オーダーメイド紳士服を題材にした職人漫画。ナポリで暮らす日本人の織部悠は、「ミケランジェロ」と称された伝説の仕立て屋マリオ・サントリヨの弟子。彼は、特急仕事をこなす職人として知られていた。当然、彼の元にはいつも無理難題が舞い込んでくるが、真摯に服を仕立て、依頼人の人生を後押しする。
主人公の織部は日本人でありながら、オシャレな伊達男たちが集うイタリアのナポリで、その名を知られている職人だ。腕が良く、無茶な仕事ばかり請け負うのには理由があった。師の治療費のために、カモッラ(イタリア・マフィア)に莫大な借金をしているためだった。時には命懸けの仕事も舞い込むが、彼はどんな時でも自身の美意識と客の求めるものを追求し、お客様と自身も納得する服を仕立てる。やがてナポリの貴族にして大事業家であるベリーニ伯爵の援助を受け、カモッラからの借金を整理し自身の店を持つ。続編に「サルトリア・ナポレターナ」「フィオリ・ディ・ジラソーレ」「下町テーラー」(いずれもサブタイトル)がある。
実在するファッションブランドRONIと完全コラボしたファッション漫画。双子の小学生姉妹、莉緒と思緒はRONIの服が大好きで、莉緒は思緒と一緒にモデルになるのを夢見ていた。そんなある日、ショップ店員からフィッテングモデルに誘われ、莉緒は思緒を連れて参加する。だが、そこで初めて思緒の本音を知ることになる。
本作は、女子小学生に大人気のファッションブランドRONIとのコラボ作品。作中にはRONIファッションが紹介されている。そのRONIが大好きな双子の姉妹の莉緒と思緒は、RONIのフィッテングモデルをすることになる。莉緒は浮かれるが、それに対し思緒の思いは別にあった。思緒はセンスも良く、服の細かい工夫まで気づくほどだが、目標はモデルではなくデザイナーだった。自分と同じくファッションモデルを夢を見ていたと思っていた莉緒は、思緒の本心を知りショックを受けるものの、2人はそれぞれの夢に向かう。やがて莉緒はRONIのカタログモデルに、思緒はRONIでデザインの勉強を始める。
クラゲマニアのヒロインと、女装男子が織り成すファッション&ラブストーリー。男子禁制の「天水館」には、通称「尼~ず」と呼ばれるヲタクたちが下宿していた。その1人、クラゲマニアの月海(つきみ)は、女装男子の蔵之介と知り合い、やがて彼女たちは地上げの危機に陥った天水館を守るため共に奮闘する。2010年TVアニメ化、2014年実写映画化、2018年TVドラマ化。
主人公の月海を含め、天水館の下宿人たちは何かしらのヲタクであり、恋愛にもファッションにも興味がない。さらに容姿のコンプレックスからオシャレを遠ざけていた。そんな彼女たちは地上げの危機にある天水館を自分たちで買い取るため、蔵之介の先導を元に、ファッションブランド「Jellyfish」を立ち上げることに。クラゲ好きの月海がデザインしたクラゲをモチーフに、ドレスを作り打って出る。しかし、流行どころかファッション全般を避けてきた尼~ずたちは、一般的なファッション用語すら意味不明の状態だった。また本作は、華やかなファッション業界の闇や、オシャレに臆病になっている女性目線での「着たい服」といった、リアルな服飾業界事情も描かれている。
若きオーダーメイド靴職人を描いた人間ドラマ。東京にあるオーダーメイド靴店「IPPO」。その店主を務める一条歩は、まだ22歳の若者だが、名の知れた靴職人の祖父の元で12歳の頃から修業を積んだ一流の職人だ。一足30万円からの高級店にも関わらず、彼の元に「新たな一歩」に相応しい靴を求める者たちが訪れる。
歩の祖父であるフィリッポ・ジェルリーニは、イタリアの靴ブランド「ジェルリーニ」の創始者であり、腕利きの職人。歩は両親の離婚を機に12歳でフィレンツェにいる祖父の元へ向かい、靴職人の修業をすることに。その後、一人前の職人となった歩は、東京にある祖父の店を譲り受けるが、その条件は「歩の店」であること。そのため「ジェルリーニ」ではなく「IPPO」という歩のブランドで店を構え、やがて靴コレクターや芸能人、事故で義足となった元モデルなど様々な人々が訪れるようになる。そんな中、歩は祖父から靴を作ってほしいと依頼を受ける。師であり大切な家族である祖父の依頼に、歩は靴職人として答えを探していく。
ファッション知識皆無の成人男性を題材にしたオシャレ入門漫画。中小企業のサラリーマン佐藤佑介は、大学生の妹の環と二人暮らし。ある日、佑介は同窓会に出席し、自分が年相応の服装をしていないことに気づかされる。落ち込む佑介に対し、環はアドバイザーになると提案。佑介は最初戸惑うものの、環の的確な助言に前向きになるのだった。
主人公の佑介は、休日はゲーム三昧というヲタク。27歳にして服装には無頓着、同窓会に参加する時でさえ、いつも通りのパーカーとジーンズで出席する。しかし、周りの友人たちは年相応の服装をしていた。ショックを受ける佑介に、妹の環が服を買いに行こうと誘うが、オシャレに対してネガティブになっていた佑介は尻ごみする。渋々ながら連れられていった先は、カジュアル服で誰もが知る「ユニクロ」。環は値段でもブランドでもなく、全体的な調和の重要性を説き、まずは組み合わせがしやすいモノトーンの服から始めることに。そこで黒のスキニーを購入した佑介は、やがて環の指導の元でファッションの楽しさに目覚めていく。