人質として魔王城にさらわれてしまったスヤリス姫が、置かれた状況に一切屈することなく睡眠の質の向上を目指すコメディ漫画。かつて、人間と魔物が存在していた時代に、魔王城に囚われた悲劇のヒロイン・スヤリス姫が求めたものは、ズバリ“安眠”だった。よりよい寝具や寝床の調達のため、好き勝手し放題のスヤリス姫と、振り回されっぱなしの魔物たちの日々が描かれている。
本作に登場する魔王・タソガレは、褐色の肌に悪魔の角、尖った耳以外は人間と大差ないイケメンだ。魔物が人間の世界を支配することを企て、スヤリス姫を魔界へさらってきた。とはいえ、姫の救出に向かった人間界の勇者・アカツキが、適切な難易度でダンジョンを進めるように宝箱を置いたり、回復スポット設置を試みたりするなど、“ゲームバランス”を気にする気遣いの人。人質であるスヤリス姫から、快眠のツボ押しを頼まれたり、就寝中に勝手にベッドに入り込まれたりと、まったく怖がられていない。そのたびに、頬を真っ赤に染めてしまうタソガレには、「可愛い魔王」の称号を贈りたい。
伝説の魔王が、なぜか勇者一行と一緒に封印されてしまい、外の世界への脱出を共に目指していくファンタジーギャグ漫画。最終決戦で、魔法使いをはじめとする勇者たちに敗れた魔王は、全ての魔力を無力化する閉鎖空間「檻」に彼らと封印されてしまった。外の世界では絶大な強さを誇っていた魔王だったが、魔力を封じ込まれると、女の子同然のような存在に。魔法使いや勇者、武道家、荷物持ち師などにコケにされながらも、勇者一行との間に不思議な絆が芽生えていく。
本作の主人公・魔王は、「檻」の中では外見も能力も村娘と何ら変わらない、ただただ「可愛い魔王」だ。話す言葉は魔王らしく、一人称が「我」で、二人称は「貴様」、語尾は「〜じゃ」。これは、幼少期に受けた「魔王様口調授業」の成果で、基本的には命令口調を貫いているが、威厳はあまりない。すぐに泣きべそをかき、騙されやすいところも、また可愛らしい。魔法使いら勇者たちには、一応「魔王様」と呼ばれてはいるが、閉鎖空間では“何の力もない役立たず”と位置付けられている魔王。そのため、すぐにイライラされたり、話を聞いてもらえなかったりと、伝説の存在とはとても思えないようなぞんざいな扱い方をされている。
日本のサラリーマン・三上悟が、通り魔に刺された後、剣と魔法の世界に、スライムとして転生する冒険ファンタジー漫画。転生した際、「捕食者」と「大賢者」という強力なユニークスキルを獲得していた。転生後はリムル=テンペストと名乗り、旅を続けながら仲間を増やしていく。2018年にテレビアニメ化。
本作に登場する「可愛い魔王」は、竜人属の王ミリム・ナーヴァ。少女のような容姿で、ピンク色の髪の毛をツインテールに結んでいる。魔王になってから数百年以上は生きている古株だが、性格も好みも子どもっぽい。“破壊の暴君(デストロイ)”と呼ばれる通り、その強さは十大魔王の中でも最強クラスの天災級(カタストロフ)と、周囲からは恐れられている存在だ。主人公のスライム・リムルが築いたジュラ・テンペスト連邦国(テンペスト)の評判を耳にした魔王・ミリムは、挨拶に訪れた際に彼を気に入り、親友だと名乗りはじめる。そのままテンペストにしばらく滞在することを決めた魔王・ミリムだが、その奔放さにリムルたちは振り回される。
主人公・雨宮夕日が、ヒロインに恋をしたことで騎士となり、自分の殻を破って成長を遂げていくSFファンタジー漫画。魔法使い・アニムスが、泥人形を使って破壊をもくろ地球で、敵から姫を守るために選ばれた、夕日たち超能力者集団「獣の騎士団」。年齢も素性もバラバラで、もともとは普通の人間だった彼らが、地球の存亡をかけて命懸けで戦う。エピローグでは、闘いから10年後の主人公たちの様子が明かされている。
本作のヒロイン・さみだれは、関西弁で大食い、可愛い見た目に似合わない圧倒的な強さをもつが、騎士たちに守られる姫だ。かつて重篤な病気を患い、長くは生きられない運命だったが、精霊・アニマと契約したことで、元気な体と、泥人形を素手で倒せるほどの強大なパワーを手に入れた。騎士たちと力を合わせ魔法使いと戦うが、実は、「地球を破壊するのは魔法使い・アニムスではなく私だ」という“魔王”的な思惑を抱いている。もとより世界全てを憎んでいた夕日は、そんな思惑を持つ姫に忠誠を誓う。こうして始まった複雑な戦いと、夕日が「可愛い魔王」に抱いた恋心の行方は、その目で確かめてほしい。
最強のヤンキー・男鹿辰巳(おがたつみ)が、無慈悲なまでの強さを魔王に気に入られ、育ての親に選ばれてしまうコメディタッチの少年格闘漫画。石矢魔高校の1年生・男鹿は、ある日、川で赤ん坊を見つける。対処に困り部屋まで連れてきたが、その正体は、人間を滅ぼすために人間界に送り込まれた大魔王の息子・ベル坊こと魔王ベルゼバブ4世だった。2011年にテレビアニメ化。
ベル坊は、魔界の大魔王カイゼル・デ・エンペラーナ・ベルゼバブ3世の息子で、将来は魔族の王の地位が約束されたれっきとした魔王。しかし、生まれたばかりで、常におしゃぶりをくわえており、喃語しか話せない“赤ちゃん”であるため、「可愛い魔王」としか言いようがない。凄まじい魔力の持ち主だが、幼さゆえにまだその力を制御することはできず、感情が爆発すると強烈な電撃を放ってしまうことも。男鹿によく懐いており、初めてきちんと喋った言葉は、彼に対する「とーたん(お父さんの意)」だった。男鹿に育てられる内に、感情や魔力を少しずつ制御できるようになっていく、「可愛い魔王」の成長ぶりに注目だ。