浦沢直樹の初期における代表作の一つ。現代日本を舞台に、天才的な柔道の才能を持ちながら普通の女の子として生活したいと願う柔の成長を描いた物語。柔は祖父の滋悟郎による英才教育を受けながらも、本人は柔道よりもファッションや恋愛に興味を持つ普通の高校生として過ごしたいと考えている。スポーツ紙記者の松田にスクープされ、メディアの注目を集めるようになった柔は、自分の意志と周囲の期待の間で葛藤する。しかし、世界選手権での活躍を経て、次第に柔道選手としての自覚を持つようになり、バルセロナオリンピックでの金メダル獲得を目指すようになる。本作は、女子柔道を題材としたスポーツ漫画である。従来のスポーツ漫画が根性と努力で強くなっていくものが多い中、本作は最初から才能を持つ天才少女を主人公にした点が特徴である。また、スポーツ漫画とラブコメディの要素を併せ持つ作品となっている。小学館「ビッグコミックスピリッツ」1986年30号から1993年38号まで連載。1990年に第35回「小学館漫画賞」一般向け部門を受賞。1989年4月に実写映画が公開され、1989年10月から1992年9月までテレビアニメが放送された。