伝説の少女漫画集。男性にもおススメの読みごたえ！402 Pt.

西洋に伝わる吸血鬼（バンパネラ）伝説に題材をとった作品。少年の姿のまま永遠の時を生きる運命を背負わされた吸血鬼エドガー。その苦悩と妹への愛を描く。18世紀の貴族の館から20世紀のギムナジウムまで舞台はどんどん変遷し、ドラマも複雑に展開していく。どこまでも美しく悲しい、耽美な世界がそこにある。発表当時、そのあまりにも斬新な内容に読者は驚愕し、少女漫画を「卒業」していた人までも虜にして、少女漫画人口を増やすのに貢献したとされる。

1970年代、ソビエト連邦は世界最高峰のバレエ大国として君臨していた。そのソ連を舞台にしたバレエ漫画。主人公のノンナ・ペトロワをはじめ、たくさんのバレリーナたちが登場、プリマドンナ目指してしのぎを削る。共産主義国家であるソ連での人々の生活、そんな社会でバレエをやることの意義、いくつものバレエ学校、などなどが、ていねいに描かれている。なお、タイトルの『アラベスク』は、バレエのポーズのことでもあり、作中で登場するアラビアンナイトをモチーフにした新作バレエのタイトルでもある。

おひつじ座＝アリエスの星の元に生まれた二人、久保笑美子と水穂路実は名門私立に通う高校生。実は異母姉妹であるふたりは、運命に導かれて偶然の出会いをするが、同時に同じ男性を好きになってしまう。さらにその二人を慕う、幾重もの別の愛が絡んできて……。つぎつぎと二人を襲う、障害と悲劇。おだやかで素直な笑美子と、奔放で激しい路美。果たして、対照的な二人の愛の行く末は？　80年代に南野洋子主演でドラマ化されてさらなる人気を呼んだ、恋愛悲劇の金字塔。

20世紀初頭のアメリカ中西部およびイギリスが舞台。キャンディは孤児だが、世間の偏見の目にさらされても、いつも明るく前向きで、周囲の人に愛されながら成長していく。幼少時にポニーの丘で出会った「丘の上の王子様」の言葉、「おチビちゃん、笑った顔の方がかわいいよ」を胸に、どんなにつらいことがあってもキャンディは今日も笑顔でがんばる。現代日本を舞台にした学園物が少女漫画の主流だった当時、外国文学のような舞台仕立てと物語展開は少女たちの憧れの的だった。

70年代にテニスブームを巻き起こしたスポ根漫画。明るく優しくてドジな主人公・岡ひろみは、「お蝶夫人」にあこがれて名門・県立西高テニス部に入るが、新任の宗方コーチにいきなり代表選手に抜擢されたことで、周囲のいじめにあってしまう。コーチの厳しいシゴキを乗り越えて、ひろみはエースの座をつかめるのか？　宗方コーチの真意とは？　随所に登場する、往年の実在選手、福田雅之助の「この一球、絶対無二の一球なり」の名台詞も有名。