中村光の代表作の一つ。前年まで連載していた『中村工房』のキャラクターが多数登場する。荒川河川敷を舞台に、絶対に他人に借りを作らないことを信条とする大財閥の御曹司、市ノ宮と、金星人を自称するホームレス美少女、ニノの恋を描く。命の恩人という借りを返そうとする市ノ宮は、「恋をさせてほしい」というニノの提案を受け入れ、河川敷での生活を開始する。河川敷の村長である自称河童から「リクルート(通称リク)」という名前を与えられた市ノ宮は、星やシスター、P子といった個性的な住人たちとの交流を通じて、ニノとの関係を深めていく。本作は、「電波系」と表現される独特のギャグ要素を持つラブコメディである。現実離れした設定とキャラクターを用いながらも、笑いの中に切ない要素を織り交ぜた表現が特徴となっている。河川敷という特殊な空間では、現代社会の常識から外れた価値観を持つ住人たちが作り上げた共同体があり、村長を中心とした独自のルールや慣習が物語の重要な要素となっている。スクウェア・エニックス「ヤングガンガン」2004年創刊号から2015年No.14まで連載。2010年にテレビアニメ化され、2期にわたって放送された。また、2011年7月から9月までテレビドラマ版が放送された他、2012年2月には実写映画が公開された。