ひょんなことから少年の家に居候することになったオバケと、その仲間たちが騒動を巻き起こすギャグ漫画。大原正太は、ちょっぴり弱虫なのが玉にキズの小学生だ。ある日、正太は友人たちと忍者ごっこをして遊んでいたところ、森の中で大きな卵を見つける。中から音がしたため、試しに卵を割ってみると、「Q太郎」と名乗るオバケが出てきたのだった。1965年、1971年、1985年にテレビアニメ化。続編に『新オバケのQ太郎』がある。
Q太郎は卵から出る手助けをしてくれたお礼にと、正太につきまとい、忍者ごっこの手伝いをしようとする。最初は嫌がっていた正太だが、Q太郎にピンチを救われすっかり仲良しに。正太の家に居候することになったQ太郎は、ヘマをすることも多いが大原家の一員になれるよう奮闘する。正太も彼の背中に乗って空を飛んだり、いろんなところへ冒険しに出かけたりと、Q太郎のかけがえのない相棒になっていく。Q太郎はご飯を最低二十杯食べる大飯食らいで壊滅的な音痴、おまけに犬が大の苦手と、オバケのイメージとは遠い人間くささが愛らしい。また、ラーメンを食べているところをいつも彼らに邪魔されるメガネの「小池さん」など、誰もが知るユニークなキャラクターが目白押しなのも見どころだ。
漫画家の女性と地縛霊の少女との同居生活を描いたほのぼのショートコミック。とあるアパートで一人暮らしをしている主人公・薫は、隣の部屋からの騒音に悩まされていた。隣の部屋は事故物件で、幽霊の仕業で夜な夜な声が聞こえたり食器が割れたりするポルターガイスト現象が止まないからである。ある日、騒音のせいで仕事に集中できず、薫は思わず霊に向かって声を荒らげてしまう。すると、壁の向こうから聞こえてきたのは少女のすすり泣く声であった。
「一人が怖い」と嘆く声を聞き、薫は情にほだされ霊の住む部屋を訪れる。なんと玄関先に現れたのは、地縛霊の少女であった。少女は薫に取り憑くことで隣室から解放され、「クロ」という名前を与えられ薫と同居をすることになる。クロは薫と出会うまで明るい部屋で過ごしたことがなく、ずっと孤独であった。一緒の布団で寝たり二人でお風呂に入ったりと、同居生活を送る中でクロは朗らかさを取り戻し、距離も少しずつ縮まっていく。クロは見た目こそ普通の女の子だが、ポルターガイストを起こしたり壁をすり抜けたりする際にドヤ顔をするお茶目な一面がある。そんな彼女を薫はおおらかな愛情で包み込む。二人の関係性に、読者はほっこりさせられるだろう。
霊能力者の少年が、地縛霊の女子高生が住みつく温泉アパートに入居することとなり騒動を巻き起こすドタバタラブコメディ。主人公・冬空コガラシは悪霊のせいで多額の借金を背負い、住処を失っていた。通りすがりの老夫婦にイタズラする妖怪を退治したところ、お礼にと元温泉旅館のアパート「ゆらぎ荘」を紹介される。食事付き・温泉付きで破格の家賃に食いつくコガラシだったが、老夫婦はゆらぎ荘に幽霊が出ることを告げる。2018年にテレビアニメ化。
ゆらぎ荘の大家である老夫婦は、さらに家賃無料を条件に彼に除霊を持ちかける。コガラシはやる気まんまんで入居するものの、風呂場で地縛霊の女子高生・湯ノ花幽奈(ゆのはなゆうな)と出会い、なりゆきで同居することに。今まで拳ひとつで除霊を行ってきた「肉体派霊能力者」を自負していたが、女性を殴れない性格と、幽奈の身の上話を聞くうちに決心が揺らいでいく。個性豊かな住人たちとのふれあいや、天真爛漫な幽奈との同居を続ける中でコガラシの心境に変化が訪れ、彼女を幸せにすることを決意する。幽奈は幽霊だが、見ためは普通の少女と変わらない。二人の恋の行方もさることながら、登場人物たちのセクシー描写も満載でお色気漫画としても楽しめる。
大学生男子と「見えない」幽霊カノジョの同居生活を描いたラブストーリー。「のぼさん」こと野保康久(のぼやすひさ)は、仏教系の大学に通うお人よしな大学生だ。そんな彼に、ある日「カノジョ」がいるという噂が流れる。羨ましがる友人たちを尻目に、のぼさんはカノジョから頼まれた買い物のネギを片手にアパートに帰宅する。誰もいない部屋でのぼさんがネギを差し出すと、フワフワとネギが空中を浮遊する。なんとカノジョは、彼にも姿が見えない幽霊だったのだ。
のぼさんは、以前住んでいたアパートが火事になり、家具付きで家賃8千円の事故物件に住むことに。そこに住みついていたのがカノジョであった。当初はポルターガイストを起こすなどして勉強の邪魔をし、彼を困らせていたが、のぼさんの必死の訴えに心を開く。姿も見えず言葉も話すことができないカノジョのために、のぼさんはホワイトボードを用意し、意思疎通を図り距離を縮めていく。カノジョは嫉妬深く、怒ると物を投げたり彼のクレジットカードを使って買い物をしまくったりとやりたい放題だ。そんな行動に辟易しつつも、同居生活を楽しむのぼさんの器の大きさに癒やされる。ラストに近づくにつれ明かされるカノジョの意外な正体と、二人の恋の結末に感涙必至だ。
変態青年と「合法的に」同居することになった幽霊少女とのふれあいを描いた4コマラブコメディ漫画。主人公・後藤聖一は一人暮らしをしようと物件を探していたところ、家賃1万円の格安アパートを発見する。そのアパートは事故物件で、部屋で亡くなった少女の幽霊が出るとの噂があった。「少女」というワードに反応した聖一は入居を即決する。入居初日、眠る聖一の枕元に幽霊の少女・上原ひな子が現れ聖一を部屋から追い出そうとするが、彼女を待ち受けていたのは思わぬ苦難だった。
聖一は、脅かそうとするひな子に怯むことなく彼女の着物の裾をめくり、セクハラまがいの言動を繰り返す。霊が見える家系に生まれ、少女と合法的に同棲ができると息巻く聖一に彼女の方がドン引きだ。聖一は「3日間で僕を怖がらせることができれば部屋を出て行く」と提案し、ひな子はあの手この手で彼を脅かそうとするも返り討ちに遭ってしまう。根負けした彼女は地縛霊となった理由を明かし、晴れて二人は同居することに。終始聖一の変態っぷりに翻弄されるひな子にクスリとさせられる一方で、彼女の正体が明かされ物語は意外な方向へ加速する。いつの間にか彼を意識するようになったひな子と、変態ながらも意外と真面目な紳士である聖一の恋の行方から目が離せない。