原作を山本英夫、作画を池上遼一が務める、異色のバイオレンス漫画。嗅覚が異常に優れ、「スメル」という異名を持ったヤクザがいた。彼はとあるクラブで、彼と同じように五感に優れたヤクザたちと集会を開いていた。そんな中、彼らは突如姿の見えない襲撃者に襲われる。閉鎖された空間の中で、五感を駆使したヤクザたちと透明人間たちの死闘が始まる。
本作の主人公スメルは、嗅覚が異常に発達した男だ。彼は警察犬が見つけられなかった者を、臭いで捜し当てるほどの能力を持っている。そんなスメルを中心に、とあるクラブに集結したヤクザたちは皆、嗅覚や触覚など感覚が非常に優れている。そこを襲撃したのは、男女2人組の謎の透明人間。奇襲によりスメルたちを次々と殺害していく彼らだが、唯一、床に男物の靴とハイヒールの痕跡が残っていた。スルメは研ぎ澄まされた感覚で透明人間に立ち向かいながら、この異常な状況をどこか楽しんでいた。見えないはずの「透明人間の動き」が、圧倒的な画力で描写される作品だ。
異世界からの襲撃者に立ち向かう組織の戦いを描いたSFアクション漫画。「近界」と呼ばれる異世界のゲートが開き、そこからやってくる近界民(ネイバー)に脅かされていた三門市。三門市立第三中学校に通う三雲修は、近界民と戦い町を守る民間組織「ボーダー」の隊員だ。ある日、修のクラスに風変わりな少年の空閑遊真が転校してくる。彼との出会いが、修の運命を大きく変えていく。2014年にTVアニメ化。
ボーダーと呼ばれる民間組織に所属する隊員たちは、近界民と闘うために「トリガー」と呼ばれる武器が支給される。このトリガーを発動させることで、様々な特殊な武器を生み出すことができる。ボーダー所属の精鋭部隊、「風間隊」隊長である風間蒼也は、自身を透明化し相手から視認できないようにするトリガー「カメレオン」を用いた戦術を得意としている。視覚では捉えられない「カメレオン」だが、レーダーでの判別は可能で立てる音を消すこともはできない。弱点も多いが、その存在を知らない近界民には特に有効な攻撃手段だ。本作では、透明化以外にも様々な能力を持つトリガーが登場し、戦術を駆使した戦闘が繰り広げられる。
世界に復讐を目論む犯罪者「アラバスター」が凶行を重ねていく、クライム・サスペンス。ジェームズ・ブロックは黒人の青年で、元オリンピックの金メダリスト。しかし、彼はとある事件をきっかけに投獄され、数奇な運命から半透明の醜い体と、生物の体を透明にする光線銃を手に入れる。やがて彼はアラバスターと名乗り、世界から全ての美を消し去ろうと暗躍する。
主人公であるアラバスターは、かつて交際していた白人女性のスーザンから黒人であることを侮辱され、カッとなった勢いで事故を起こし、刑務所へ投獄される。そこで知り合ったとある科学者は生物の体を透明にする研究をしていた者で、自分の娘を実験台にし透明光線を発明していた。その娘が身ごもった子どもは透明人間として生まれ、亜美と名付けられる。アラバスターは、その技術を用いて身体を透明にしようと試みるが失敗し、皮膚が透けた醜い異形の姿になってしまう。した。自分の体質に苦しんでいた亜美は、アラバスターに誘われ悪の道へと進んでいく。アラバスターを中心に、人間の悪意を描き出す作品だ。
透明になる能力を手に入れた少女が冒した罪を描くファンタジーサスペンス。主人公の来宮花は、暴力を奮う父に怯えながら暮らしていた。そんなある日、花は透明になる力を手にいれる。成長し中学生になった花は、暴力に耐え続ける母のため父を刺殺。透明になっていた彼女の犯行が明るみになることはなかった。花は平穏な生活を手に入れるが、その心の中に深い闇を抱えていた。
本作の主人公である花は、幼い頃から父親の顔色を伺って生きていた。父は機嫌が悪くなると暴力を奮い暴言を吐き、花はやがて自分が消えてしまいたいと願うようになる。そんな環境の中で、彼女は本当に透明人間になれる力を手に入れてしまった。花は最初、どこまで透明になれるかの実験や透明であることを用いた些細な悪戯を繰り返すだけだったが、彼女が中学生になった時、父との間に決定的な溝ができてしまう。結果、花は人通りの多い街中で、透明人間になって父を刺殺。父親から解放された花だったが、誰にも咎められない罪を抱え思い悩むことになる。
女子高生たちが麻雀で全国大会を目指す学園麻雀漫画。麻雀が全年代に浸透した世界で、清澄高校に通う女子高生の宮永咲は、勝っても負けても辛いことになる家族麻雀でトラウマを抱えていた。そのため、勝つことも負けることもない「プラスマイナスゼロ」で終局するよう調整して打つという、特殊な技術を身に着けた。清澄高校麻雀部は、咲のその圧倒的な麻雀の腕を見抜きスカウトする。そして、部の一員として全国大会を目指していく。2009年TVアニメ化。
本作に登場する「透明人間」は、女子高生の東横桃子。彼女は、咲たち清澄高校と死闘を繰り広げたライバル校「鶴賀学園高等部」の副将を勤める。「ステルスモモ」を自称し、気配を消す能力に長けた少女だ。元々存在感が希薄だった彼女は、他者から認知されにくい特徴を持っていた。その影の薄さを最大限に活かし、麻雀においても対戦相手に警戒されることなく手を完成させることができる。恐るべき能力だが、映像など機械を通して見ると普通に姿を捉えることができる。そのため、デジタル麻雀においては「ステルス」能力を発揮することができないが、桃子は元々の麻雀の腕も非常に高い。能力を抜きにしても、多くの強豪を相手に渡り合う確かな実力者だ。