【漫画で見る世の中の動向】~親子関係編~22 Pt.

昭和から平成という時代だけに限ってみても、日本の特に都市部の生活は大きく様変わりしてきています。戦争で焼け野原になり、敗戦国としての貧しい時代を経て世界でも有数の豊かな国に発展してきました。人々の暮らしもそうした変化に合わせて変わってきましたし、社会の最小単位である「家族」という人間同士の関係性にも少なからぬ影響があります。「家族」を描いた漫画にはその時代の「家族」の姿が描かれており、読むことで当時の「家族」がどのようなものであったのか窺うこともできるのです。単純に「昔はよかった」ということでもなく、その時代の「家族」の「幸せ」とはどのようなもので、それは現在にも生きているのかといったことを考えながら読んでみるのもいいかもしれません。

作成日時:2015-12-22 19:36 執筆者:マンガペディア公式

『あじさいの唄』

江戸時代、貧乏暮らしをする浪人とその息子の日常を描いた作品。凄腕の剣術使いなのだが、それを活かせる世でもなく、傘貼りの内職をする父親は優しい性格だが少々ズボラ。拾った子犬とまるで兄弟のように仲のいい息子は、寺子屋に通い明るく生きているが、友達の母親を見ては数年前に亡くした母を思う。物語が始まった時点ですでに他界している母親だが、思い出の中に度々登場する優しさが胸を打つ。

『巨人の星』

かつて自身が果たせなかったプロ野球界の星となる夢を息子に託し、まさに血の滲むような特訓を行う厳格な父親と、亡くなって久しい母親に代わって父と弟を支える優しい姉。教育の甲斐あって確かにプロ野球界で活躍することになる主人公の肉親はそのふたりだけである。父親は日雇いの労働者で、一家の食い扶持を稼ぐが貧しい長屋暮らし。昭和の戦後から高度経済成長期における日本の貧しくもたくましく生きる家庭像を描いた作品と言える。

『三丁目の夕日』

昭和30年代の東京は、戦後の国家そのものが疲弊した時代から高度経済成長で急速に発展する時代に切り替わっていった。町の小さな工場で働く人々は、貧乏暮らしをしていてもまさに経済成長そのものを下支えした存在だろう。物語の中心となる夫婦にひとり息子の親子も、そんな家庭のひとつ。自身らも貧しい暮らしを送る中、東北からの集団就職者を自宅に迎えている。

『美味しんぼ』

高度経済成長によって豊かになった日本を、ある意味象徴している家庭が描かれた作品だろう。貧乏だったが芸術家として大成し、美食家として知られるようになった父親と、父に反抗する不良会社員の息子。母親は息子の幼い頃に他界しており、息子は母の死を父親のせいだと思い込んでいる。厳格な父親が息子を一流の存在に育てるためスパルタ教育を行い、後に対決することになる構造は『巨人の星』とも共通する要素といえる。

『よつばと!』

日本という国の長い歴史の中でも、平成の世でなければ考えられない家族の姿を描いた作品。物語の中心となる天真爛漫な幼い少女は、「とーちゃん」と呼ぶ中年と呼ぶにはまだ若い男性とふたりで暮らしている。ふたりが本当に親子なのかについては周囲に語ることもなく、当人たちもそんなことは気にしておらず、互いが強い信頼関係で結ばれていることが描かれる。現代人らしい気質の「とーちゃん」ではあるが、放任あるいは自立を重んじる教育方針により、少女は現代の子供が失いかけている何かを得てすくすくと成長している。

『私たちは繁殖している』

昭和後期以降の豊かな日本の家庭を描いた作品であると同時に、現代ならではと感じられる家庭の崩壊を描いた作品。作者自身の生活をベースに描かれたエッセイ漫画で、当初出産・育児を主な題材としていたが、結婚と離婚が重ねられていき、それを中心としたトラブル記録といった側面が強くなっていく。昔と違い離婚やシングルマザーという存在も珍しくはなくなった現代の家族の姿を、漫画という形で象徴化して描いているともいえる。

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