贋作専門の画廊を経営する主人公の美術に対する情熱を描いた絵画ミステリー漫画。表向きは贋作を販売する画廊「ギャラリーフェイク」。オーナーの藤田玲司はかつてメトロポリタン美術館のキュレーター(学芸員)であった。だが今は盗品など様々な事情から表では流通できない真作の美術品をさばいていた。第41回小学館漫画賞受賞、2005年TVアニメ化。
主人公の藤田はかつてメトロポリタン美術館でその卓越した知識や修繕の才能から「プロフェッサー」と呼ばれた男。だが美術品の横流しを巡って罠にはめられ、メトロポリタンを追われることになった。藤田はその後、とある人物から裏の仕事を教わり、自身で画廊を開く。違法な美術品売買に手を染め、真贋の見極めができない金持ちに贋作を高額で売るなどのあくどい商売をするようになった。だがそんな藤田の美術品に対する情熱は変わらず、価値の分かる者には二束三文の値段で真作を売ることも。また藤田の押しかけ助手となった美女、サラ・ハリファはアラブの王族に連なる大富豪。天真爛漫さで人を惹きつけ、オークションなどで資金援助をして藤田の夢を応援している。
球体のような体をしているが、凄腕忍者の猿飛肉丸が繰り広げるアクション&ラブコメ漫画。私立忍ノ者高校は、表向きは普通の高校だがその実態は忍者を育成する養成機関。そこにひとりの転校生、猿飛肉丸が現れる。超肥満体の体をしているが優れた忍術の使い手。肉丸は幼なじみで校長の娘、霧賀魔子とラブラブな学園生活を始めるのだった。1982年TVアニメ化。
主人公は大食いで女の子大好きな肥満体の少年、肉丸。おおよそ女の子にモテる要素が皆無だが、学校でも評判の美少女である魔子とは相思相愛の恋人同士だ。得意技は上昇気流を巻き起こす「神風の術」。この技でスカートめくりをしては女生徒たちから顰蹙をかい、男子生徒たちからは称賛され、魔子からは怒られていた。だがそんな平和な日常を送っている肉丸たちに、学園を崩壊させる危機が訪れる。本作の続編として連載から30年以上の時を経て『さすがの猿飛G』が発表された。こちらは高校時代から数年後の世界で肉丸たちが「忍の道学院」を舞台に、世界各国のライバルたちと切磋琢磨していく物語である。TVアニメではキャッチーな主題歌でも話題となった。
巨大な卵から産まれた謎の生物、ガンモとその飼い主の少年が繰り広げるドタバタコメディ漫画。小学校三年生の佃半平太(つくだはんぺいた)は中学生の姉、つくねと両親の4人暮らし。ある日、つくねが半平太の飼っていた文鳥を逃がしてしまう。つくねは道にあった巨大な卵を拾い、半平太に渡す。卵から孵ったのは人語を解する謎の生き物だった。1984年TVアニメ化。
本作の主人公は卵のような楕円の体にニワトリのような鶏冠や翼を持った生き物、ガンモと、彼の飼い主となった半平太。ガンモは人語を解する謎の生き物で、自分の正体が分からず、ただ卵の状態で親に捨てられたことは覚えていた。そして佃家で飼われることになり姉のつくねや弟の半平太(あだ名はハンペン)にならって「ガンモ」という名前を付けられた。ガンモは体の表面の模様や色を自在に変化させるなど、普通の鳥にはない能力を持っていた。半平太はそんなガンモの能力を好物のコーヒーで釣って利用することがある。ただしガンモはコーヒーを飲むと酔っぱらってしまうため、散々なオチになることも多い。ガンモと半平太はそんな賑やかで楽しい日々を過ごしながら大切な友だちになっていく。
サラリーマンでありながらボクサーとしての夢に邁進する青年の葛藤と青春を描いたボクシング漫画。高卒で信用金庫に勤めるようになった吉野太郎。一見気弱そうな彼は、クマタジムに所属するバンタム級のプロボクサーであった。就職しても彼は世界王者を目指し、リングに上がり続けていた。第41回小学館漫画賞を『ギャラリーフェイク』と同時受賞。
主人公の太郎は信用金庫に勤めるサラリーマン。職場では気弱で出来の悪い新人と思われている。太郎は過去の悲劇的な事件をきっかけにボクサーとして世界王者になると決心。ボクサーであることを会社には秘密にしていたので、試合のために仕事を早退したり、試合で顔を腫らした姿で出社したりするたびに、上司から厳しく叱責されていた。ボクサーであることを隠していた太郎だが、落とした試合のチケットが原因で先輩である森崎みほに知られてしまう。試合を見たみほは太郎を応援するようになり、それはいつしか恋愛感情へと変わっていった。社会人とボクサーの二足のわらじの厳しさに苦しみながらも、太郎は果敢に夢に向かって突き進んでいく。
平凡なサラリーマンとマジシャンのふたつの顔を持つ男を描いたミステリーアクション漫画。金融会社月影ファイナンスで営業マンとして働く春居筆美は、家庭を大切にするごく平凡なサラリーマン。だが彼の正体は月影ファイナンスのオーナーで裏社会にも精通した奇術師Dr.WHOOであった。Dr.WHOOは善良な人々が悪人から被った被害を「不良債権」と呼び、悪を討つために暗躍していた。
本作の主人公である春居はいかにも人のよさそうな月影ファイナンスの営業マン。そのお人好しが災いして、仕事をしくじることも多い。趣味は下手くそな手品を披露することで、デスクの上には恰幅のいい妻と子どもたちの写真が飾られているというなんとも平凡な男だ。だが、これらは全て彼の正体を欺くための偽装だった。春居の正体は天才的なセンスを持つ奇術師「Dr.WHOO」で、月影ファイナンスのオーナーだった。Dr.WHOOは、善良な人々を苦しめる悪人を懲らしめるため秘密裏に活動をしている。そして月影ファイナンスの社員である小泉じゅんも、Dr.WHOOに助けられたひとりであった。春居は被害にあった善良な人々のため、そして己の過去のため、孤独な闘いを続けていく。