10月7日はミステリーの日。この日は世界初の推理小説を生み出したエドガー・アラン・ポーの命日だ。今回はエドガー・アラン・ポーにちなんで名作『ポーの一族』をはじめとした萩尾望都の作品を紹介する。
萩尾望都の数ある名作から5作品をピックアップ
出典:小学館
10月7日はミステリーの日。この日は世界初の推理小説を生み出したエドガー・アラン・ポーの命日だ。今回はエドガー・アラン・ポーにちなんで名作『ポーの一族』をはじめとした萩尾望都の作品を紹介する。
出典:マンガペディア
永遠の命を持つ異種族・バンパネラ。彼らは人間の生命力とバラを糧に生きている。妹、メリーベルのために、少年の姿のままバンパネラ(不老不死の存在)である「ポー」の一族になったエドガーは、永遠に少年のまま、時の中を彷徨う。彼の宝物である妹・メリーベル、そして彼がバンパネラにした少年・アランは、エドガーに愛と孤独を与えるのだった。
作者・萩尾望都の代表作のひとつ。幼い頃、妹・メリーベルと共に捨てられたエドガーは、バンパネラと呼ばれる吸血鬼の一族「ポー」の老ハンナに拾われる。ある日、老ハンナのある儀式をエドガーが目撃したために、彼もポーの一族になる運命を定められた。本作はバンパネラとなったエドガーが、様々な場所や時間を旅する物語である。そしてエドガーと共に旅をするのが、彼の手でバンパネラとなった少年・アランだ。主人公の「エドガー」と「アラン」、そして一族の名前「ポー」を並べると、推理小説の生みの親である「エドガー・アラン・ポー」の名前になる。2016年に、連載終了から40年ぶりにシリーズ新作『春の夢』が発表された。
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長女・リカを出産したゆりこ。だがゆりこの目から見たリカは、イグアナにしか見えなかった。次女・マミは普通の女の子の姿に見えるため、ゆりこはリカを無視し、マミばかりを溺愛。リカ自身も、自分の姿がイグアナに見えているため、諦観していた。そんなある日、リカは牛のような男・一彦と出会う。やがて一彦と結婚したリカの元に、母の訃報が届く。
主人公・リカの外見がイグアナに見えるのは、リカ自身と彼女の母だけ。母の愛を知らないリカは、いつかガラパゴス諸島に行って、本当の両親を捜すと決心する。しかも、一生ひとりで生きると達観し、学業に専念する。リカは、傍からみれば美人で優秀であった。母の影響から姉をバカにしていた妹・マミも、他者の言葉で冷静になり、心を入れ替え姉に優しく接する。リカと母の間では相変わらず確執が続くが、リカは一彦と結婚し、家を離れて幸せな生活を送る。やがて母親になったリカは、人間に見える我が子に不安をおぼえた。そんな時、母の訃報が届き、リカは母と無言の対面をする。作者自身が心にわだかまっていた親との関係を見つめなおすために描いた名作。1996年にテレビドラマ化された。
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アメリカのボストンで、母・サンドラとふたりで暮らすジェルミ。彼は、大富豪・グレッグが母に求婚したことで、彼の元で暮らすことになった。しかしグレッグは、サディスティックな性格だった。母・サンドラを盾に取り、ジェルミに酷い仕打ちをするようになるグレッグ。ジェルミは耐えられず、グレッグを殺害しようと計画。だがその時に、母も巻き込んでしまうのだった。第1回手塚治虫文化賞優秀賞を受賞した、サイコ・サスペンス長編作品。
主人公・ジェルミは、ごく普通の少年だった。母・サンドラと2人きりの母子家庭で、経済的に苦しくとも幸せな日々を送っていた。母が再婚し、 その再婚相手から酷い仕打ちを受けるが、ジェルミは母の幸せを守るために耐える。誰にも言えず苦悩するジェルミが、結果的に殺人を犯してしまう過程は、あまりにも過酷だ。しかも、その時に最愛の母を巻き込んでしまい、母も殺してしまったと苦悩する。その後、ジェルミは故郷に戻り、男娼として生活することに。そんな彼を救ったのは、継父の実子であるイアンだった。虐待、依存、殺人、暴力、ドラッグ、売春など人間の欲望に潜む深い闇を鮮烈に描いた傑作だ。
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辺境の惑星開発の最中に事故死した、女性技師のアデラド・リーは、3年前に地球を出発する際に保存したクローンの体で復活した。再び惑星開発に関わることになったアデラド。しかし彼女は地球を出発する以前の記憶しか持たないため、仲間とすれ違いが生じる。特に、アデラドの恋人だったレグは、「新たなアデラド」に戸惑いを隠せなかった。
主人公・アデラドは、コンピュータ開発のために人為的に生み出された「一角獣」と呼ばれる変異種の少女。この種は、赤いたてがみのような髪を持ち、赤外線の波長を見ることができる。だが、感情を出すことが極端に少ないため、他者から誤解されやすい性質だ。クローンのアデラドはオリジナルと同じ記憶を持つが、それはオリジナルが死亡する3年前までのもの。惑星開発に携わったことも、レグと恋人であったことも、記憶から消滅していた。再びレグと絆を深めていこうとするが、彼らの前に新たな事件が起きる。切なく、そして美しさに満ちた作品だ。
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西暦2052年、夢の中に入ることができる「夢先案内人」の渡会時夫は、7年前のある事件から眠り続ける少女・青羽の夢を調査することになる。青羽の夢の世界は、「バルバラ」と呼ばれていた。その後、時夫は、息子・キリヤから「バルバラ」の名前を聞くことになる。それは、キリヤがパソコン上で創った架空の島の名前だった。2006年に日本SF大賞を受賞。
架空の世界「バルバラ」と、現実世界に顕幽する「バルバラ」を追うSF作品。本作は、少女・青羽が暮らす不思議な世界「バルバラ」から物語が始まる。そこに「夢先案内人」の時夫が現れ、物語は現実世界へ移行する。バルバラは、7年前から眠り続けている少女・青羽の夢の世界。不思議なことに、そのバルバラと同じ形の島が、現実世界の瀬戸内海に現れた。そんな時、離婚して疎遠になっていた時夫の息子・キリヤから、彼が創り出した想像上の架空の島「バルバラ」の話を聞く。しかもキリヤは、その島のことを誰にも明かしていないという。何故その島が青羽の夢に現れているのか、物語は夢と現実の間で奇妙にリンクしていく。
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