高野苺の代表作。舞台は現代の長野県松本市。高校2年生の女子、菜穂が、未来から届いた手紙を手がかりに、転校生の翔の自殺を防ごうと奮闘する姿を描いた物語。菜穂は、同じく手紙が届いたという友人の弘人、あずさ、貴子、朔と共に翔を救うために行動する中で、友情と絆を深め、翔の心の傷に向き合っていく。本作はパラレルワールド理論を取り入れ、SF、青春、恋愛要素を融合させた物語。手紙を介して現在と未来の時間軸が交錯し、現在の出来事と、それによる未来の結果を対比させる構成となっている。世界設定として、未来からの手紙によって過去を変えられる可能性と、パラレルワールドの存在が示されており、菜穂と友人たちの心理描写や人間関係を深める役割を果たしている。集英社「別冊マーガレット」2012年4月号から2012年12月号まで連載後、双葉社「月刊アクション」2014年2月号から2015年10月号まで連載。その後、番外編が同誌2016年4月号から2017年7月号、同社「Webアクション」2021年7月から2022年4月まで不定期に掲載された。2015年12月に実写映画化。2016年7月にテレビアニメ化され、2016年11月には劇場版アニメ化された。