつては品川宿として多くの旅人の行き交う土地でもありました。そんな品川区を舞台にした漫画作品をご紹介します。
東京都千代田区といえば、まさに首都東京の中心地。官公庁や皇居を始めとした公的施設の多い丸の内周辺、大学や出版社のひしめく神田周辺、そしてオタクの聖地秋葉原……。千代田区は日本の文化面を凝縮した土地と言っても過言ではないのかもしれません。そんな千代田区を舞台にした漫画作品には、どのようなものがあるのでしょうか。
隅田川の東側に位置する江東区は、深川の富岡八幡宮をはじめとした寺社仏閣の多い江戸情緒溢れる地域から、開発の進んだ臨海副都心まで、まったく雰囲気の違う景色を楽しむことができます。そんな江東区を舞台にした漫画作品も、当然様々な方向性を持ったバラエティ豊かなラインアップです。読後は作品を意識しながらの散歩がお勧めです。
東京都文京区の特色は、なんと言っても「文の京(ふみのみやこ)」の名の通り、出版・印刷業が大変盛んであること。かつては湯島聖堂、昌平坂学問所などといった徳川幕府の直轄教育施設もあった由緒ある土地柄。文京区を舞台にした漫画も、本郷に所在を置く東京大学を始めとした、学校関連のものが多いようです。
東京都中央区を舞台にした漫画は、プロフェッショナルな職業モノが多いのが特徴です。洗練された高級店の並ぶ銀座、八重洲、日本橋。そのすぐ隣にある築地には、世界最大の卸売市場があります。食から服飾・宝飾などの専門店、またいわゆる水商売の世界まで、いずれも超一流どころが揃うのがこの中央区。ぜひ一読後、足を運んでみてください。
東京都新宿区は元の四谷区、淀橋区、牛込区という三つの区が合併してできた区。そのため土地も広く、新宿駅周辺の商業地や落合や四谷などの住宅地、大学や病院の多い早稲田方面などさまざまな特色があります。漫画の中で取り上げられるのはやはり新宿歌舞伎町を中心とした夜の世界というイメージもありますが、実際どのような作品があるでしょうか。
千四百年の歴史を持つ浅草寺を擁する浅草や、地方からの玄関口でもある上野を中心とした台東区は、東京都内でも墨田区などと並んで屈指の歴史を持つ地域です。そんな江戸情緒の残る、古き良き下町のイメージ通り、台東区を舞台にした漫画は人情をテーマとした作品が多いようです。作品を読まれる時は、風情のある背景の描き込みにも注目してみましょう。